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実際に銘柄を選ぶとき [投資スタイル]

実際に銘柄をどうやって選ぶのか、というお話。

こうやるのがいい、という正解はないのでして、自分に合ったやり方で選べばよいのです。そこでとりあえず、私はどうやっているのかというと、案外原始的に、四季報を見ています。昔ながらの紙媒体の1冊2000円ぐらいする四季報です。ネット上ではスクリーニング機能が使えたりもするのでしょうが、余計なものがたくさん引っかかって来て効率が上がらないんですね。完全にアナログですが、使い慣れてるものがやっぱりいいみたい。

文字通りパラパラと眺めるわけです。ページの一番上に3年分くらいの株価チャートが載っていますから、それで結構イメージが掴めます。安定的に成長している優良な会社は、何だかんだ言っても株価は右肩上がりです。業種ごとに並んでいるから、循環的に買われている業種、売られている業種も分かります。そんな中から目についたものを少し詳しく見ていくわけです。

株価が右肩上がりの美しい姿のものは、やはり要チェック。優良な成長企業であることが多いので、収益性と成長性を中心に見ます。売上の成長度合い、利益率とその安定度、RoE(自己資本利益率)等々。良い企業はそうそう安くはないでしょうから、株価が少々割高でも仕方ありません。でも収益性、成長性を勘案して、妥協できないと思えば投資対象外です。主要な優良企業は長年やっているとさすがに頭に入っていますが、それでも、知らないうちにパッとしなかった企業が優良企業に生まれ変わっていたり、優良だと思っていたものがダメになっていたりということは、結構あるものです。

優良成長企業とまでは言えなくても、しっかり配当を払ってもらえるならば、私は文句は言いません。そこで当然ですが、配当利回りの高いものを探します。最近でいえば、3%ぐらいあれば投資対象として十分行けますね。そうやって挙がってくるものは、いわゆる割安株ということになります。

割安株の指標といえば、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などはよく知られていると思いますが、配当利回りが一番確実、と私は思っています。何しろ半年か1年ごとに現金で入ってくるんですから。それなのに代表的な指標として重視されないというのは、1年以下の短期指向の投資家が多いから、またはそういう投資家しか証券会社が相手にしないからなのでしょうね。

配当利回りが高い場合、それが異常値じゃないかどうか、記念配当で一回限りじゃないかどうか、または事業環境が悪化して大幅減益、減配が予想されていないかどうか、というあたりを調べます。(原油価格が急落した時の商社株なんかそうですね。)配当性向も気にします。日本の会社は一般に配当性向を低めにして、業績が悪い時も減配せずに済むようにしたい、というケースが多いようで、それが良いことかどうかはともかく、配当の安定には寄与します。逆にいえば、一株当たり利益ぎりぎりまで配当しちゃってると、減配の可能性は高くなります。

と、この辺までは、基本的には数字だけ見ながら、四季報に付箋をひっつけていきます。その後、事業内容を見ながら、よさそうだと思う企業のIR(投資家向け情報)サイトへ行ってみます。IRの仕方は各社各様で、どこから見てもいいわけですが、私は財務データから始めます。売上、利益、資本比率、キャッシュフローなど主要なものが最低でも5年分は見つかるはず。財務指標として載っていなくても、有価証券報告書が載っているでしょうから、その中にあります。

ただ私としては、過去10年ぐらいの業績を見ないと、投資する気になれません。先日は任天堂のIRサイトに、1980年代前半から30年分以上も、売上と利益のデータが載っているのを見て驚きました。ここまで長いのは珍しいと思いますけれど、長期のデータはとても参考になります。IRのしっかりした会社なら、見やすい形で10年分くらいは載せているでしょうし、一覧表になっていなくても、決算短信や有価証券報告書が遡って見られるようなら、数字を抜き出して並べてみることはできます。

投資家への情報開示の姿勢も、会社の良し悪しを図る指標と言ってよいでしょう。当然、見やすければ印象はいいですよね。まあ大企業であれば、情報開示だけはしっかりしている、なんてこともあるかもしれませんけれど。一方、中小型株を発掘しようと思ったら、この辺りはあまり気にしなくていいのかもしれません。ただそれでも、10年くらいの過去は遡りたいものです。景気のサイクルは5年では回りませんからね。今であれば、リーマンショックの時にどこまで落ち込んだのか、分かると分からないでは大違いです。過去10年ならばリーマンショック直前のピークも分かるので、アベノミクス後の回復が、過去のトレンドの上にあるのかそこまで行っていないのかも分かります。

IRサイトで手に入らないような細かいデータや、足したり引いたり加工が必要な指標は、私はほとんど使いません。自分のための投資にそこまで労力をかける必要はないと思っています。尤もやってみればいろんなことが分かって楽しいかもしれませんので、今後も絶対やらないとは申しませんが。

こうして業績が安定しているかどうか、伸びているかどうか、といったことが分かってきたら、事業内容や企業理念、経営計画等々、文字の情報を見に行きます。これについては何を見るべきか、千差万別ですね。役に立つものも立たないものもあります。結構アニュアルレポートを見たりもします。IR以外のメディアも利用します。Wikipediaも案外参考になります。こうしたものを読んでいるうちに、その会社のことが気に入ったり、好きになれなかったり。

そんなことをしながら、以前「私流 株式投資」で書いたように、「配当金額が長期にわたって増えていく確率はどのくらいだろう」と考えるのです。かなりの確率で配当が増えていくと思えば、現状の配当利回りがそれほど高くなくても、よい投資になるでしょう。逆に、配当利回りが高くて事業が安定していれば、配当が増えていくことを特に期待できなくても、それはそれでよい投資です。成長しない企業であれば、株価が高くなった時に売る、という選択も出て来ます。

いわゆる成長株投資を全くやるまい、と思っているわけではありませんが、成長性を予想するのは非常に難しいのです。特に何らかのテクノロジーをベースにした事業の場合、テクノロジーの評価をせねばならない。それははっきり言って無理。新しいテクノロジーや産業分野であれば、未来も明るいと同時に、競争も非常に厳しいでしょう。夢を見てする投資ならば、宝くじでも買うつもりで。ただ、外れてもなかなかゼロにはなりませんから、宝くじよりはずっといいでしょう。