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ちょっと地味になった気もする、バンダイナムコの株主総会 [株主総会]

これは定点観測と言っていいくらい、ほぼ毎年参加しています。息子が小さい頃は、お土産にもらえるナンジャタウンのチケットがほしい!という事情もありましたが、今はもうそういうこともありません。

ことのついでに総会みやげについて述べておきますと、今どきはあまり立派なお土産を用意するのは流行らないようで、廃止するところも増えているし、バンダイナムコにしても、年々お土産がショボくなっているような気がしないでもありません。今日のおみやげは小さい女の子向けキャラクターのついたシャンプーと入浴剤。それでもお土産ハンターは結構出没していたけれど、いい歳の大人がここまで足を運んで幼女向けシャンプーぶら下げて帰っているのかと思うと、失笑を禁じ得ません。自社製品のサンプルをもらいにわざわざ来てくれる個人株主はありがたい存在ですから大事にすべき、というのが私の基本的主張ですが、あんまり格好よくはないですね。

会場のしつらえも以前より地味な感じ。華やかなのが流行らないと言ったって、中途半端なのは妙に寂寥感漂って、あまりいいとは思えません。だいたい大人がおもちゃの類を見ようという場なんですから、盛り上がってでもいないと、冷静になってちゃそんなもの見てられませんよ。株主はオタクだけの集まりではありませんからね。(もちろんオタクな株主も大勢いらっしゃいます。)

総会に食事まで出すことには私も批判的ですが、世間の空気に流されて自分たちのやりたいことは何だったのか忘れないでほしいものです。株主の質問や意見にもそうした視点はありました。「法人のプレッシャーに押されて優待をなくさないで」とか、「家族連れで来られるように土曜開催をまた検討してほしい」、「総会にキッズルームを設けてはどうか」等々。私としてはおみやげは無くてもいいと思いますが、総会のイベント化は悪くないと思いますよ。

さてこの会社、業績は好調でとりあえず言うこと無し。スマホやゲーム機などのネットワーク型のゲームが好調。ただ事業計画の数字は超保守的に見えます。新たな3か年計画を見ると、2020年までに売上約+10%、というのはいいのですが、営業利益は2017年度の水準から増えないことになってる。今後3年だけ見ると、ゲーム以外の収益性の低いところが伸びて利益が停滞する、という中期計画なわけです。これをどう考えるか、ということです。株主質問にも出ましたが、それに対する答えは、要はゲームはミズモノだから、ということ。ゲームによって押し上げられた足元の数字はまだ本当の実力ではないのだとおっしゃいます。ゲームに頼らず安定的に達成できる数字が、中期計画の「売上7500億、営業利益750億」であってほしい、という意味の数字なのでしょう。

1年前もゲーム中心に好調だったので、同じようなことが起きています。記録を見ると私は、「売上6200億、営業利益630億の企業の基本方針が『売上5000億、営業利益500億を安定的に達成できること』と言われると、欲がなさすぎとの感は否めない」と書いています。ということは、これまでの中期計画では「売上5000億、営業利益500億」だった基本方針が、「売上7500億、営業利益750億」に格上げになった、ということなんじゃないでしょうか。

中期計画で説明された戦略は概ね賛同できます。独自のキャラクターを創出することが一番重要という認識。それに尽きますね。グローバルには、中国マーケットへの本格進出。やっぱりまだ本格的には取り組んでなかったんですね。知的財産権などの面倒な問題はありますが、今や世界経済を牽引する中国の消費者、四の五の言っていられません。現在の中国での売り上げが如何ほどなのか、総会後の会場でスタッフにきいてみたけれど、開示してないんだそうです。あまり大きくは無さそう。

株主の質問は、要点を衝いたまともなものもありましたが、相変わらずオタクな、投資判断には役に立たない,というか、私には言ってる意味の分からないものが多くて、途中で睡魔に襲われました。また、極めてビジネスライクに、十分に知的な話し方で、「ガシャポン」の景品の出方が不満である、と述べているのを聴いていると、相当にシュールです。

それでも私が常に称賛する、議案ごとの質問受付、選任される取締役候補のスピーチなどのルーティンは今日も健在です。こちらのQ&Aは、さすがにオタク系の質問を排除して進められます。株主還元に関することや、「顧問」を置くことの是非株式報酬制度についても質疑応答がありました。退任する会長が顧問に就任するわけですが、各取締役に「顧問」をどう思うか聞きたい、と質問した株主がありました。皆さん判で押したように「必要であればいいと思う。自分も要請されればやると思う」。現実的な回答でしょうけれど、一人ぐらいは「自分はスッパリ辞めたい」と言えばカッコいいのにね、と思いました。

何列か前に、品のよいお父様に連れられた、小学生ぐらいのお嬢さんが2人座っていらっしゃいましたけど、2時間20分ぐらい経ったところで退出なさいました。よくまあそんなに長く頑張ったね。今日のおみやげが女の子向けで良かったこと。総会はそのあと20分ほど続いて終わりました。会場の外で、毎年来ているらしいコスプレの男性(女装です)を見かけました。写真撮る勇気は無かったけれど。(笑)

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→ 2015年の株主総会
→ 2013年の株主総会

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5年ぶりの出席 ABCマート [株主総会]

昨日はABCマート。前回出席したのは、調べてみたら5年前でした。その時も、会社のイメージとは裏腹な、ごく地味な株主総会であると書いていますが、それは変わっていません。その間の5年間も、売り上げでほぼ6割増、営業利益で+43%と、順調に業容は拡大しているんですけれどもね。

こじんまりとしたホールにまばらな出席者。若い株主が多く、ほとんどは純粋な個人投資家ではないかと思われます。「純粋な投資家」などという言い方はちょっとおかしいのですけれど、元社員であったり取引先であったり、投資成果を目的とする以外の事情で株主になっている場合は、やはり投資家と呼ぶには足りないものがあるわけです。この会社の場合は、歴史が浅いので元社員があまりいないでしょうし、業績がずっといいので、投資家であれば投資対象として目をつけるのはごく自然なことでしょう。

前回出席した時の感想そのままですが、私でも作れるようなパワーポイントを映しながら、社長が棒読みに近いプレゼンテーション。株主総会に割いているエネルギーは必要最低限といっていいでしょう。

質問した株主は2人だけ。一人目は30代と思しき男性で、よく勉強して投資していらっしゃる様子でした。10年分の有価証券報告書読んで株主になりました、とのことですから。配当よりも再投資にキャッシュを回してほしいという辺りも良くおわかりです。質問は韓国以外への海外展開について。東南アジアを検討してますとの回答ですが、一応次のターゲットはタイかなー、ぐらいの感じで、今のところはとにかく韓国、ということなんでしょう。

二人目は私。事業報告の中に、アパレルの展開を始めた、という一節があったので、サマンサタバサのいや~なケースが思い浮かび、アパレル事業の展望を説明をしていただきました。アパレルって、競争力あるんですか? リスク高くないですか?・・・回答の感触としては、それほど思い入れを持って突っ込んでいく意図は無さそうなので、とりあえずOKでしょう。スポーツシューズのおまけ程度、扱っている靴のブランドからしか仕入れないようなので。

終わってみたら30分ほどしか経っていませんでした。本当にあっという間。業績がいいので不満をぶちまけに来る株主がいないこと、周りを気にせず演説をぶってしまう高齢者がいないこと、お土産も何もないからヒマつぶしの株主も来ませんし、効率的な総会ではあります。

問題が無いわけではないんです。事業展開についてもう少し丁寧に説明してくれてもいいのにな、という部分はありますし、ガバナンスについては全く触れることもありません。社外取締役もいないようですね。

でもガバナンスについての質問って、こういう会社にはあまりしたくないんです。立派な金融機関でファンドマネージャーやっていれば迂闊にこういうことは言えませんが、コーポレートガバナンスというのは、衣食足りて礼節を知る、の世界でもあると思うのです。高成長が終わって、成長一辺倒じゃなくなってやっとガバナンスに意識が向く、というのが現実ではないでしょうか。ですから、ガバナンスが未熟なのは、成長の勢いが落ちてない、ということと裏腹だと思うのですよね。

→ 2013年の株主総会


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子会社化するってこういうこと ~ ローソンの株主総会 [株主総会]

株主総会が6月に集中しているからと言って、昨年6月の末以来一度も出席していないとは自分でも思っていませんでした。3月が忙しくて出られなかったせいでしょうか、それにしても久しぶりです。

昨日出席したのはローソンの総会。三菱商事の子会社となってしまったので、もう面白いことは起こらないんだろうな、と思ってはいたんですが、この感想を表現したような株主質問が相次ぎました。

まず前期の業績はイマイチ。売り上げは伸びたけれど減益。そして株価も過去2年ほど、だらだらと下がってきている。だから何となく不満の溜まっている株主が多い、というのがこの総会のトーンです。悪いことに競合のファミリーマートが、会社組織の大きな改変などとともに公開買い付けを発表して、株価が急伸しているのです。

直接「株価を何とかしろ」 という発言や、怒鳴るのが目的で発言してるのかと思うような困った株主もいましたが、それらも含めて4人ぐらいの株主が、色々な表現で伝えたかったことは、サラリーマン然とした経営陣に対する不満なのです。箇条書きにしてみると、
 将来展望が抽象的すぎる。具体的に説明してほしい。
 戦略、施策が他社の後追いみたい。昔はもっとローソンらしさがあった。
 今さら銀行などやってどうするのだ、現場を知らなすぎるんじゃないか。
 株主に対して魅力を十分訴えられていない。ワクワク感がない。
 三菱商事の方を見て経営しないでほしい。

皆さんおっしゃる通り、確かに会社の回答はどれも何となく抽象的で、美辞麗句できれいにまとまっているんですね。大企業から人事異動でやってきたエリートサラリーマンの匂いがぷんぷんするわけです。小売業らしい泥臭さがないんです。取締役の経歴をみれば、基本は皆さん三菱商事のサラリーマンですから無理もありません。三菱商事ではないものの、社外取締役も然り。

三菱商事出身でも以前の新浪社長などは、自分であれをやりたいこれをやりたい、というアイデアマンでらっしゃいましたから、発言にインパクトがありました。それを覚えているから、このような批判になるのでしょう。何某かの小売りの現場を知っている株主ならば、きわめて頼りない、という感想を持つでしょう。大いに理解できます。

ただ私に言わせれば、商事の子会社になるというのはこういうことですよ。経営の質が変わるのは仕方ないのかな、と。泥臭くやれと言われてもなかなか難しいと思うので、むしろ商事の子会社としての強みを活かすという発想の方がいいかもしれません。この成熟経済ですし、コンビニという業態も既に成熟に近づいているとすれば、成長はそこそこでも、今の高い配当を維持してくれれば私は不満は申しません。とはいうものの、銀行設立の件、今から始める金融業の展望についてはもっと説明が必要ですね。

そのほか良い質問と思われたものを列挙しますと、 
① 無人店舗の展開について。 店舗を無人化するというより、スマホを用いた決済の無人化システムを導入するそうです
② 新規オーナーの不足に対する施策について。 既存のオーナーに複数店舗持って経営基盤を築いてもらう。
③ なかなか収益化しない中国進は考え直すべきではないか、という意見。
④ 食品廃棄物を寄付に回すなどして社会貢献できないか。 これについては過去に試みたことがあるが、時期尚早で無理だったとのこと。

総会のお土産はローソンで使えるプリペイドカードです。株主優待に欲しいと言った株主もありましたが、私はその分現金配当貰う方が良いですね。まあそういう回答でしたけど。


→ 2017年の株主総会
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「経ママサロン」で話題になっていること [セミナー企画]

前回「値動きの激しいものはリスクが高い」ことについて書きましたが、同じテーマで、昨日発行のウェブマガジン「国民生活」5月号に載せています。こちらは投資家向けというより消費者向けの記事でして、リスクというものを投資に限らず幅広く捉えようとして書いています。日々の生活からして、私たちはいつも「リスク」に囲まれて生きているんですね。難しいことでも何でもない、ごく当たり前の身近なものとして「リスク」を理解してほしい、というお話です。 → 「私たちと経済 第5回 リスクについて」


さて、先週は自宅で「経ママサロン」を開催しました。開催などと大袈裟な感じですが、経済に関わる話題でおしゃべりする会。お母さんをやっている人たちの集まりだからと言って、特別な話題があるわけではありません。家計に関わる話題は少々多いでしょうが、多分普通にお勤めの皆さんが、仕事の後ビールでも飲みながら交わしている雑談とたいして変わりません。

子どもが小さい間は育児に関する話題が盛り上がるわけですが、子どもが育ってしまうと、代わりに関心が集まるのが介護ということになります。何にどんな費用が掛かると言ったことに始まり、介護保険のことから健康保険や医療保障、民間の保険に話題が広がり、さらには国の財政の話まで。

タイムリーな話題としては、残念ながら私もあまり詳しくないのですが仮想通貨やブロックチェーンについて、そしてフィンテックを含むこれからの銀行・金融業について。そこから中国や米国の経済に話題は飛び、世界経済、そこにスポーツの話題が入ると、スポーツと経済力という話になったりもします。

仮想通貨は電力を食う、という話から話題はエネルギーへと向かい、自動車産業を通って「ESG」というキーワードへ。そこから企業のガバナンスについて、さらには女性の働き方といった話題へと、留まるところを知らずにおしゃべりは続き、気が付いたら2時間以上が過ぎていました。

女性の活躍」は今の日本のテーマの一つですが、給与を受け取るという形をとっていなくても、女性は昔っから活躍しているわけで、「経ママ」の主旨のひとつは、「子育てしてるんだから、経済にも関心を持ってた方がいいよね」ということです。それからもう一つ、子育てが一段落したらまた働きたいと思っている人も多いはず。だから子育て中も経済の話題には触れていたい、というニーズもあるはずですよね。

ついでに言わせていただくと、女性に長く働いてもらおうと、多くの企業では退職しなくて済む制度を色々と導入していると思います。それは必要なことで、企業の努力には敬意を払うべきでしょう。そうした制度が無ければ、働く女性にとって著しく不利になってしまいますからね。

でも社会とってより必要なのは、女性を終身雇用制の枠に縛り付ける努力ではなく、終身雇用制を一旦離れて再就職しても、ずっと働き続けているのと遜色ない給与水準や福利厚生が得られる雇用制度を構築することのはず。これは女性の問題だけではなく、終身雇用制に収まりづらいあらゆる勤労者にとって必要なことですし、新しい産業に人材が集まりやすくするという産業政策でもあります。それなのに、どうして「働き方改革」が単なる残業規制になってしまうんでしょうね。

→ 「私たちと経済 第5回 リスクについて」
→ 経済に強いママを増やす会

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「値動きの激しいものはリスクが高い」ことについて [株式投資色々]

資産運用や投資について語る時、「リスク」の説明は欠かせません。

リスクとは何ぞや?・・・リスクというものを正しく理解してもらうにはどうすればいいのか。これはちょっとした知的なチャレンジです。資産運用における「リスク」については、様々な解説がされていますが、誰もが知恵を絞って工夫を凝らしているのが分かります。標準的にはリスクとは「不確実性」であって、一般に値動きの大きいものはリスクが大きいのだ、という説明になるでしょう。数学的センスのある人々は、事象のばらつきとか、標準偏差という表現を用いるとピンとくるのかもしれません。

私も不確実性、つまりどうなるかわからないことがリスクなのだ、という説明をします。値動きの大きいものはリスクが高いのだ、という説明もしてきました。ただ、この説明でよく分かった、すっきりした、という分かり方をする人がどれくらいいるのかな、と考えてしまうこともあります。値段が大きく上下する株の方が、少しずつ動く株よりもリスクが高い、つまり「投資成果がより不確実」と言ってもいいでしょうし、「明日の株価がより当てにくい」と表現してもいいかもしれません。投資の世界に慣れきってしまうと、疑問の入り込む余地もないわけですが、こうした説明で「そりゃそうだ」とか「納得!」という感じになりますか? 

「リスク」を投資初心者にどう説明するか、あれこれ模索している時にふと気づいたことがあります。「値動きの激しいものはリスクが高い」というより、「リスクをとっているから値動きが激しくなるのだ」ということです。「株主」」と「債権者」を比べてみるとそれが分かります。

企業に融資している債権者は通常、業績が良くても悪くても貰える利息は同じです。ですから企業の業績が良い悪いと言って、債券を売り買いする必要は生じません。ところが株主は、業績が良くなって利益が増えればその分株式の価値も増え、損失が出れば価値が減ります。配当も利益が出るか損失が出るかによって、増減します。

ある企業がすごく有望な技術を開発したら、それによって株式の価値が倍になるかもしれない、もしかすると10倍になるかもしれない、と思うから株式には多くの買い手が群がり、すごい勢いで株価が上がるわけです。でも巨額の開発費をつぎ込んだ研究が失敗するとか、スキャンダルが出たりとかいうことが起きると、株式の価値も大きく下がる、大損する、と皆思うから焦って売るわけです。株式の値動きは当然大きくなります。

それは「株主になる」ということが「損失を全部引き受ける代わり、利益が出たら全部自分のものにする」ということだからです。そしてそれは、債権者に比べて「大きなリスクを負っている」ことにほかなりません。大きなリスクを負っているから、値動きが大きくなるのです。「値動きの大きいものはリスクが高い」は結論的には正しいけれど、本来は順序が逆だ、というお話でした。

タグ:リスク
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「ゾンビ化」しない投信 [投資スタイル]

前回の最後に、長く続くファンドを探す、云々と書きましたが、出来ることは実はそれほど多くはありません。

既にお話したような、流行りのテーマに乗っかった投信を避けるだけでも、かなり違うと思います。テーマ型ではなくても、販売員が熱心に奨める新商品は、"ゾンビ化“(資金流出によって小さくなりすぎ、実質的に放置されること)する危険があります。購入を熱心に奨める販売員は、近々その同じ商品の売りを奨めて回る可能性が高いからです。逆にテーマ型であっても、すでに長く運用されていて、販売員が特段奨めてこないものならば良いかもしれません。

長い運用実績がある投信で、十分な資産額があり、資金の流出が続いている状態でないもの。運用方針はともかく、これだけの条件で絞れば、ゾンビ化を心配する必要はなさそうです。インターネットには「モーニングスター」というサイトがあって、投資信託のデータを見ることができます。条件を入力して絞り込む機能もあります。

たとえば、運用期間と資産の規模を条件に入れてみましょうか。ファンドの種類はETFなどを除く全ファンドとして、運用年数10年以上、純資産総額100億円以上、などと入れてみましょう。先ほどやってみた結果では、「カテゴリー」を国内株式型とすると83本の投信、国際株式型とすると64本の投信に絞られます。かなり小さなユニバースになりますね。

カテゴリーはほかにもありますから色々試してみたら良いでしょう。もちろん運用期間や資産額の条件を、もっと緩めても構わないと思います。資金の流出については、10年も続いていて資産が100億円以上ある投信ならばチェックする必要はないかもしれませんが、個別の投信の「リターン」のデータの中に、過去数年の資金の流出入という項目があります。

このデータサービスについて私が特別よく知っているわけではありませんので、説明はこのくらいにしておきますが、投資信託選びには役に立つでしょうから大いに利用すればよろしいと思います。

また、直販投信というカテゴリーも、検討に値します。ここまでのお話で「販売員が熱心に奨めるものは要注意」、と申し上げていますが、直販投信には販売会社がありませんので、販売員もいません。運用会社から直接購入するのです。こうした運用会社は、数少ない投資信託を継続して運用しているのが普通です。ですから一旦買ってもらった投資信託は、売ってほしくないのです。運用会社というものは、直販かどうかにかかわらず本来そういうものなのですが、販売会社が間に入ると様子が変わってしまうのですね。投資家と利害を共にする運用会社から直接購入すると、そういうわけで安心なのです。もちろん、運用方針や運用成績はまた別の問題ですけれども。

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投資信託っていっぱいありすぎる [投資スタイル]

私は特定の金融商品を奨める、ということは基本的にはやらないわけですが、先日セミナーに参加してくださった方が、投資信託の数が多すぎて選ぶことができず、そのせいで一歩を踏み出せない、ということをおっしゃっていました。

おっしゃることは大変よく分かります。何せ投資信託の数たるや、公募されているものが6200本ほどあるのですから。投信の数が多すぎるというのは、実際困った事態なのです。困るんなら減らせばよいではないか、と思われるでしょうが、ことはそう簡単ではありません。投資信託はしっかりと法的に守られた金融商品ですから、一旦できたものをやめるには、それなりの手続きが必要です。そのためにはコストがかかるのです。

全体の本数は多くても、中には規模の小さい投信も多く、実質的にきちんと運用されているのか不安を覚えるものもあります。あまりに規模が小さいと、運用が困難になるからです。特定の投資信託に意見を求められる時に、一番気になるのはこの点です。この投信、良いと思いますか? と聞かれて、運用方針や銘柄選択などに問題が無いように見えても、この先の資金の流出入までは、事前に評価できません。

今後長きにわたってきちんと運用される投信かどうか、予想する方法が特にあるわけではありませんが、過去の経験からはいくつかのことが言えると思います。

残高が減りやすいパターンの代表格は、特定のテーマを設定した投信です。こういう投信、とても多いのではないでしょうか。流行りのテーマ、例えば最近ならば「ロボット」「AI」「女性応援」「フィンテック」「インバウンド消費」等々、経済のトレンドや時流に乗って、明るい未来を感じさせるものがピックアップされています。誰もが「成長しそう」「将来にわたって続きそう」と思うテーマの、どこがいけないのでしょうか。

こうしたテーマに魅力を感じる人は多いので、投信を販売する側から見れば、売りやすい商品と言えるでしょう。販売会社が売りやすい商品を売ろうとする。まあ当然と言えば当然ですね。そして結果的に人気商品となって、多くのお金が集まったとしましょう。集まったお金を任されるファンド・マネージャーは、与えられたテーマの銘柄に投資します。これも当然ですね。でも、そのテーマの投信がよく売れるぐらいですから、そうした株式の銘柄も、当然人気化して高くなっているのです。

常に、というわけではありませんが、特定のテーマのファンドがよく売れる時期というのは、そのテーマの銘柄は、一旦ピークに近くなっていることが多いものです。それも考えてみれば当然です。もちろんテーマに実体があり、長期的なトレンドとして間違っていなければ、株価が一旦ピークを打って下がっても、また上がって戻って来ることが期待できます。ですから、運用が長く続くことが大切です。

しかし、実際に起きていることはちょっと違います。テーマには当然流行りすたりがあり、時には半年やそこらで人気が離散してしまうこともあります。販売会社で人気商品を奨めた販売員は、同じように次の人気商品を奨めに来るでしょう。新たな人気商品を買う現金が無ければ、価格が下がって不安になっている旧来の投信を売るように勧めるでしょう。こうして人気とともに資金の流入した投資信託は、人気の離散とともに資金が流出し、規模が小さくなってしまうのです。

お金を預かるファンド・マネージャーにすれば、高くても買わざるを得ない、安くても売らざるを得ない、という運用を強いられることになります。幸いその手のファンドを運用したことはありませんが、運用する立場としては、なんとも残念なことです。そうやって小さくなってしまったファンドは、あまり手をかけられることなく半ば放置されている事態が疑われるわけです。「ゾンビファンド」なんて呼ばれたりもしますね。その一方で、流行を狙った投信がまた出てくるので、数ばかり増えてしまうということなのです。

そもそもテーマ株ファンドというのは、世間一般の「人気」に沿って銘柄選択の範囲を限定するので、運用のかなりの部分を、要するに素人の個人にやってもらっているのと同じです。せっかく報酬を払ってプロに運用を任せているのに、そのプロは、どの産業やセクターが「買い」なのか考えなくていいわけです。プロに運用を任せているというより、銘柄選択だけを任せているんですね。

テーマ型の投信はそういうものだ、ということで悪いとは言いませんが、短い期間で運用に支障が出るほど小さくなってしまうとすれば、そういうファンドは避けるべきでしょう。販売員が熱心に奨めるテーマ型の投信は、そういうケースが比較的多いと言えるんじゃないでしょうか。

では、長く続くファンドを探すにはどうすればいいのか・・・。かなり長くなってきたので、それは回を改めましょう。

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バリュー系の銘柄 [投資スタイル]

先日、とあるセミナーでお話した時、「バリュー系の銘柄、というのはどういう意味ですか?」という質問を頂いたので、ここでも簡単にご紹介したいと思います。質問なさった方は、ご自分の保有するファンドの定期的な運用報告の動画で、ファンドマネージャーが「バリュー系の銘柄を増やした」というのを聴いたのだけれど、それはどんな銘柄を増やしたということなのか分からなかった、ということでした。

私はその動画を見ていませんし、実際どのような銘柄を増やしたのか存じませんが、一般的に「バリュー株」と言えば、「割安株」ということになります。ただ、割安な株の定義はひとつではありません。基本的には利益、純資産、配当などが指標となりますが、それらを組み合わせたり加工したり、そこに運用者の創意工夫が盛り込まれる余地があります。

中にはかなり「バリュー株」を拡大解釈して、「このくらい成長するのだから割安だ、だからこれもバリュー株だ」という説明をする運用手法も目にすることがありますが、あまり拡大解釈しすぎるのは誠実ではないと私は思います。

私の考える純粋な「バリュー」の要点は、「成長性に対する期待を織り込まないこと」です。成長性というのは、予想するのがとても難しいものです。それに対して、足元で上げている利益、今手にしている資産、前期や今期の配当をもとに株の価値を分析するのは、難しいことではありません。そうした確実な指標に基づいて評価した株価が割安である場合、それは「割安株」「バリュー株」でしょう。

何かすごい技術を持っている、とか、どんどん成長しそうな市場に商品を供給している、とか、そういった銘柄は「成長株」で、ほとんどの場合、株価は高い評価を得ています。成長株は予想されたとおり、またはそれ以上に成長することが求められます。なぜならば、株価は既にそのつもりで高くなっているからです。もちろん本当に成長する企業は、業績が何倍にもなりますから、買う時点で株価が高くても問題ありません。問題なのは、本当に成長するかどうかなのです。期待を裏切れば、たとえ利益が伸びても株価が下がってしまいます

これに対し「バリュー株」は、ピカピカのストーリーを持たない株です。時代遅れのビジネスに見えたり、作っている製品が何の変哲もない物だったり、成長性が感じられない銘柄であることが普通です。あまり期待されないので、株価の評価も低いのです。ですから持っている資産の価額よりも株価が安かったり、配当利回りがとても高かったり、ということが起きるのです。企業が高成長することは、やはり滅多にありませんが、期待値が低い分、期待を上回る業績を上げることは難しくありません。期待を上回れば、その分株価の評価は上がるのです。

さて、ご質問の方は「バリュー系の銘柄」とおっしゃいました。どうやら純粋の「バリュー株」ではないのでしょうね。成長期待は織り込んでいるけれど、ピッカピカのストーリーではありませんよ、というくらいのニュアンスなのではないでしょうか。

写真は本題とは関係ありませんが、先日見た天野山金剛寺の枝垂桜。

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チケット高額転売問題~月刊国民生活 [市場と経済色々]

書くべきことを貯めてしまったので、昨日・今日と連投です。

月刊「国民生活」の2月号「私たちと経済」連載第二回のテーマは「市場経済とは」。前回もそうでしたが、当たり前のように金融市場に接していると、改めて市場経済とは何か説明しようという試みは、ちょっとした挑戦です。株式の「板」を応用して市場価格の決まり方を解説してみたり、需要と供給の調節機能について説明したりしています。また、社会主義、民主主義、自由主義といったこととの関係、拡大する貧富の差の問題などにも言及しています。

自分の書いたもの以外で興味を引いたのは、「チケット高額転売は抑え込めるのか」という記事。問題になっていますよね、人気のチケットが、半ば組織的な転売で異常に高騰するという事態です。昔からダフ屋という商売は存在しますが、ネットを通じたチケット販売、ネットオークションを利用した転売など、道に立って売りつける牧歌的な時代とは比べ物にならない規模で行うことが、可能になっているわけです。その結果、イベントを提供する側が来てほしいと望む層の手に届かなくなっているのです。

悩ましいのは、チケットの転売が市場を通じた自由な経済活動であって、その結果ついている価格が、市場の実勢価格であるということです。だから、関係のない者の眼から見れば、そんなの放っておけば? という種類の問題でもあるわけです。実際転売という行為は、条例違反になることはあっても違法ではない、とこの記事でも解説されています。ただ、イベントの当事者からすれば事態は深刻ですよね。ミュージシャンであれば、本来来てほしいと思うファンの手に、チケットが届かないわけですから。

最近は、大量に買い占めて転売するような行為は詐欺罪で摘発するようになっているとのことですが、常軌を逸しているとは分かっても、どこからが犯罪なのかという線引きは、なかなか微妙な気もします。そもそも最終的に異常な高値でも買ってしまう人が大勢いるから、こういう問題が起こるわけです。本来の市場であれば、消費者は価値を正当に判断して、高すぎれば需要がしぼむはずなのですが、商品の性格上、冷静な判断を欠くというところに問題があるのでしょう。どんなに高くても欲しいと思ってしまう、というわけです。

お金を出そうと思えば出せてしまうような豊かな人が多くいることの証左でもあるのでしょうが、欲望の抑えの効かない人間が増えているのかもしれません。そしてそれを助長してしまうのは、市場機能の弱点のひとつと言えるのかもしれません。少なくとも自分は、物の価値を冷静に判断できるように努めたいものです。

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株式市場が大変なんですって? [投資スタイル]

このところ、会話のついでに「株価が暴落してるんでしょう?」とか「株式市場が大変なんですって?」とかいうフレーズが出てくることがよくあります。そういうふうにおっしゃるのは、たいてい普段株価など見ていないような人たちで、一般の報道を見たり聞いたりして何となく不安になっている、というか、いかにも不安を煽るような報道がされているのでしょう。

確かに1か月や3か月といった期間だけ見れば不安になるのかもしれませんが、少し長めに見れば、それほど危なっかしくは見えません。過去10年ぐらいのチャートを眺めれば、どこが下がっているのか判別できないほどです。

アメリカでの金利の急上昇を警戒して株価が下がった、というのが今回の株価下落の解説です。金利上昇は、株価の下落要因です。短期的には、株式市場のライバルである債券市場の魅力が高まります。より良い金利が稼げるのなら、と株式から債券へ資金が流れます。少し長い目で見ると、金利上昇が景気を冷やすと予想されます。すると当然企業の業績に響くことになるわけです。

そもそも金利が上がるのは、足元の景気が強いからです。景気が強ければ、物価には上昇圧力がかかります。そして金利は物価上昇に伴って上昇することになります。また景気の過熱を抑えるために、金利を引き上げるという金融政策がとられたりもします。今年の初めはずい分と勢いよく株価が上がりました。謂わば、景気は好調なのに金利は低いまま持続するかのような様相だったわけで、それは虫が良すぎたということでしょう。

マーケットの先行きは、金利の上昇で景気が早々に弱まるのか、ということを気にして動くことになるのでしょう。強気な人は、金利上昇にもかかわらず好景気は続くと予想し、弱気な人は、金利上昇が効いて景気は失速する、と予想するでしょう。どちらも起こり得るシナリオですね。それは3か月前のブログに書いていることと同じです。

いや、いつ書いても最後に書くことは同じ、株価は常に上がるかもしれないし下がるかもしれない、ということ。それを予想するのが楽しいという投資家はそうするのも良いともいますが、資産を殖やすという観点からは、株価の上下を予想することにそれほど意味はありません。価値のある株式を買う、ということがすべてと言ってもよいと思います。その価値が成長することを喜び、逆に価値が減ってしまうことを心配するべきでしょう。その価値を測る一番わかりやすく確実な指標は配当であると考えています。ですから、一旦良いと思って株式を買ったら、心配すべきは株価が下がることではなく、配当が減ることなのです。(過去のブログ記事「私流 株式投資」に書いた通りです。)

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