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6月23日 川崎汽船の株主総会 会場の前でテレビカメラが取材 [株主総会]

持ち株の中でも成績底辺レベルの銘柄。いつ売ってもいいんだけど、と思いながらまだ持っていた。仕事と違って個人投資家には色んな理由があるものだ。PBRが1倍を大きく割ってからは、株価の下にも限界があると高を括っていたら、「B(純資産)」がみるみる小さくなって、割安感が無くなってしまった。PBRで割安株を物色すると、こういう罠に落ちるので注意しましょう、という典型。買った時はそういうわけではなかったんだけれど…。

総会会場のビルの前にテレビの取材スタッフがうろついている。その時は大して気にもしなかったが、夜のテレビ東京のWBSで取り上げられていた。昨年大株主の村上ファンドの反対票で、社長が危うく不信任となりそうだったという話。今回は輪をかけて業績が悪いわけだから、社長の再任が承認されない、なんてこともあり得たわけだ。

会場内は空いていて、ゆったり座れる。通路をはさんで隣りはスタッフ席。スタッフの女性が熱心に、何を書いているのだろうと覗いてみたら、速記だった。速記なんて国会でしか見られないもののように思っていた。生で速記しているところを見るなんて初めてだ。

とにかく部門を細かく分けてみても黒字の事業が無い、という感じ。例外は不動産管理事業ぐらいだろうか。典型的な市況産業だから必然ではあるんだろうが、事業報告を聞いていると、景気や市況など事業環境の部分が長い。どうしても、「市況のせいで業績が悪い」という説明になる。だからどこか人のせいにしているように聞こえてしまう。

長期的な方針の中に、戦略転換して次代の中核事業を育成するのだ、と謳っているのだけれど、聞いてみれば何か具体的な案件があるというわけではない。物流事業なんかいいんじゃないかな、というぐらいのレベルで、真剣に取り組んでいるのかどうかは不明。エネルギーのバリューチェーンという言葉も出て来て、採掘から製品の輸送までの一貫した物流サービスということのようだが、設備投資がかかる話だから、良いパートナーを見つけて…と最後は言葉を濁している。つまり、できればいいなと思うけど、お金がかかるし、1人じゃリスクをとり切れないということ。話を聞いていても、できる気がしない。

業績が悪くて無配なのだから、社員や取締役も報酬カットされるのは当然だ、という株主。これに対しては、役職によって幅はあるが1年前より15~25%の減俸コンテナ船事業の3社(郵船、商船三井と)統合などもあって、社内の危機感は十分にあるという回答。減俸も統合も良いと思うが、ここまで業績が悪いと、良くなる日が一体来るんだろうかという気分になる。

それ以上厳しい発言をする株主も無く、期待に反して(?) 何の波乱もない総会だった。社長の首はつながったわけだ。もう一つの議案は株式の併合で、株式数が1/10になり、株価が10倍になる。投資価値に実質的な影響はないが、株価の名目値が高くなると、下がる余地が出て来てしまうようで、何となくありがたくない。


→ テレビ東京のニュース

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6月20日 小松製作所 製品展示会もあればもっと良かったけれど [株主総会]

小松製作所は私のポートフォリオの中では比較的新顔なので、総会出席も初めて。会場は都心部のホテルだったけれど、去年まではビッグサイトで開催していたらしい。製品展示会を同時に開催していたのだとか。後の質疑応答で判明した。なぜやめてしまったのか、再開されるのか、という質問だったわけだが、ビッグサイトがオリンピック開催の影響で使えなくなったとの回答。何せ超重量級の製品が並ぶわけだから、やわな会場では開催できないのだ。見られたはずの製品展示が無くなったとは残念。オリンピックの副作用がこんなところにもあるとは。

ここ数年の業績は、はっきり言ってパッとしない。特にこの2年は、結構な幅の減益だ。長期見通しを示した資料にも、あと2年ぐらいは低迷するような図が載っている。かつてのような中国市場の急成長はないだろうし、しばらくは我慢の時期が続くというわけだ。資源・エネルギー市場も落ち着いてしまって、鉱山関係の盛り上がりも当面期待できない。

コマツの株価というのは、リーマンショックから回復した後はきれいに3000円と1500円の間を行ったり来たりして、そこそこ忠実に業績を反映している。新たな成長の兆しが出て来るまでは、ずっとこんな感じなのだろう。次に成長の兆しが見えてくるまでの雌伏期にやることと言えば、研究開発とM&Aということになる。で、前年度決算直後の4月には、Joy Global社という米国の鉱山機械の会社を買収している。

社長はどうも話が上手い方ではないらしく、棒読み調のプレゼンテーションにビデオを織り交ぜながらの事業報告は、何となく物足りない。しかしその分を補って、質疑応答は内容の充実したものが多かった。

最初の質問は、JoyGlobal社の買収について。きちんと調べて書いたレポートを発表するように、理路整然とした質問ぶりで、石炭依存度の高いJoy社の将来性に対する疑問を表明してみせた。回答もまた的確に、くど過ぎもせず、買収の決断について説明している。用意されている資料も上手く質問に答えているし、ちょっと出来過ぎなので、この一問目はもしかするとサクラかも、と思わないでもない。

その後もこの買収についてはいくつか質問があった。買収金額が約3000億円と大きいので、心配するのは当然だ。エネルギー資源としての石炭は重要な地位を占め続けるだろうという見通しは、私は基本的には賛同するし、今のように、マーケットがどちらかというと弱気に傾いているような時にこそ、買収の好機ということもあり得るだろう。それでもやはり、買収対象が質の高い会社だったのか、価格は高すぎなかったか、といった点を株主に十分説明することは、とても重要なこと。

社外取締役についての質問。そのうちの一人が7社も兼任しているが、本当に稼働できているのか。また、社外取締役に賞与を出すというのはおかしいのではないか。・・・これはコマツの問題というより、社外取締役の在り方に関する疑問といった方が良いかもしれない。これに対しては、回答も的確に答えることが出来ていないと感じた。

最初の疑問は、私もいつも感じていること。多く兼任すると、それぞれの企業に対して十分な時間を割けなくなるはずだ、という先の質問の主旨だけでなく、1人の人物が、そんなに何社もの経営情報を握っている事態は、どうしても健全とは思えないのだ。社外取締役の賞与についても、賞与どころかそもそも報酬を貰っている時点で、厳密には社外ではないというべきなのだ。

充実した質疑応答も終盤にかかったところで、かなり高齢の男性が、株主優待についての質問。300株を3年間保有するともらえるんですよね、と。自分は200株持っていたが、そのことを知って某年に100株買い増したのです、だからもらえるんですよね、というあまりにも他愛のない質問に、会場の空気がどっと緩み、方々で低い笑い声が沸き起こった。

株主優待にしても今日の総会みやげにしても、要は「おもちゃ」。モデルカー、ミニカーの類だ。特に株主優待の方は非売品で、好きな人には良いコレクションアイテムかもしれない。総会みやげのミニカーも、このくらいなら愛嬌で、これを貰いに来るおみやげハンターもそうそうは居ないであろうし、センスのあるおみやげと言えるんじゃないか。

終わってみると、社長のプレゼンは棒読みだったものの、質問に対する答えはかなり充実。何人もの取締役が回答に当たり、結果的に全体としては良いプレゼンテーションになっていた。これで、去年までやっていたという製品展示会が付いていれば、かなり満足度が高かっただろうと思う。

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6月19日 今年も出席 バンダイナムコの総会 [株主総会]

バンダイナムコの株主総会は、たぶん私としては参加した回数が一番多い総会ではないかと思う。以前は総会出席みやげの一つが、サンシャインビルにある「ナンジャタウン」の1日券だったので、夏休みに子どもを連れて行ってやろうと、せっせと出席したりもした。しかし数年前、ナンジャタウンのリニューアルと共に1日券は、ナンジャタウンから花やしき遊園地に変わってしまった。

総会には、別におみやげ目当てに通い続けているわけではない。私が一番気に入っている株主総会で、周囲にもそう言っている以上、できるだけ出席して様子をアップデートしておきたいと思う。毎年の繰り返しになるけれど、気に入っている理由は、参加している株主の年齢層が若く、熱意を感じること。そして取締役が全員一言ずつスピーチすること。(詳しくは過去のレポートをどうぞ。)

今年は議案に「取締役を対象とする業績条件付報酬の内容の変更(業績条件付株式報酬制度への移行)の件」というのが含まれていたのだが、これについても比較的分かりやすく説明があった。この手の議案は通常、標題を見ただけで内容を読む気が失せてしまうものなのだ。内容に興味がないわけではないが、複雑だったり説明が細かかったりして、ちょっと読んだだけでは頭に入らないから諦めてしまう。きちんと説明してくれるのはありがたい。

全体の業績は申し分ない。売り上げ構成比の大きい「ネットワークエンターテインメント」(ひと言で言えばゲーム部門)が大きく利益貢献したし、利益率の高い「映像音楽プロデュース」も好調だった。今期予想は保守的に見えるが、要はゲームのようなミズモノでの大ヒットは、そのまま業績見通しには反映させないというスタンスだ。それはよいことだろう。ただ、売上6200億、営業利益630億の企業が、基本の経営指針として「売上5000億、営業利益500億を安定的に達成できること」と言われると、欲が無さ過ぎとの感は否めない。

さて、株主からの質問だが、ふと前方を見ると、7~8列前に、てっぺんに大きな赤いリボンを立てた白っぽい金髪頭が見える。どうやら何かのコスプレらしい。途中で質問の挙手。どんな質問をするのか聞いてみたかったが指名されず、途中で挙手を止めてしまった。残念。(笑)後でネットを見てみたらこの方、何年か前からよく姿を見せているようで、どうやら男性らしい。こんな光景が見られるのもバンダイナムコならでは。

いつものように質問は、株主からの熱意溢れる応援メッセージに近い。キャラクターもゲームも全然分かってない私にはほとんど理解できない質問が多いが、私自身も聞きたいと思っていた、業績に関する質問もばっちりカバーされて、私も満足。(上述の、保守的な業績見通しの件です)

その他印象に残ったもののいくつか。
・ナムコ創業者の中村雅哉氏を悼むファンの質問、というより、彼の思いを形に残してほしい、という要望。どういう答えを望んでいるのか分からないけれど、回答も要は気持ちの問題だろう。
・30代くらいに見える男性から、ターゲット層を広げると言っているのだから、子供向けのキャラクターを子ども限定にしないで大人も受け入れて欲しいという意見。「ココタマ」のキャラクターが好きで応援しているのに、映画だかイベントだかに出かけたら、子ども限定と言われてしまってがっかりしたとのこと。「ココタマ」ってどんなんだろうと思って検索したら、小さな女の子向けにしか見えないキャラクターでさすがにびっくり。この株主さんも「これが好き」と大勢の前で堂々と言えるのは、ここの株主総会ならでは。

ターゲット層の拡大、という話は今後の重点戦略の中に確かに挙げられていて、代表として「オトナ女子など」と表現されていた。私もそれに含まれるんだろうか。それを反映してのことだろう、今回の総会みやげ。初めて、私にも使えるものが入っていた。「くまのがっこう」のキャラクターのノートだ。ちょっとうれしい。

会場への通路。皆さんお気に入りのキャラクターの前で写真を撮ってます。
DSC_0795.JPG


総会後のお楽しみ。ちびっこたち、お待たせしました。
今日の雰囲気に合わせたラフな格好でこんな写真を撮っていると、オタクになった気分。IMG_20170620_140302.jpg


「くまのがっこう」 ノートとストラップ。このほか色鉛筆一箱入っていた。
DSC_0797.JPG


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ローソン、三菱商事の子会社となって… [株主総会]

そろそろ1週間経ってしまいますね、先週火曜日、ローソンの株主総会。三菱商事の持ち分が過半数を超えて子会社化されたので、何か変わったことはあるかと、一応出席しました。この「一応」なんて言うのは自分でも不真面目だなと思うのですが、総会が面白いかどうかは行く前からすべてわかるわけではないので、時間の許す限り行ってみることにしているわけです。

新しい社長は、三菱商事から3年前にローソンの取締役副社長として配属された47歳。社長のみならず、社外の3人を除いてすべて三菱商事で固まりました。年齢層は一番上が55歳。ひな壇の上はかなり若々しく見えます。三菱の親分がバックに居るので、この場に「重鎮」は要らないんでしょう。そして社外取締役は3人とも女性。これも割と思い切ってますね。男女のバランスをとろうと思うと、社外取締役になっていただくしかありません。キャノンのところでも書きましたが、過去の採用の歴史が今を形成しているわけで、社内には取締役候補としての女性が育っていないのは当然だからです。

事業報告は、特筆すべきことなし。業績は順調です。コンビニ大手3社の中で一番配当利回りが高く、経営指標も優秀ですが、コンビニ事業だけを取り出すと、やはりまだ7-11のほうがずっと優秀なんですよね。Q&Aの時も、「店舗売上日本一を目指す、と言ってくださいよ」という株主さん、いらっしゃいました。7-11の店舗売上は一日に70万ぐらいになっていたと思いますが、この時は「中期計画の最重要目標として1日60万円以上」との回答でした。

Q&Aで、三菱商事との関係について出た質問は、利益相反の面と人事面についての懸念でした。特に説得力のある回答でもありませんでしたが、利益相反については気にする必要は無いんじゃないでしょうか。三菱商事がコンビニへの仕入れで得をしよう、なんてちっぽけなことを考えるとも思えません。それよりローソンが儲かってくれることの方がありがたいに決まってるでしょう。人事面、つまりボードメンバーの顔ぶれが、現在のように三菱商事で固まってしまうと、プロパー社員のやる気を殺ぐのではないか、と。これはある程度仕方ないでしょうね。社員のやる気をいくらか犠牲にしても、子会社にする方が有利だという判断になったわけですから。

三菱商事がローソンの筆頭株主になったのは2001年とのことですから、子会社化したからといって大きく変わるものでもないでしょう。総会の雰囲気もたいして変化ありませんでした。ただ、有名人社長が三菱商事のサラリーマン社長に変わった、ということで、名実ともに三菱商事になったんだな、ということです。会場で配られる「議案の賛否確認書」も、三菱商事の総会で採用されているアイデアですね。提出するのは議決の後ですから「投票」にはならないけれど、こうして賛否を表明できるのは良いことですね。 

有名人社長と言えば、前社長の玉塚氏に対し、ラグビー選手時代の彼のファンでした、という株主から「週刊誌の記事に関してコメントをほしい」、という質問もありました。そんな質問に答えるなんてことは、もちろんありませんけどね。(私は週刊誌の記事に関しても、全然知りません。何かのスキャンダルだったのかな?)


→2016年の株主総会

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ホントは昨年の総会に出席したかった ~セブン&アイ~ [株主総会]

先週木曜日開催の株主総会、セブン&アイ・ホールディングス。

ここは去年来ていればきっと面白かったのにね、と返す返す残念ですが、長く保有しているのに株主総会に出席するのは今回が初めてです。一世代前の優等生企業。本社の大会議室にぎっしり詰め込まれた感じでの総会は、信越化学の株主総会とダブります。去年は倍ぐらいの株主が来ていたはずだけれど、同じ会場だったのでしょうか。

事業報告は、業界を代表する大企業のわりには、個人でも作れそうなスライドに、手元の資料を抜粋・棒読みしたような音声で、極めて平板な印象。信越化学と言いここと言い、過去の優良企業のひとつのパターンなのかも。配布されている事業報告もあまり見やすくなくて、たいした枚数が無いのに、見たいデータを探して何度もページをフリップしなくてはなりません。多くの事業が混在しているのだから、もう少しうまく整理して欲しいものです。

事業報告の内容をかいつまんで言うと、コンビニは好調ですが、その他は銀行を除いて構造改革中。経営方針もはっきりと「コンビニ中心」を謳って、社内組織もコンビニは事業部門を「国内」「海外」に分ける一方、デニーズやニッセンは一括りにして「専門店」となるそうです。赤ちゃん本舗とか、ロフトとか、みんなここに入るんでしょうね。

リアルじゃない小売チャネルで存在感を示さなくちゃ、という気持ちは分かりますが、ちょっと前にやたらと強調していた「オムニチャネル戦略」は迷いと焦りの象徴になってしまっている感じ。具体像がそもそもよく分かりません。ニッセンも買う必要なかったように見えますし。

と、ネガティブな側面ばかり目に付いてしまいますが、コンビニ事業は商品開発も含めて相変わらず優秀です。今後の重要課題は人材確保。労務関係にはかなりエネルギーを割くことになるのでしょう。海外展開も、アジアアメリカ共に頑張って頂きたいです。

株主質問はイトーヨーカドー部門に集中していて、ヨーカドーの新社長は十分アピールする機会を与えられたと言って良いでしょう。北千住にお住まいという株主さん、一号店が地元にあることで愛着を持っていたのに、閉店になり、再開発でマンションになってしまってがっかり、地域に根差すと言っているのになぜ!というご意見で、拍手をもらっていました。こういう質問、株主総会らしくていいですね。

株主総会からは離れますが、この会社の社外取締役には、コーポレートガバナンスの世界では有名な、一橋大学の伊藤邦雄先生がいらっしゃいます。昨年の人事騒動で、鈴木さんを辞任させることになった社外取締役のお一人というわけです。あの人事のあり方についての評価は結局どうなのでしょうね。当時表面的には「ガバナンスが効いた」という論評がされていましたが、むしろ社外取締役の存在に疑問を感じさせる結果になったのではないか、というのが私の印象です。

私はそもそも社外取締役というものの効果には初めからきわめて懐疑的ですから、もしかすると偏った見方になっているかもしれません。が、ガバナンスの専門家が称賛する実例は、どうもよろしくない理由が存在することが、ままあるように見えてしまうのです。内紛やお家騒動に社外取締役を利用しようというような。そうでなくても委員会制度や社外取締役制度などに熱心な企業は、衣食足りて礼節を知る、じゃありませんが、成長のステージが終わり、形を整えることにエネルギーを注ぐ段階に入ったのだな、という印象を受けます。投資対象としては、あまり好材料ではないというのが正直な感想です。

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運用報告、要りません [株式投資色々]

このブログは、個人で株式投資をしたい、投機じゃなくて運用をしたい、という人のために何か参考になればと思って書き綴っていますが、常々思うのは、プロが常に個人より有利なわけじゃない、個人だからプロよりうまく行くことも色々あるし、プロとは違う考え方で投資すればいいのだ、ということです。

以前書いたブログ記事に、個人でも必要な情報には十分アクセスできる、ということを書きましたが、個人投資家にはもう一つ、とても大きなアドバンテージがあります。それは、誰にも運用報告しなくていい、ということです。

他人のお金を預かって運用する場合、運用の報告をするのは当然ですし、そこはしっかりやってもらわなければ困ります。しかし運用するにあたって、報告義務というのはとてもコストのかかることです。ここでコストというのはもちろん、報告のためにデータを集めたり文書を作成したりという、実際お金と時間のかかることも含まれるでしょうが、それよりも重要と思われるのは、投資判断に与える影響です。

運用判断は、まず合理的であることが求められます。これも当然です。誰が見ても納得のいく合理的判断であることが望ましいわけです。「ピンと来たから」とか、「これが好きだから」というわけには行かないのです。ですから運用上の判断は、合理的に説明のつくこと、さらに言えば、理路整然と説明しやすいことが優先されるようになります。

この事は一見とても正しいことのようですけれど、実際は運用の足を引っ張る大きな要因となり得るのです。誰もが納得するような説明というのは、大抵の場合ほとんどの人が既に知っていることです。ということは、既に株価に織り込まれている部分も多いということです。一方、よく考えると合理的であっても日頃の常識とずれているようなアイデアは、説得力に欠けることも多い。しかし、荒唐無稽とも思えるアイデアが実現した時は、本当に大きなリターンが得られます。誰でも思いつくような、万人受けするような、理路整然と説明しやすいアイデアよりも、ちょっと聞くとあり得ないように思えるけれど、考えてみると合理的、という方が、投資アイデアとしては貴重なのです。

運用報告というのは、正規には1年に1回か2回でしょうけれども、たいてい毎月とか四半期ごととかいった頻度で、何らかの形で行われているのではないかと思います。ですから、その期間ごとに運用成果も明らかにされるわけです。流石に毎月毎月好成績でなくても非難されないとは思いますが、ベンチマークに勝てない状態が半年とか1年とか、またはそれ以上続くような事態は、誰だって避けたいものです。ですから、5年とか10年とかを視野に長期投資で、と言っても、しばらく市場に負けていると、どうしても短期的に挽回しようという意識が働いてしまうものです。また、運用報告書に人気の銘柄が載っていないと文句を言われそうだから、なんて理由で銘柄を選ぶようなことも、ままあるのです。(ウィンドウドレッシング、なんて言ったりします)

これが、長い運用実績を誇る老舗運用会社ともなると、もっと余裕のある対応ができるのでしょうね。1年や2年ベンチマークに勝てていなくても、うちには何十年のレコードがありますから、長期的にはご心配には及びません、と言えるのです。日本にはそんな運用会社は無いかもしれませんけれど。

ファンドマネージャーも、普通の人間です。(普通じゃない人もいるとは思いますが。)いくら自分で良い投資アイデアだと思っても、なんでベンチマークに勝てないのだと文句を言われながら、半年も一年も、成果が出るまで耐え続けることは、少なくとも日本の運用環境ではなかなか困難でしょう。そこまで運用者に要求する運用会社も、そうした風圧から守ってくれる運用会社も、そうそうあるとは思えません。

そこへ来ると、個人投資家は心置きなく長期投資に集中できます。そもそも株価指数と競争する必要もありません。競争相手は最終的には物価上昇率です。もちろん収益率は高ければ高いほど良いけれど、資産が物価以上に増えていさえすれば、最低限困ることはありません。自分で良いと思うアイデアをかかえて、しばらく成果が出なくても、そのうち上がるから見ておいで、と心の中でほくそ笑んで待っていればよいのです。果報は寝て待て、というではありませんか。

⇒ 私流 株式投資

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リスクと確率 [投資スタイル]

リスクとは何か」ということを、このブログでは折に触れて書いています。リスクを理解することが、金融投資について理解することの真髄だと思うからです。でもなかなかピンと来ない。それは「全ての事象が、起きる前は不確実であった、ということを、起きた後ではイメージできなくなるからではないか」と、しばらく前のブログに書きました。

たとえば、最近の朝鮮半島情勢のようにきな臭い出来事があると、有事の際はどうなる、といったことがマーケットでも話題になります。こうしたいわゆる地政学的なリスクについては、予想することが困難で先行きがどうなるかわからない、という感覚を誰もが持っているでしょうから、「リスク」という表現もずっとしっくりくるのではないでしょうか。

有事が現実のものとなる確率は0%から100%のどこかにあって、それが起きても起きなくても、予想が外れた、当たったと割り切れるものではありません。でもこれが金融市場の先行きとなると、上がるでしょう、下がるでしょう、といった予想がなされ、当たった、外れた、という話になります。これも実際は、上がる確率が何%で下がる確率が何%、というべきもののはずです。さらに言えば、すべての出来事は、実際に起こる前は確率でしかないのです。

降水確率で表されるようになる前の時代の天気予報を覚えておいでの方は、その違いをイメージしやすいのではないかと思います。降水確率は0%や100%でない限り、外れることはありませんね? 上がるか下がるかどちらか、という予想をするから外れるのであって、何%かの確率で上がるだろうし、何%の確率で下がるだろうと予想していれば、そうそう外れることはありません。

短い期限で結果を出そうとすれば、期限が来た時点で「勝負」は一旦終わり。そして結果が全てです。結果というものは、出てしまった後は100%です。それがギャンブルというものの性格でしょう。でも、個人の資産運用には終わりはありません。短期的に当たっても外れても、またその先を考えることになります。結論はそう簡単には出ないのです。

予想を生業としているプロであれば、上か下か、右か左か、どちらかの結論を出すことを要求されるでしょう。しかし個人投資家にその必要はありません。何かに投資したならば、思いつく限りのシナリオを想定しておくのが良いと思います。どんなに間違いなさそうに見えても、実際に起こるまでは「可能性」にしかすぎ無いのですから、一つに絞る必要なんてないのです。

リスクを管理する、というと難しそうに思えますが、個人投資家としては、思いつく限りのあらゆるシナリオを想定しておく、できればそれぞれの起きる確率をイメージしておく、ということで、リスク管理になると思います。そんな難しいこと、と思うかもしれません。もちろん簡単なこと、とは言いません。ただ、精度の高い予想など、誰がやっても難しいもの。難しげに計算されたプロの仕事でも、予想というのは往々にして、過去10年や20年、こんなふうに動いてきたから今後も3分の2の確率でこうなるでしょう、とか95%でこうなるでしょう、とかやっているだけだったりする。将来の予想って、本当はそんなに単純ではありませんよね。


タグ:リスク
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大河ドラマを見ながら [市場と経済色々]

今年の大河ドラマ「直虎」は、人気出ないだろうなあ、と私自身思いながら見ていますが、時々ふと気になるシーンが現れます。

先週は、乞食同然から商才で成り上がり、蔵が建つほど金持ちになったという金貸しの方久という男が登場しています。海辺から余った魚を買いとって干物にして山で売ることから始まり、店を買って茶屋をやったり、戦のあとで刀を拾い集めて売り捌いたり、そんなこんなで金持ちになった、という話。こういう話に顔をしかめる向きもあるでしょうが、魚の行商は古典的なアービトラージだし、一種の火事場泥棒的な刀の商売も、今で言えばリサイクル業ですね。こういう話に素直に感心する主人公に、私などは親近感を覚えます。

そして、借金でにっちもさっちも行かなくなった村の徳政令に代えて、方久に領地として村を与え、自分の才覚で産業を振興し、そこから借金の返済分を取るがよいと命じるのです。直虎さんもなかなかやるじゃないの、と思って見ていると、案の定周りの家臣からは、あの村は何某が誰それ殿から頂いたゆかりの土地で、是々の者にとって思い出深きところであるから、あのような金貸しにやってしまうとはとんでもない、と反対するのです。

赤字垂れ流しでどうしようもない事業部門を、中国の企業に売却しようとすれば多分、その事業は創業以来の事業だとか、先代の社長が心血を注いだ事業だとか、そんな理由で反対する人が、日本企業には如何にも居そうです。先週の物語で主人公の下した決断に、「ひどい」とか「とんでもない」とか思って頭に来た人は、あまり経営者には向いていないでしょうね。

昨今重視されるようになったコーポレート・ガバナンスの議論では、企業価値を高めるという観点から企業倫理が論じられますが、倫理的であることは、感情に流されることではありません。ましてや感傷に浸ることではありませんよね。個人的な感情に流されず、今ある利害関係者が公正に報われるよう判断を下す。それが企業の価値を高め、長く存続させることにつながる、というわけです。借金漬けになった家や村を存続させるために、成金の金貸しに領地経営をさせる、そのために内輪の思いを犠牲にする。とりあえずガバナンス的には、全く正しいように見えます。

皆に反対されて落ち込みそうになる主人公を、成金の方久が励まします。銭は力、上手くことが運んで銭が湧き出るようになれば、皆近寄って来てもてはやすでしょう、と。女が力を持って生きていくには地位と肩書きだけでは足りない、という含意のようにも思えます。脚本家は女性ですから。(笑)

キャノンの株主総会 ~円高で大変なのは分かるけど… [株主総会]


30日の株主総会集中日は、キャノンに出席することにしました。
キャノンは最近株式投資をテーマにお話ししたセミナーで、高配当利回りの例としてとり上げた銘柄でもあるので、様子を見ておこうと思いまして。会場である社屋は少し郊外にあるので、気候の良い日ですと気分も晴れます。桜はまだあまり咲いていなくて残念ですが。3年前にも一度出席していて、会場の雰囲気などはその時のブログに書いた、ほぼそのままです。

前期の業績は1割減収、3割減益で苦戦気味。配当は横ばいを維持していますが、前期について言えば配当性向が100%を超えてしまい、余裕はなくなっています。事業報告では、とにかく円高のせい、という説明ばかりが目立ち、他のもっと語るべき問題点が明らかにされていないような印象を受けます。

戦略的大転換を図り、改めて成長を目指す。新規分野を育て、その中からダントツの商品を開発しなくてはいけない。そうした問題意識はもっともだし、東芝メディカルの買収も良いと思います。ただ、厳しくなっているはずの現状についても、ある程度知りたいと思うわけです。強さの源泉であるオフィス機器部門、つまりコピー機やプリンターですが、非常に厚い利益を上げてきたこのビジネスが、今どんなふうになっているのか、そこがすごく気になるわけです。新しい商品がそれを埋めるように育ってくれるんでしょうか。

その疑問にピシッと答えてもらえるような質問は、株主からも出ませんでした。じゃ、自分で質問すればいいじゃないの、と思って途中から挙手してたんですが、当たりませんでしたね。目に付けば女性は当たる確率高いんですが、席が端の方だったもので。

株主として尤もな質問、たとえば東芝メディカルの買収についての質問は当然ありました。高すぎたのではないか、とか、東芝があんなに問題になっているのだから、子会社もリスクがあるのではないか、とか。回答に説得力があったかどうか、何とも言えない感じですが、そう簡単に答えられる性質のものでもないでしょうし、仕方ありません。私としては、そういった問題があるとしても、医療分野の買収については賛同できますね。後で高すぎだったね、と言われぬよう、これから頑張って頂くしかありません。

一株当たり純資産(BPS)が減っている、自己資本比率が下がっている、RoEも低くなった、ということを指摘した質問、これも株主として正しい問題意識です。良いと思います。BPSの件は、配当が利益より多かったから。自己資本の件は、大型買収にあたって負債を増やしたから、RoEが低いのは、大幅減益のせいですが、それがなくてもあまり高いとは言えなくなっています。やはりもう少し利益が欲しいですね。…実はこの時の回答、そう難しい質問じゃなかったのに、数字を揃えるのに手間がかかったり、BPSをEPSと勘違いして答えたり。それに、EPSの額をそのまま市場平均や他社と比較するって無意味だと思うんですが、個人投資家には分かりやすいとでも思われたのでしょうか。

女性の役員がいないことを指摘した質問も。このご時世ですから、まあ居るに越したことはありませんが、普通の大企業であれば、居なくても仕方ない面はありますね。取締役になる年代は、まだ雇用機会均等法の世代よりも5年から10年は上ですから。回答で、人事において男女の差別は全くありません、とはおっしゃってましたが、過去の採用時の差別があって現状があるわけです。ただ、執行役には女性が2人いらっしゃるとのこと。

監査役会が正しく役割を果たしているのか、と疑問を呈した質問もありました。こういう質問も、経営に緊張感が出て良いと思います。会計監査人の監査報告と、監査役会の報告と、日付が同じっておかしいんじゃないか、という質問。これは私には思いつかない質問だな、と思って聴いていました。

業績以外の件で株主総会を通して気になったのは、御手洗会長がすべて取り仕切ったこと。有能なリーダーによるワンマン経営は、実は悪くはないと思っているのですが、高齢になると先々が気になります。普通どこの株主総会でも、質問の内容に応じて、何人かの取締役がそれぞれの守備範囲で回答するものです。ところがキャノンでは、先述の監査役会の件以外、全て御手洗会長がお答えになりました。会長以外にも、頼りになる人材がちゃんといますよ、とアピールして欲しかったですね。現会長はもうあまりにも長くなさっているせいか、質問に対する回答で、緊張感に欠けると感じる部分もありました。「新たな成長を目指す」と銘打っているのですから、新たな挑戦を感じさせる演出もお願いしたいものです。

因みにおみやげは無しです。株主さんからは、おみやげ復活の要望が出てましたけれどね。私は別に要らないんですが、「株主総会の帰りにCanonのロゴ入りの袋を持って歩くのが嬉しいんですよ」という個人株主の気持ちもわかります。ちょっと微笑ましいですね。

→ キャノンの株主総会 2014年

大塚商会の株主総会 ~ ひと言で言って無風 [株主総会]

今週は水曜と木曜に株主総会。まずは水曜日の大塚商会から。

保有株としては新顔なので、株主総会も初めてです。買った頃のメモにも書いた通り好調な業績が続いていて、終わった決算期も問題無し、且つ増配。ということで、株主総会は無風のまま、40分ほどで終わりました。予想はしていましたが。

何百人と集まるような大企業の株主総会は、色々と趣向があったり、多くの株主が発言したりもするでしょうが、世の中で開催されている株主総会の殆どは、多分こんなものなんだと思います。この日も取引先企業なのか背広姿の株主と、元社員らしき株主の皆さんがほとんどで、初めから事業内容も会社の内情もご存知でしょうから、質問なんかそりゃ出ませんよね。私のようにどちらでもない株主は、多分数名のみでしょう。

でもこれじゃ、株主総会のメモに書くことが全く無くなってしまうので(笑)、一つ質問してみました。営業力が強味の大塚商会、販管費の多くは人件費であると思われますが、今後人件費が上昇したり、人材確保が困難になったりすることが考えられます。この点の見通しは如何でしょうか?

これに対しての回答。
販管費に占める人件費は約6割。
1人当たりの生産性は、重視している経営指標の一つ。社員数は3年ほど前から若干増員しているが、年+1%台と微増にとどまっており、賃金改定なども行っていない。

私は「見通し」を聞いたはずなんですが…。要するに、売上が伸びている時も人員の増加には非常に慎重である、ということが分かりますね。そう言えば前述の自分で書いたメモにも、一人当たり生産性への言及がありました。

総会が終わると、顔見知りらしい出席者たちは親しげに挨拶を交わし、和気あいあいと会場から去っていきます。車椅子でお出ましの高齢の男性のところには、人が何人も集まっています。先代の経営者だったりするのでしょうか。


ご参考 → 昨夏作成のメモ
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