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6月28日 シーズン最後は地味な倉庫会社 [株主総会]

シーズン最後は「ヤマタネ」という倉庫会社。自分のポートフォリオでは比較的新顔だ。1924年創業というから、もう100年近い老舗で、数字を見る限り、特に成長しているような企業ではなさそう。全体に売上は減少しながらも、不採算案件を減らすことによって利益率は改善傾向、というのがここ数年の業績動向だ。ただ売上げの半分近くが、「コメの流通」という謂わば商社のような部門、残り半分は物流や情報サービスや不動産賃貸で、利益率の水準が全然違う。コメの流通というのは、どのくらい収益性を高められるものなんだろう。知識不足で何とも言えないが、投資対象としてはおおよそ魅力的な事業には見えない。

株主総会は、想像していたよりもずっと盛況だ。業績の勢いとは不釣り合いなぐらい。元社員と思しき株主に交じって、私のような単なる個人投資家らしき株主もちらほら。女性もいなくはない。事業報告・今後の展望とも、招集通知に載っていることを淡々と朗読して終わったが、株主質問は意外にも活発だ。

初めの質問者は、念入りに準備した書付を読み上げて質問。話の内容から、会社のOBとわかる。各種メディアで伝えられたことの詳細について質問している。取得した土地の活用計画であるとか、残業時間をどうするかとか、「プラットフォームビジネス」についてとか、盛りだくさんだ。そして、株主からどんどん意見の出るような株主総会になるよう工夫してほしいとの要望。なんと模範的な株主であることか。長年勤めあげた古巣への愛社精神なのだろう。

社長が回答する中で、自社の競争力をどう捉えているかが理解できたし、既存の事業だけを続けていてはいけないという問題意識が十分に伝わってきた。気になるコメの流通については、他社も苦労するコメの配送だから、他の食糧へ広げていくことができるんじゃないかという話。ぜひ形にしていただきたい。そのほか物流と不動産事業のシナジーを活かすとか、どちらもIoTの技術が不可欠になるとかいった展望が参考になった。

次は、PBRが大きく1を割っていることについてどう思うか、という質問。私から見れば答えは簡単。配当を倍にすればよい。配当性向低すぎ。社長からはこれといった回答はなかったが、さらに次の株主が、配当が少なすぎるのではないか、と質問。配当性向は30%あっていいと思うので検討・努力いたしますとのこと。配当性向は3割よりももう少し高くていいと思うけれど…。

その次は、「株主優待で貰うカレンダー、せっかくいい絵なのに印刷が雑だ」とのご意見。発言したのは、質疑応答の直前くらいにずい分と遅れて入ってきた女性、その堂々とした態度に社長もたじたじ。きっとこの方も長年勤めあげた方で、彼女からは若旦那の社長なんて鼻たれ小僧くらいに見えているのかもしれない。印刷は山種美術館に伝えるとして、次の株主の、「優待でヤマタネブランドのコメが欲しい」という要望には、これまでも検討した結果踏み切っていないのだとの回答。タダでさえあまり儲からないコメの流通なんだから、これ以上負担を強いるのはちょっと考え物、というのが私の感想。

地味な倉庫会社の、記念品が出るわけでもない、展示物があるわけでもない株主総会に、これだけ株主が集まって真剣な質疑応答があるというのはうれしい驚き。この先投資対象としてもっと魅力的な会社になればもっと嬉しい。

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