So-net無料ブログ作成
検索選択

「つま恋」を卒業したヤマハ [株式の個別銘柄]

先日新聞で、ヤマハがつま恋のリゾートの営業を終了、負の遺産の処理にめどをつけた、との記事を目にしました。

90年代に行った、小樽近くのキロロリゾートを思い出します。「ピアノ」というヤマハそのものみたいなネーミングの、洒落たホテルがありました。もう、バブルに引っかかった会社の典型みたいなイメージ。

ヤマハと言えば、楽器メーカーでありながら、テニスラケットやスキー板でもメジャーブランドでした。学生時代は本チャンのテニス部でフタバヤのウッドなんか使っていた私からすると、あのカラフルでビンビンと響くようなラケットは、思いっきり邪道な感じがしたものですが、テニス・スキーと言えば、当時は紛れもなく若者の間で最も人気のあったスポーツ。ヤマハは親近感のあるブランドでもありました。

ただ企業としては、とりとめなく多角化していました。住宅バブルの頃は、システムキッチンを手掛ける「住宅関連」でもありましたし、日本と言えばテクノロジー、と言われた時代は、音源ICを中心とする電子部品メーカーという顔もありました。

楽器メーカーとしてのヤマハには、昔から敬意を抱いています。ウィーンフィル特注の管楽器をヤマハだけが作っているなんて、なんだか素敵じゃないですか。そんな数が少なくて手のかかる商品は、採算が良いとはとても思えませんが、こんな素敵なことをやっているんだから、その分少しばかり利益率が低くったって、それは許せるんです。が、せっかく立派な楽器メーカーなのに、その他の周辺的な事業のせいで、とても投資対象にはならない会社でした。

私自身はいわゆるポプコンのファンというわけではないので、つま恋に特別な感慨はありませんが、ヤマハという会社にとってはその歴史の重要な部分とも言えるでしょう。今現在のヤマハは良くなっているのかしら、と思って財務データを見てみました。

現状の諸々の数字、営業利益率9%台、ROEで10%というのは、一応及第点といったところ。わざわざ投資するほどの魅力はありません。過去10年の財務データがアニュアルレポートの中にあったので、それを眺めてみますと、少し風景が変わってきます。

直近の決算期の売り上げは、リーマンショック前のピークには未だ2割ほど及びません。でも、各レベルでコストが減っていて、営業利益はリーマン前ピーク(売り上げピークの翌年)を24%上回っています。営業利益率は6%から9%台へ。財務体質は元々保守的で、それほど変わらないまま、全体が小さくなっています。その結果のROE10.3%、これはリーマンショッ、ク前からそれほど変わっていないように見えますが、当時は営業外の利益が色々とあったようで純利益が膨らんでいますので、それに比べると現状のROEは、「本業」の力をよりよく示すものと言えそうです。

Wikipediaでヤマハなどの項目を見ると、スポーツ事業は2002年までに、ゴルフを除いてすべて撤退、住宅関連は2005年には受注・生産を終了し、2010年に実質的に経営から撤退、とあります。冒頭に述べたキロロリゾートは2007年に、他のいくつかのリゾートとともに三井不動産系列に売却されたとのこと、つま恋も終了となった後は、ゴルフ場が一つだけ残っているようですね。

現在走っている中期計画は、3年後の営業利益率が12%とか、ROE10%とか、すごく意欲的というより、ペースを守って着実に、ということでしょう。足元の業績動向を決算短信でチェックすると、事業の中心である楽器が堅調であるというのが良いですね。新製品効果で売り上げのぶれたエレクトーン以外、すべての品目で伸びているというのは、健全な印象で安心感を覚えます。音楽教室事業の譲渡など、構造改革は続いているようで、今期の見通しは減収増益です。

株価はアベノミクス以降順調。市場全体が停滞してからも上昇基調が続き、過去2年ほどはかなりアウトパーフォームしています。収益体質の改善は、もうそれなりに評価されているようです。PEの13倍は市場平均並みですが、特別利益を除くと実質は多分18倍あたり。高い成長性を見込んでいるわけではないので、割安とは言えません。

配当利回りの1.6%も低いですね。配当性向は現在26%。経営計画で「30%以上を目指す」と打ち出していますが、負債もほとんどない財務体質ですし、それほど高成長でもないのだから、配当性向はもっと高いところを目指してほしいですね。配当は四季報の予想で52円ですが、もし80円出してくれると配当利回りが2.5%ぐらいになって、ようやく魅力が出て来ます。配当性向で45~50%くらいになるでしょうか。

配当利回りが2.5%になったら投資したい、ときっと思うでしょう。利益率が特に高いとは言えませんが、音楽文化の発展に貢献している会社ですから応援したいですね。会社の実態も漸く音楽を軸とした姿になりましたし、ウィーンフィル特注のホルンやトランペット、これからも作り続けてほしいと思います。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0