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リスクをとれば儲かるのか、というお話 [株式投資色々]

リスクの話をしていると禅問答みたいになる、ということを前回書きましたが、禅問答ついでにもう一歩、リスクについてのお話を進めてみましょう。

「高い収益が期待できる金融商品を選ぶ際には、高いリスクをとらなくてはならない。」

これは、ごく標準的な「リスク」の説明と言っていいと思います。では、これはどうでしょうか。

「リスクの高い商品を買えば、高いリターンが得られる。」

先ほどの標準的な説明を、単純に逆にしたように見えますが、こちらは間違い。前回の話に出てきましたが、「リスク」とは「先が分からないこと」ですから、リスクのあるものを買っているのに、高いリターンが得られると分かっているとすれば、大きな矛盾です。

正しくは、「リスクの高い商品を買えば、高いリターンを得られる可能性があるというだけなのです。
そうであるならば、株式債券を比べた場合、株式のほうがリスクが高いからと言って、必ず株式のほうが高い収益が上がるとは言えないわけです。

…なんだか、リスクを取っても割に合わないような気分にさせられませんか?

ところが、です。十分時間をかければ、平均的には、よりリスクの高い株式のほうが、リスクの低い債券よりも高い収益が得られる…ということは、ほぼ間違いないとは言えるのです。(この点は日を改めてまた書くことにします、) 

そこに必要な条件は、経済全体が成長しているということと、企業の成長が経済の成長の源泉であるということ。言い換えれば、経済が成長している限り、株式のほうが債券より儲かる可能性が大きい、というわけです。

絵を描いて示せば、こんな感じ。株式のほうが伸びる角度は大きいけれど、上から下までバラつきがあるので、たとえば下図の縦線で切った時点では、債券の線の下に行ってしまう株式もある、というわけです。

リスクとリターン.png

こうして見ると、今度はリスクを取っても割に合わない、という感じはしませんよね。

タグ:投資 リスク
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ピンと来る「リスク」の説明とは [セミナー企画]

昨日は「良質な金融商品を育てる会(通称フォスター・フォーラム)」が主催する金融セミナーで、講師をさせていただきました。初心者向け、と銘打って、自分は金融に疎いと感じている方に、金融機関の敷居をまたぐ前にこのくらいは知っていてほしい、というお話です。

聴衆は20人弱、「真水」の参加人数はその3分の1くらいでしょうか。金融教育に関心があって、ご自分でも教える側の活動に携わりたい、という方が聴きにいらっしゃるパターンも多いので。こういう企画は、常に集客が大変です。間違いなく必要とされている、とは思うものの、本当に必要な人々に情報が届くのは、なかなか難しいものです。

常識問題から始まって、債券・株式・投資信託といった基本的な商品についての知識。中でも一番工夫のし甲斐があるのは、「リスク」の説明です。投資資産運用において、「リスク」を理解することこそが真髄であると思います。巷にリスクについての解説は色々とありますが、普通なかなかピンと来ない、というのが正直なところではないでしょうか。

難しいのは、全ての事象が、起きる前は不確実であった、ということを、起きた後ではイメージできなくなるからではないかと思うのです。株式を買って損をしたら、「リスクの高いものを買ってしまったなあ」と感じることができますが、株価が上がっていい思いをしたら、同じように「リスクの高いものを買ったから、こんなに儲けることができたんだなあ」なんて、感じることができるでしょうか。プロはもちろん、それができてなくちゃいけないんですけれどね。

「リスク」を訳すと、どういう日本語が一番適切なのでしょう、という質問をいただきました。「変動幅」と説明する人がいるけれど、どうなのでしょう、と。確かに変動幅もリスクという表現に含まれますが、それは証券理論上の定義であって、「リスク」自体はもっと広い概念です。ぴったりの日本語は、現時点では存在しないかもしれませんが、あえて言えば「不確実性」、要は「どうなるか分からないこと」がリスクである、と言ってよいと思います。

そう、不確実だから、リスクがあるんです。必ず損する、と分かっているものはリスクがゼロなんですよ。そういうものは買わないから、絶対損しません。得すると思うから買うのですし、それが思い通りに行かないときに損するのです。リスクを解説しようと思うと、何だか禅問答みたいになってしまいますね。覚えておいてほしいのは、リスクの高いものは往々にして、とても得をしそうな姿で現れる、ということです、とお話しました。少しはピンと来ていただけたでしょうか?