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株式投資ってどういうこと? というセミナー [セミナー企画]

8月の下旬に、セミナーをアレンジしてくださる方があって、株式投資についてお話しすることになりました。メインタイトルは「株式投資ってどういうこと?」。1月にお話しした時と同じタイトルで、中心となるメッセージは同じですが、投資周りの話題を少し更新してお話しします。

株式投資についてお話ししたい、ということをずっと昔から考えているのですが、それをメインの生業にしようと思うと、短期志向の話をしなければなりません。そしてこの先3カ月や1年のうちに金利が上がるとか下がるとか、株式が10%上がるとか下がるとか、または上がる株はこれ!とかいう話をしなければなりません。お話したいのはそういうことじゃあない、というのは、このブログを読んでくださる方にはすでにお分かりだと思います。だから、どこかからお給料をいただくためにあくせく働くようなことをしなくてもよい身分になって、初めてこういう話をしているのです。

私がお話したいのは、株式市場の本来の姿投資というものの考え方についてです。株式市場でギャンブルするのはご自由にどうぞ、ですが、それは株式市場の姿のほんの一部であるということ。株式市場は経済の成り立ちに非常に重要な役割を担っているということ。ですから同時に株式投資家は、経済に重要な貢献をしているということ。また、株式には価値があるということ。その価値は企業とともに成長するということ。その成長の恩恵を、多くの投資家に享受してほしいということ。…

株式に投資するってどういうことかわかったうえで、投資信託を買おうと思うならばそれもよいと思います。でも、興味がおありなら、直接株式に投資する、ということも考えてみていただきたいですね。個人投資家として無理なく資産を運用するにはどうすればいいか、という話です。個人投資家にとって、投資信託はもちろん重要な投資商品です。でも、投信業界を長く見てきて思うのは、この業界が満足のいく水準まで良くなるのを待っていたら年を取っちゃう、ということ。老後は待ってくれませんからね。

(1月のセミナーについてはブログには載せていません。Facebookに写真がありますが。)

8月のセミナーにご関心のある方はこちら。
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パリ祭・フランス革命・歴史の蓋然性 [市場と経済色々]

7月14日といえばパリ祭。フランス革命の発端となったバスチーユ襲撃事件のあった日ですね。(我らベルばら世代にはお馴染みです。)

高校のころ、世界史の先生がこんなことをおっしゃいました。
「この日パリはものすごく蒸し暑かったんです。だからみんなイライラしてた。そうじゃなければ、バスチーユを襲撃しようなんて、思わなかったかもしれないんです。そうしたら、フランス革命も起こらなかったかもしれないの。こういうのが歴史の蓋然性ね。」と。
私は「蓋然性」という聞きなれぬ言葉に少々面食らって、その時はピンと来たというよりは、ちょっとおもしろい、というぐらいに思ったという覚えがあります。

長じて資産運用にかかわるようになり、リスクとどう付き合うかという課題と日々向き合うようになって、よくこの言葉を思い出すのです。将来を予想するというのは、もっと正確には、将来「起こり得ること」を予想しているのです。そしてリスク管理するということは、その起こり得る確率を想定することなのです。

あのフランス革命でさえも、起こる前は、蓋然性に過ぎなかった。つまり何%かの確率で起こり得る事象のひとつに過ぎなかったのです。学校で習う歴史的な出来事は、あたかも必然的に起きたかのような錯覚とともに記憶されますが、実はどれも、起こらなかったかもしれないことばかり。誰かが気まぐれでとった行動が、大きく歴史を変えることもあるわけです。それを「クレオパトラの鼻」と表現することもあるのでしょうが。

日々生じている市場での出来事も、常に理由があって必然的に起きたように解説されます。しかしどの出来事も、起こらなかったかもしれないのです。起こるか起こらないかわからない、そのことを「リスク」というのですね。そしてそもそも金融というのは、そうした「リスクに値段をつける作業」と言っていいのではないでしょうか。

毎年7月14日が来ると、改めてこうしたことを思い返すのです。歴史の蓋然性について語ってくださった恩師は、今も御年九十三でご健在です。


似たようなことを最近書いていました。→ リスクと確率

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6月28日 シーズン最後は地味な倉庫会社 [株主総会]

シーズン最後は「ヤマタネ」という倉庫会社。自分のポートフォリオでは比較的新顔だ。1924年創業というから、もう100年近い老舗で、数字を見る限り、特に成長しているような企業ではなさそう。全体に売上は減少しながらも、不採算案件を減らすことによって利益率は改善傾向、というのがここ数年の業績動向だ。ただ売上げの半分近くが、「コメの流通」という謂わば商社のような部門、残り半分は物流や情報サービスや不動産賃貸で、利益率の水準が全然違う。コメの流通というのは、どのくらい収益性を高められるものなんだろう。知識不足で何とも言えないが、投資対象としてはおおよそ魅力的な事業には見えない。

株主総会は、想像していたよりもずっと盛況だ。業績の勢いとは不釣り合いなぐらい。元社員と思しき株主に交じって、私のような単なる個人投資家らしき株主もちらほら。女性もいなくはない。事業報告・今後の展望とも、招集通知に載っていることを淡々と朗読して終わったが、株主質問は意外にも活発だ。

初めの質問者は、念入りに準備した書付を読み上げて質問。話の内容から、会社のOBとわかる。各種メディアで伝えられたことの詳細について質問している。取得した土地の活用計画であるとか、残業時間をどうするかとか、「プラットフォームビジネス」についてとか、盛りだくさんだ。そして、株主からどんどん意見の出るような株主総会になるよう工夫してほしいとの要望。なんと模範的な株主であることか。長年勤めあげた古巣への愛社精神なのだろう。

社長が回答する中で、自社の競争力をどう捉えているかが理解できたし、既存の事業だけを続けていてはいけないという問題意識が十分に伝わってきた。気になるコメの流通については、他社も苦労するコメの配送だから、他の食糧へ広げていくことができるんじゃないかという話。ぜひ形にしていただきたい。そのほか物流と不動産事業のシナジーを活かすとか、どちらもIoTの技術が不可欠になるとかいった展望が参考になった。

次は、PBRが大きく1を割っていることについてどう思うか、という質問。私から見れば答えは簡単。配当を倍にすればよい。配当性向低すぎ。社長からはこれといった回答はなかったが、さらに次の株主が、配当が少なすぎるのではないか、と質問。配当性向は30%あっていいと思うので検討・努力いたしますとのこと。配当性向は3割よりももう少し高くていいと思うけれど…。

その次は、「株主優待で貰うカレンダー、せっかくいい絵なのに印刷が雑だ」とのご意見。発言したのは、質疑応答の直前くらいにずい分と遅れて入ってきた女性、その堂々とした態度に社長もたじたじ。きっとこの方も長年勤めあげた方で、彼女からは若旦那の社長なんて鼻たれ小僧くらいに見えているのかもしれない。印刷は山種美術館に伝えるとして、次の株主の、「優待でヤマタネブランドのコメが欲しい」という要望には、これまでも検討した結果踏み切っていないのだとの回答。タダでさえあまり儲からないコメの流通なんだから、これ以上負担を強いるのはちょっと考え物、というのが私の感想。

地味な倉庫会社の、記念品が出るわけでもない、展示物があるわけでもない株主総会に、これだけ株主が集まって真剣な質疑応答があるというのはうれしい驚き。この先投資対象としてもっと魅力的な会社になればもっと嬉しい。

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6月27日 優雅なだけじゃない、DOWAホールディングス [株主総会]

自宅から会場まで徒歩圏だということもあり、都合がつく限りは出席している。関連会社でもある椿山荘(藤田観光)で過ごすひと時が楽しみであることも確か。その優雅な雰囲気は過去のレポートお読みいただくとして、今年は去年のようにおみやげハンターが目立たなかったのは良かった。おみやげ自体は例年通り配られたが、世間一般おみやげの配布が減っているので、もらうことだけを目的とした総会巡りは、もしかするとピークアウトしたのかもしれない。

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株主総会自体にそれほど盛り上がりはない。業績はおおまかに言えば横ばいで、目立った傾向も無かった。株主総会の後に事業説明会があると分かっているので、事業についての質問はあとで聞けばよいということもある。それでも長々と質問する株主がいて、少々うんざり。こういう株主は、質問したいんじゃなくて演説したいんだろう。議長から何度も「簡潔に」と注意されている。

総会後の事業説明会は、毎年テーマを絞ってプレゼンテーションが行われる。今年のテーマは金属加工だ。それだけじゃ何をやっているんだか分かりづらいが、素材メーカーというのはそういうもの。だからこうして説明を聴く価値がある。すると、製品が意外なところに使われていたりして、面白い発見もある。

さて、美味しい食事は供されるし、お菓子は持ち帰れるし、昨今の世間の風潮からは少し外れて見えるけれど、この株主総会に参加していると、コーポレート・ガバナンスとかインベスター・リレーションとかいう表現で表されることの在り方について、色々考えるようになる。こうした鷹揚な株主総会は、今どきの流行ではなかろうが、別に遅れた考えというわけではないと思う。

ここでは、プレゼンテーションに加え展示も豊富。帰り際には参加者がアンケートに色々と書き込んで帰る。株主の理解を深めるために真摯な努力をしている、まっとうな株主総会だ。食事も含めて、株主が家族でやってきて楽しむというのも悪くない。有名なウォーレン・バフェットの株主総会(バークシャー・ハザウェイ)だってそうやっている。多くの株主が元社員であると考えると、退職後の福利厚生の一環と考えてもいい。会場でのミニコンサートも、秋田の地元の若いミュージシャンに演奏の場を提供しているという意味で、地域に貢献する文化活動だ。

株主優待でもそうだけれど、個人株主に対する特典には、不公平だとか無駄な出費だとか、何かと批判が起きがちだ。そういう面もあるだろうが、批判するのは、概して機関投資家に近い立場に居る人間だろう。「社外」であるはずの取締役にいいお給料を払っていることに比べたら、自腹で事業報告を聞きに来る個人投資家に多少振る舞うくらい、どうということはない。株主の側も、食事だけ食べに来たりおみやげだけもらいに来たり、そういう品の無いことはやめてほしいけれども。

2016年の株主総会
2013年の株主総会
2009年の株主総会
2008年の株主総会

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6月23日 川崎汽船の株主総会 会場の前でテレビカメラが取材 [株主総会]

持ち株の中でも成績底辺レベルの銘柄。いつ売ってもいいんだけど、と思いながらまだ持っていた。仕事と違って個人投資家には色んな理由があるものだ。PBRが1倍を大きく割ってからは、株価の下にも限界があると高を括っていたら、「B(純資産)」がみるみる小さくなって、割安感が無くなってしまった。PBRで割安株を物色すると、こういう罠に落ちるので注意しましょう、という典型。買った時はそういうわけではなかったんだけれど…。

総会会場のビルの前にテレビの取材スタッフがうろついている。その時は大して気にもしなかったが、夜のテレビ東京のWBSで取り上げられていた。昨年大株主の村上ファンドの反対票で、社長が危うく不信任となりそうだったという話。今回は輪をかけて業績が悪いわけだから、社長の再任が承認されない、なんてこともあり得たわけだ。

会場内は空いていて、ゆったり座れる。通路をはさんで隣りはスタッフ席。スタッフの女性が熱心に、何を書いているのだろうと覗いてみたら、速記だった。速記なんて国会でしか見られないもののように思っていた。生で速記しているところを見るなんて初めてだ。

とにかく部門を細かく分けてみても黒字の事業が無い、という感じ。例外は不動産管理事業ぐらいだろうか。典型的な市況産業だから必然ではあるんだろうが、事業報告を聞いていると、景気や市況など事業環境の部分が長い。どうしても、「市況のせいで業績が悪い」という説明になる。だからどこか人のせいにしているように聞こえてしまう。

長期的な方針の中に、戦略転換して次代の中核事業を育成するのだ、と謳っているのだけれど、聞いてみれば何か具体的な案件があるというわけではない。物流事業なんかいいんじゃないかな、というぐらいのレベルで、真剣に取り組んでいるのかどうかは不明。エネルギーのバリューチェーンという言葉も出て来て、採掘から製品の輸送までの一貫した物流サービスということのようだが、設備投資がかかる話だから、良いパートナーを見つけて…と最後は言葉を濁している。つまり、できればいいなと思うけど、お金がかかるし、1人じゃリスクをとり切れないということ。話を聞いていても、できる気がしない。

業績が悪くて無配なのだから、社員や取締役も報酬カットされるのは当然だ、という株主。これに対しては、役職によって幅はあるが1年前より15~25%の減俸コンテナ船事業の3社(郵船、商船三井と)統合などもあって、社内の危機感は十分にあるという回答。減俸も統合も良いと思うが、ここまで業績が悪いと、良くなる日が一体来るんだろうかという気分になる。

それ以上厳しい発言をする株主も無く、期待に反して(?) 何の波乱もない総会だった。社長の首はつながったわけだ。もう一つの議案は株式の併合で、株式数が1/10になり、株価が10倍になる。投資価値に実質的な影響はないが、株価の名目値が高くなると、下がる余地が出て来てしまうようで、何となくありがたくない。


→ テレビ東京のニュース

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6月20日 小松製作所 製品展示会もあればもっと良かったけれど [株主総会]

小松製作所は私のポートフォリオの中では比較的新顔なので、総会出席も初めて。会場は都心部のホテルだったけれど、去年まではビッグサイトで開催していたらしい。製品展示会を同時に開催していたのだとか。後の質疑応答で判明した。なぜやめてしまったのか、再開されるのか、という質問だったわけだが、ビッグサイトがオリンピック開催の影響で使えなくなったとの回答。何せ超重量級の製品が並ぶわけだから、やわな会場では開催できないのだ。見られたはずの製品展示が無くなったとは残念。オリンピックの副作用がこんなところにもあるとは。

ここ数年の業績は、はっきり言ってパッとしない。特にこの2年は、結構な幅の減益だ。長期見通しを示した資料にも、あと2年ぐらいは低迷するような図が載っている。かつてのような中国市場の急成長はないだろうし、しばらくは我慢の時期が続くというわけだ。資源・エネルギー市場も落ち着いてしまって、鉱山関係の盛り上がりも当面期待できない。

コマツの株価というのは、リーマンショックから回復した後はきれいに3000円と1500円の間を行ったり来たりして、そこそこ忠実に業績を反映している。新たな成長の兆しが出て来るまでは、ずっとこんな感じなのだろう。次に成長の兆しが見えてくるまでの雌伏期にやることと言えば、研究開発とM&Aということになる。で、前年度決算直後の4月には、Joy Global社という米国の鉱山機械の会社を買収している。

社長はどうも話が上手い方ではないらしく、棒読み調のプレゼンテーションにビデオを織り交ぜながらの事業報告は、何となく物足りない。しかしその分を補って、質疑応答は内容の充実したものが多かった。

最初の質問は、JoyGlobal社の買収について。きちんと調べて書いたレポートを発表するように、理路整然とした質問ぶりで、石炭依存度の高いJoy社の将来性に対する疑問を表明してみせた。回答もまた的確に、くど過ぎもせず、買収の決断について説明している。用意されている資料も上手く質問に答えているし、ちょっと出来過ぎなので、この一問目はもしかするとサクラかも、と思わないでもない。

その後もこの買収についてはいくつか質問があった。買収金額が約3000億円と大きいので、心配するのは当然だ。エネルギー資源としての石炭は重要な地位を占め続けるだろうという見通しは、私は基本的には賛同するし、今のように、マーケットがどちらかというと弱気に傾いているような時にこそ、買収の好機ということもあり得るだろう。それでもやはり、買収対象が質の高い会社だったのか、価格は高すぎなかったか、といった点を株主に十分説明することは、とても重要なこと。

社外取締役についての質問。そのうちの一人が7社も兼任しているが、本当に稼働できているのか。また、社外取締役に賞与を出すというのはおかしいのではないか。・・・これはコマツの問題というより、社外取締役の在り方に関する疑問といった方が良いかもしれない。これに対しては、回答も的確に答えることが出来ていないと感じた。

最初の疑問は、私もいつも感じていること。多く兼任すると、それぞれの企業に対して十分な時間を割けなくなるはずだ、という先の質問の主旨だけでなく、1人の人物が、そんなに何社もの経営情報を握っている事態は、どうしても健全とは思えないのだ。社外取締役の賞与についても、賞与どころかそもそも報酬を貰っている時点で、厳密には社外ではないというべきなのだ。

充実した質疑応答も終盤にかかったところで、かなり高齢の男性が、株主優待についての質問。300株を3年間保有するともらえるんですよね、と。自分は200株持っていたが、そのことを知って某年に100株買い増したのです、だからもらえるんですよね、というあまりにも他愛のない質問に、会場の空気がどっと緩み、方々で低い笑い声が沸き起こった。

株主優待にしても今日の総会みやげにしても、要は「おもちゃ」。モデルカー、ミニカーの類だ。特に株主優待の方は非売品で、好きな人には良いコレクションアイテムかもしれない。総会みやげのミニカーも、このくらいなら愛嬌で、これを貰いに来るおみやげハンターもそうそうは居ないであろうし、センスのあるおみやげと言えるんじゃないか。

終わってみると、社長のプレゼンは棒読みだったものの、質問に対する答えはかなり充実。何人もの取締役が回答に当たり、結果的に全体としては良いプレゼンテーションになっていた。これで、去年までやっていたという製品展示会が付いていれば、かなり満足度が高かっただろうと思う。

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6月19日 今年も出席 バンダイナムコの総会 [株主総会]

バンダイナムコの株主総会は、たぶん私としては参加した回数が一番多い総会ではないかと思う。以前は総会出席みやげの一つが、サンシャインビルにある「ナンジャタウン」の1日券だったので、夏休みに子どもを連れて行ってやろうと、せっせと出席したりもした。しかし数年前、ナンジャタウンのリニューアルと共に1日券は、ナンジャタウンから花やしき遊園地に変わってしまった。

総会には、別におみやげ目当てに通い続けているわけではない。私が一番気に入っている株主総会で、周囲にもそう言っている以上、できるだけ出席して様子をアップデートしておきたいと思う。毎年の繰り返しになるけれど、気に入っている理由は、参加している株主の年齢層が若く、熱意を感じること。そして取締役が全員一言ずつスピーチすること。(詳しくは過去のレポートをどうぞ。)

今年は議案に「取締役を対象とする業績条件付報酬の内容の変更(業績条件付株式報酬制度への移行)の件」というのが含まれていたのだが、これについても比較的分かりやすく説明があった。この手の議案は通常、標題を見ただけで内容を読む気が失せてしまうものなのだ。内容に興味がないわけではないが、複雑だったり説明が細かかったりして、ちょっと読んだだけでは頭に入らないから諦めてしまう。きちんと説明してくれるのはありがたい。

全体の業績は申し分ない。売り上げ構成比の大きい「ネットワークエンターテインメント」(ひと言で言えばゲーム部門)が大きく利益貢献したし、利益率の高い「映像音楽プロデュース」も好調だった。今期予想は保守的に見えるが、要はゲームのようなミズモノでの大ヒットは、そのまま業績見通しには反映させないというスタンスだ。それはよいことだろう。ただ、売上6200億、営業利益630億の企業が、基本の経営指針として「売上5000億、営業利益500億を安定的に達成できること」と言われると、欲が無さ過ぎとの感は否めない。

さて、株主からの質問だが、ふと前方を見ると、7~8列前に、てっぺんに大きな赤いリボンを立てた白っぽい金髪頭が見える。どうやら何かのコスプレらしい。途中で質問の挙手。どんな質問をするのか聞いてみたかったが指名されず、途中で挙手を止めてしまった。残念。(笑)後でネットを見てみたらこの方、何年か前からよく姿を見せているようで、どうやら男性らしい。こんな光景が見られるのもバンダイナムコならでは。

いつものように質問は、株主からの熱意溢れる応援メッセージに近い。キャラクターもゲームも全然分かってない私にはほとんど理解できない質問が多いが、私自身も聞きたいと思っていた、業績に関する質問もばっちりカバーされて、私も満足。(上述の、保守的な業績見通しの件です)

その他印象に残ったもののいくつか。
・ナムコ創業者の中村雅哉氏を悼むファンの質問、というより、彼の思いを形に残してほしい、という要望。どういう答えを望んでいるのか分からないけれど、回答も要は気持ちの問題だろう。
・30代くらいに見える男性から、ターゲット層を広げると言っているのだから、子供向けのキャラクターを子ども限定にしないで大人も受け入れて欲しいという意見。「ココタマ」のキャラクターが好きで応援しているのに、映画だかイベントだかに出かけたら、子ども限定と言われてしまってがっかりしたとのこと。「ココタマ」ってどんなんだろうと思って検索したら、小さな女の子向けにしか見えないキャラクターでさすがにびっくり。この株主さんも「これが好き」と大勢の前で堂々と言えるのは、ここの株主総会ならでは。

ターゲット層の拡大、という話は今後の重点戦略の中に確かに挙げられていて、代表として「オトナ女子など」と表現されていた。私もそれに含まれるんだろうか。それを反映してのことだろう、今回の総会みやげ。初めて、私にも使えるものが入っていた。「くまのがっこう」のキャラクターのノートだ。ちょっとうれしい。

会場への通路。皆さんお気に入りのキャラクターの前で写真を撮ってます。
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総会後のお楽しみ。ちびっこたち、お待たせしました。
今日の雰囲気に合わせたラフな格好でこんな写真を撮っていると、オタクになった気分。IMG_20170620_140302.jpg


「くまのがっこう」 ノートとストラップ。このほか色鉛筆一箱入っていた。
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ローソン、三菱商事の子会社となって… [株主総会]

そろそろ1週間経ってしまいますね、先週火曜日、ローソンの株主総会。三菱商事の持ち分が過半数を超えて子会社化されたので、何か変わったことはあるかと、一応出席しました。この「一応」なんて言うのは自分でも不真面目だなと思うのですが、総会が面白いかどうかは行く前からすべてわかるわけではないので、時間の許す限り行ってみることにしているわけです。

新しい社長は、三菱商事から3年前にローソンの取締役副社長として配属された47歳。社長のみならず、社外の3人を除いてすべて三菱商事で固まりました。年齢層は一番上が55歳。ひな壇の上はかなり若々しく見えます。三菱の親分がバックに居るので、この場に「重鎮」は要らないんでしょう。そして社外取締役は3人とも女性。これも割と思い切ってますね。男女のバランスをとろうと思うと、社外取締役になっていただくしかありません。キャノンのところでも書きましたが、過去の採用の歴史が今を形成しているわけで、社内には取締役候補としての女性が育っていないのは当然だからです。

事業報告は、特筆すべきことなし。業績は順調です。コンビニ大手3社の中で一番配当利回りが高く、経営指標も優秀ですが、コンビニ事業だけを取り出すと、やはりまだ7-11のほうがずっと優秀なんですよね。Q&Aの時も、「店舗売上日本一を目指す、と言ってくださいよ」という株主さん、いらっしゃいました。7-11の店舗売上は一日に70万ぐらいになっていたと思いますが、この時は「中期計画の最重要目標として1日60万円以上」との回答でした。

Q&Aで、三菱商事との関係について出た質問は、利益相反の面と人事面についての懸念でした。特に説得力のある回答でもありませんでしたが、利益相反については気にする必要は無いんじゃないでしょうか。三菱商事がコンビニへの仕入れで得をしよう、なんてちっぽけなことを考えるとも思えません。それよりローソンが儲かってくれることの方がありがたいに決まってるでしょう。人事面、つまりボードメンバーの顔ぶれが、現在のように三菱商事で固まってしまうと、プロパー社員のやる気を殺ぐのではないか、と。これはある程度仕方ないでしょうね。社員のやる気をいくらか犠牲にしても、子会社にする方が有利だという判断になったわけですから。

三菱商事がローソンの筆頭株主になったのは2001年とのことですから、子会社化したからといって大きく変わるものでもないでしょう。総会の雰囲気もたいして変化ありませんでした。ただ、有名人社長が三菱商事のサラリーマン社長に変わった、ということで、名実ともに三菱商事になったんだな、ということです。会場で配られる「議案の賛否確認書」も、三菱商事の総会で採用されているアイデアですね。提出するのは議決の後ですから「投票」にはならないけれど、こうして賛否を表明できるのは良いことですね。 

有名人社長と言えば、前社長の玉塚氏に対し、ラグビー選手時代の彼のファンでした、という株主から「週刊誌の記事に関してコメントをほしい」、という質問もありました。そんな質問に答えるなんてことは、もちろんありませんけどね。(私は週刊誌の記事に関しても、全然知りません。何かのスキャンダルだったのかな?)


→2016年の株主総会

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ホントは昨年の総会に出席したかった ~セブン&アイ~ [株主総会]

先週木曜日開催の株主総会、セブン&アイ・ホールディングス。

ここは去年来ていればきっと面白かったのにね、と返す返す残念ですが、長く保有しているのに株主総会に出席するのは今回が初めてです。一世代前の優等生企業。本社の大会議室にぎっしり詰め込まれた感じでの総会は、信越化学の株主総会とダブります。去年は倍ぐらいの株主が来ていたはずだけれど、同じ会場だったのでしょうか。

事業報告は、業界を代表する大企業のわりには、個人でも作れそうなスライドに、手元の資料を抜粋・棒読みしたような音声で、極めて平板な印象。信越化学と言いここと言い、過去の優良企業のひとつのパターンなのかも。配布されている事業報告もあまり見やすくなくて、たいした枚数が無いのに、見たいデータを探して何度もページをフリップしなくてはなりません。多くの事業が混在しているのだから、もう少しうまく整理して欲しいものです。

事業報告の内容をかいつまんで言うと、コンビニは好調ですが、その他は銀行を除いて構造改革中。経営方針もはっきりと「コンビニ中心」を謳って、社内組織もコンビニは事業部門を「国内」「海外」に分ける一方、デニーズやニッセンは一括りにして「専門店」となるそうです。赤ちゃん本舗とか、ロフトとか、みんなここに入るんでしょうね。

リアルじゃない小売チャネルで存在感を示さなくちゃ、という気持ちは分かりますが、ちょっと前にやたらと強調していた「オムニチャネル戦略」は迷いと焦りの象徴になってしまっている感じ。具体像がそもそもよく分かりません。ニッセンも買う必要なかったように見えますし。

と、ネガティブな側面ばかり目に付いてしまいますが、コンビニ事業は商品開発も含めて相変わらず優秀です。今後の重要課題は人材確保。労務関係にはかなりエネルギーを割くことになるのでしょう。海外展開も、アジアアメリカ共に頑張って頂きたいです。

株主質問はイトーヨーカドー部門に集中していて、ヨーカドーの新社長は十分アピールする機会を与えられたと言って良いでしょう。北千住にお住まいという株主さん、一号店が地元にあることで愛着を持っていたのに、閉店になり、再開発でマンションになってしまってがっかり、地域に根差すと言っているのになぜ!というご意見で、拍手をもらっていました。こういう質問、株主総会らしくていいですね。

株主総会からは離れますが、この会社の社外取締役には、コーポレートガバナンスの世界では有名な、一橋大学の伊藤邦雄先生がいらっしゃいます。昨年の人事騒動で、鈴木さんを辞任させることになった社外取締役のお一人というわけです。あの人事のあり方についての評価は結局どうなのでしょうね。当時表面的には「ガバナンスが効いた」という論評がされていましたが、むしろ社外取締役の存在に疑問を感じさせる結果になったのではないか、というのが私の印象です。

私はそもそも社外取締役というものの効果には初めからきわめて懐疑的ですから、もしかすると偏った見方になっているかもしれません。が、ガバナンスの専門家が称賛する実例は、どうもよろしくない理由が存在することが、ままあるように見えてしまうのです。内紛やお家騒動に社外取締役を利用しようというような。そうでなくても委員会制度や社外取締役制度などに熱心な企業は、衣食足りて礼節を知る、じゃありませんが、成長のステージが終わり、形を整えることにエネルギーを注ぐ段階に入ったのだな、という印象を受けます。投資対象としては、あまり好材料ではないというのが正直な感想です。

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運用報告、要りません [株式投資色々]

このブログは、個人で株式投資をしたい、投機じゃなくて運用をしたい、という人のために何か参考になればと思って書き綴っていますが、常々思うのは、プロが常に個人より有利なわけじゃない、個人だからプロよりうまく行くことも色々あるし、プロとは違う考え方で投資すればいいのだ、ということです。

以前書いたブログ記事に、個人でも必要な情報には十分アクセスできる、ということを書きましたが、個人投資家にはもう一つ、とても大きなアドバンテージがあります。それは、誰にも運用報告しなくていい、ということです。

他人のお金を預かって運用する場合、運用の報告をするのは当然ですし、そこはしっかりやってもらわなければ困ります。しかし運用するにあたって、報告義務というのはとてもコストのかかることです。ここでコストというのはもちろん、報告のためにデータを集めたり文書を作成したりという、実際お金と時間のかかることも含まれるでしょうが、それよりも重要と思われるのは、投資判断に与える影響です。

運用判断は、まず合理的であることが求められます。これも当然です。誰が見ても納得のいく合理的判断であることが望ましいわけです。「ピンと来たから」とか、「これが好きだから」というわけには行かないのです。ですから運用上の判断は、合理的に説明のつくこと、さらに言えば、理路整然と説明しやすいことが優先されるようになります。

この事は一見とても正しいことのようですけれど、実際は運用の足を引っ張る大きな要因となり得るのです。誰もが納得するような説明というのは、大抵の場合ほとんどの人が既に知っていることです。ということは、既に株価に織り込まれている部分も多いということです。一方、よく考えると合理的であっても日頃の常識とずれているようなアイデアは、説得力に欠けることも多い。しかし、荒唐無稽とも思えるアイデアが実現した時は、本当に大きなリターンが得られます。誰でも思いつくような、万人受けするような、理路整然と説明しやすいアイデアよりも、ちょっと聞くとあり得ないように思えるけれど、考えてみると合理的、という方が、投資アイデアとしては貴重なのです。

運用報告というのは、正規には1年に1回か2回でしょうけれども、たいてい毎月とか四半期ごととかいった頻度で、何らかの形で行われているのではないかと思います。ですから、その期間ごとに運用成果も明らかにされるわけです。流石に毎月毎月好成績でなくても非難されないとは思いますが、ベンチマークに勝てない状態が半年とか1年とか、またはそれ以上続くような事態は、誰だって避けたいものです。ですから、5年とか10年とかを視野に長期投資で、と言っても、しばらく市場に負けていると、どうしても短期的に挽回しようという意識が働いてしまうものです。また、運用報告書に人気の銘柄が載っていないと文句を言われそうだから、なんて理由で銘柄を選ぶようなことも、ままあるのです。(ウィンドウドレッシング、なんて言ったりします)

これが、長い運用実績を誇る老舗運用会社ともなると、もっと余裕のある対応ができるのでしょうね。1年や2年ベンチマークに勝てていなくても、うちには何十年のレコードがありますから、長期的にはご心配には及びません、と言えるのです。日本にはそんな運用会社は無いかもしれませんけれど。

ファンドマネージャーも、普通の人間です。(普通じゃない人もいるとは思いますが。)いくら自分で良い投資アイデアだと思っても、なんでベンチマークに勝てないのだと文句を言われながら、半年も一年も、成果が出るまで耐え続けることは、少なくとも日本の運用環境ではなかなか困難でしょう。そこまで運用者に要求する運用会社も、そうした風圧から守ってくれる運用会社も、そうそうあるとは思えません。

そこへ来ると、個人投資家は心置きなく長期投資に集中できます。そもそも株価指数と競争する必要もありません。競争相手は最終的には物価上昇率です。もちろん収益率は高ければ高いほど良いけれど、資産が物価以上に増えていさえすれば、最低限困ることはありません。自分で良いと思うアイデアをかかえて、しばらく成果が出なくても、そのうち上がるから見ておいで、と心の中でほくそ笑んで待っていればよいのです。果報は寝て待て、というではありませんか。

⇒ 私流 株式投資

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