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キャノンの株主総会 ~円高で大変なのは分かるけど… [株主総会]


30日の株主総会集中日は、キャノンに出席することにしました。
キャノンは最近株式投資をテーマにお話ししたセミナーで、高配当利回りの例としてとり上げた銘柄でもあるので、様子を見ておこうと思いまして。会場である社屋は少し郊外にあるので、気候の良い日ですと気分も晴れます。桜はまだあまり咲いていなくて残念ですが。3年前にも一度出席していて、会場の雰囲気などはその時のブログに書いた、ほぼそのままです。

前期の業績は1割減収、3割減益で苦戦気味。配当は横ばいを維持していますが、前期について言えば配当性向が100%を超えてしまい、余裕はなくなっています。事業報告では、とにかく円高のせい、という説明ばかりが目立ち、他のもっと語るべき問題点が明らかにされていないような印象を受けます。

戦略的大転換を図り、改めて成長を目指す。新規分野を育て、その中からダントツの商品を開発しなくてはいけない。そうした問題意識はもっともだし、東芝メディカルの買収も良いと思います。ただ、厳しくなっているはずの現状についても、ある程度知りたいと思うわけです。強さの源泉であるオフィス機器部門、つまりコピー機やプリンターですが、非常に厚い利益を上げてきたこのビジネスが、今どんなふうになっているのか、そこがすごく気になるわけです。新しい商品がそれを埋めるように育ってくれるんでしょうか。

その疑問にピシッと答えてもらえるような質問は、株主からも出ませんでした。じゃ、自分で質問すればいいじゃないの、と思って途中から挙手してたんですが、当たりませんでしたね。目に付けば女性は当たる確率高いんですが、席が端の方だったもので。

株主として尤もな質問、たとえば東芝メディカルの買収についての質問は当然ありました。高すぎたのではないか、とか、東芝があんなに問題になっているのだから、子会社もリスクがあるのではないか、とか。回答に説得力があったかどうか、何とも言えない感じですが、そう簡単に答えられる性質のものでもないでしょうし、仕方ありません。私としては、そういった問題があるとしても、医療分野の買収については賛同できますね。後で高すぎだったね、と言われぬよう、これから頑張って頂くしかありません。

一株当たり純資産(BPS)が減っている、自己資本比率が下がっている、RoEも低くなった、ということを指摘した質問、これも株主として正しい問題意識です。良いと思います。BPSの件は、配当が利益より多かったから。自己資本の件は、大型買収にあたって負債を増やしたから、RoEが低いのは、大幅減益のせいですが、それがなくてもあまり高いとは言えなくなっています。やはりもう少し利益が欲しいですね。…実はこの時の回答、そう難しい質問じゃなかったのに、数字を揃えるのに手間がかかったり、BPSをEPSと勘違いして答えたり。それに、EPSの額をそのまま市場平均や他社と比較するって無意味だと思うんですが、個人投資家には分かりやすいとでも思われたのでしょうか。

女性の役員がいないことを指摘した質問も。このご時世ですから、まあ居るに越したことはありませんが、普通の大企業であれば、居なくても仕方ない面はありますね。取締役になる年代は、まだ雇用機会均等法の世代よりも5年から10年は上ですから。回答で、人事において男女の差別は全くありません、とはおっしゃってましたが、過去の採用時の差別があって現状があるわけです。ただ、執行役には女性が2人いらっしゃるとのこと。

監査役会が正しく役割を果たしているのか、と疑問を呈した質問もありました。こういう質問も、経営に緊張感が出て良いと思います。会計監査人の監査報告と、監査役会の報告と、日付が同じっておかしいんじゃないか、という質問。これは私には思いつかない質問だな、と思って聴いていました。

業績以外の件で株主総会を通して気になったのは、御手洗会長がすべて取り仕切ったこと。有能なリーダーによるワンマン経営は、実は悪くはないと思っているのですが、高齢になると先々が気になります。普通どこの株主総会でも、質問の内容に応じて、何人かの取締役がそれぞれの守備範囲で回答するものです。ところがキャノンでは、先述の監査役会の件以外、全て御手洗会長がお答えになりました。会長以外にも、頼りになる人材がちゃんといますよ、とアピールして欲しかったですね。現会長はもうあまりにも長くなさっているせいか、質問に対する回答で、緊張感に欠けると感じる部分もありました。「新たな成長を目指す」と銘打っているのですから、新たな挑戦を感じさせる演出もお願いしたいものです。

因みにおみやげは無しです。株主さんからは、おみやげ復活の要望が出てましたけれどね。私は別に要らないんですが、「株主総会の帰りにCanonのロゴ入りの袋を持って歩くのが嬉しいんですよ」という個人株主の気持ちもわかります。ちょっと微笑ましいですね。

→ キャノンの株主総会 2014年

大塚商会の株主総会 ~ ひと言で言って無風 [株主総会]

今週は水曜と木曜に株主総会。まずは水曜日の大塚商会から。

保有株としては新顔なので、株主総会も初めてです。買った頃のメモにも書いた通り好調な業績が続いていて、終わった決算期も問題無し、且つ増配。ということで、株主総会は無風のまま、40分ほどで終わりました。予想はしていましたが。

何百人と集まるような大企業の株主総会は、色々と趣向があったり、多くの株主が発言したりもするでしょうが、世の中で開催されている株主総会の殆どは、多分こんなものなんだと思います。この日も取引先企業なのか背広姿の株主と、元社員らしき株主の皆さんがほとんどで、初めから事業内容も会社の内情もご存知でしょうから、質問なんかそりゃ出ませんよね。私のようにどちらでもない株主は、多分数名のみでしょう。

でもこれじゃ、株主総会のメモに書くことが全く無くなってしまうので(笑)、一つ質問してみました。営業力が強味の大塚商会、販管費の多くは人件費であると思われますが、今後人件費が上昇したり、人材確保が困難になったりすることが考えられます。この点の見通しは如何でしょうか?

これに対しての回答。
販管費に占める人件費は約6割。
1人当たりの生産性は、重視している経営指標の一つ。社員数は3年ほど前から若干増員しているが、年+1%台と微増にとどまっており、賃金改定なども行っていない。

私は「見通し」を聞いたはずなんですが…。要するに、売上が伸びている時も人員の増加には非常に慎重である、ということが分かりますね。そう言えば前述の自分で書いたメモにも、一人当たり生産性への言及がありました。

総会が終わると、顔見知りらしい出席者たちは親しげに挨拶を交わし、和気あいあいと会場から去っていきます。車椅子でお出ましの高齢の男性のところには、人が何人も集まっています。先代の経営者だったりするのでしょうか。


ご参考 → 昨夏作成のメモ
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優等生 花王 ~何がなんでも増配継続~ [株主総会]

まず好感が持てるのは、株主総会の時期が早いこと。12月決算の総会の殆どが28~30日開催、特に30日は集中日で、この日に開催されると、出席したくてもほとんどできない、ということになります。その点21日というのは他社とぶつかる可能性が極めて低く、株主に優しい日程という印象。

総会会場への道すがら、地下鉄の駅の階段で、早くも何人ものおみやげハンターたちとすれ違いました。私はこういうことは、心が貧しい気分になるのでやらないけれど、花王の場合は経営的には許せる部類。なぜなら、配られているのは商品のサンプルという位置づけだからです。総会には出ないけれど、わざわざ投資先の商品サンプルを取りに遠くから足を運んでくれた、と思えばよいのです。

総会自体に変わった趣向も無く、とりたてて批判すべき点も見当たらず、優等生による優等生らしい株主総会でした。社長のプレゼンテーションは聴きやすく、業績は売上こそ微減ではありますが、為替の影響を除けば+3.2%と説明され、利益率もROEも向上。キャッシュフローも健全で、設備投資を十分賄っています。そして極めつけは、27期連続増配。配当性向はここ何年も50%を中心に推移していて、無理のない水準です。

中期経営計画では、この業種としては十分な成長意欲を示し、グローバルに存在感のある企業を目指す、と言っています。そう、グローバルな展開、という意味では、例えば格下だったはずのユニチャームの後塵を拝しているわけで、こんなに優等生の花王なのに、何となく物足りないと感じてしまうのは、正にここなのです。

そもそも遥か昔、多分20年ほども前に私が累投でこの株を買い始めた頃、Bioreなどの手ごろな価格の品ぞろえを持っていた花王に、私はとても大きな期待を抱いていたのです。中国が豊かになる過程で、きっと高成長するであろう、と。果たしてその後、中国は非常な高成長を遂げるのですが、花王の国際展開は、全然パッとしませんでした。買収したカネボウ化粧品が軌道に載らなかったばかりか白斑事件まで起こし、かかずらわっている間に、世紀の大チャンスをみすみす逃した感が拭えません。過去のことを言っても仕方がないのですが、どうしても毎回これに触れずにはいられません。グローバルな存在感へのこだわりは、自分たちが一番よくわかっているということなのだと思うことにしましょう。

企業理念として、真摯なモノづくりで「正道を歩む」というのも良いと思いますし、ステークホルダーに対しては、「何がなんでも増配継続」と、思い切った表現です。プレゼンの最後に見せられたイメージビデオは、ある小学校を舞台に、卒業を前に心を込めて学び舎を掃除しよう、という取り組みが紹介され、時節柄もあり、うちの息子の小学校が思い出されたりもして、うっかり涙ポロリと来てしまいました。

株主の質問、延々とありましたが、どれもそつなくきちんと回答されて、やはり優等生的。応援メッセージ的な発言も多かった。これだけ増配が続くと文句のつけようもないし、かく言う私も特段良い質問が思いつきません。なんとなく抽象的な話が多くなってしまって、長かった割に退屈なQ&Aではありました。最後の質問者が話し好きらしい御仁で、どうでもいいことを長々と話し始め、午後の予定も迫っていた私は、残念ながら途中退席したのでした。

「おみやげ品」の中から気になったものはこれ。泡スプレー式食器用洗剤。確かにおろし金や泡立て器なんかにはいいかも。

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→ 花王の株主総会 2013年3月
→ 花王の株主総会 2010年6月
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HISの株主総会、初めての出席 [株主総会]

先週木曜日(1月26日)の株主総会メモ。

この会社は結構長きにわたって保有しています。2001年の同時多発テロの時、ああもう当分この業種はダメかな、と思ったことを覚えています。当時は株価が割高だと思って少ししか投資していなかったのですが、少しだけだから、まあ売らずに持っていようか、ということでその時は放置することに。結果的にあの時は「買い」でした。経営の良い会社の逆境を買う、という一つの典型。とは言え、株式市場ではまだ比較的新参者でしたからね。そこまでの自信を持てなかったんですね。

株主総会には、今年が初めての出席。業績の説明は、ぼんやり聴いていると別に悪くはないような感じですが、数字は実はとても悪い。それでも心配ない、ということならそれはいいのだけれど、やはり数字の悪い時は、もっと丁寧に説明すべきです。だって営業利益は28%減、経常利益に至っては62%減ですよ。売上だって減っている。為替差損だとか、船舶の評価損だとか、さらりと触れるだけにしては、数字が大きすぎます。売り上げの減少も、燃料サーチャージを除けば実質2%の増収だそうだけれど、燃料サーチャージの説明ぐらい、少しはしたらどうなんでしょうね。

個人株主はどうせ数字なんか見ちゃいない、ということなのでしょうか。そうかもしれません。実際その後の質疑応答の時間、私が質問するまでこの決算の数字について、誰も質問しませんでした。でも、相手が素人だと思うのならむしろ一層、数字をちゃんと見てくださいね、と促すぐらいの態度があってもいい。特に、数字が悪い時に十分説明しないのは、たとえ悪気が無くても印象がよくありません。総会の資料も、必要最低限というかんじで、あまり親切とは言えませんしね。

そうは言っても、ちゃんと聞けば答えてくれます。今回減損を計上した船舶のような資産はこれの他にはない、為替差損は海外資産の評価損なので、これからも結構大きな幅で上下する、とのこと。それから、資金が必要であるにもかかわらず、自社株買いに資金を使い、一方で負債も増やしているのはなぜか。低金利で株式より債券での調達が有利だから、自己資本比率が下がってもそうすべき、ということなんでしょうか。…と聞いてみると、これだけの低金利だから今借り入れはすごく有利、との答えでした。配当利回りも低いんだから、株式のコストも高くないと思うんですけどね。自己株式の買い入れ=株主還元、という発想で、資本コストについてはあまり意識してなかったのかも、と思いました。借金が簡単に借りられるので、自己資本のありがたみも特に感じないでしょうし、業績も長期的に伸びているから、株式で調達する苦労なんかも感じなくて済むのかもしれませんね。

もう一つは、ロボットの働く「変なホテル」、人手不足問題を解決する切り札となるのか? という質問。人手は最初14人で切り盛りしていたものが、6人まで減らすことが出来ているのだそうです。目標は1ホテル2人。来月には舞浜にオープンするというから、ぜひ一度行ってみたいですね。

他の株主質問は、特に面白いものはありませんでしたが…やはり色んな方がいらっしゃいますね。社長をいちいち「あなた」呼ばわりする上から目線の株主とか、バリアフリーやCSRを焦点とした質問者、一番最後の質問者は延々と10問以上続けて質問してましたが、あれはちょっとルール違反ですね。もう最後だから多目に見るか、という雰囲気でしたが、会場の他の株主からは野次が。

可もなく不可もない総会でしたが、成長株にはよくあること。IR含むガバナンスは、良いに越したことはありませんが、私は別にガバナンス至上主義ではありません。成長企業は成長することで頭がいっぱい。ガバナンスが良くなるのは、勢いが衰えて来ている兆候のような気もします。衣食足りて礼節を知ると言いますからね。ジレンマというか、悩ましいところです。

(おみやげのカステラ、以前夫が持ち帰った時は、パッケージも「ハウステンボス」でしたが、今回は外に貼られたシールだけ。この文明堂の箱の方がお洒落でいいですね。)

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6月29日(水) シーズンの締めは信越化学 ~カリスマと共に年老いてる?~ [株主総会]

SMCのところで述べた一群の企業の中では先輩格の、信越化学ですが、SMCと大きく違うのは、集まっている株主の数。なんとか本会場には入れました。ここだけで500人くらい入っているかしら。後の株主発言で、これだけ集まるんだから、あんまり節約しないで広いところでやってください、という意見も出ていました。

業績は、長期にわたり立派なものですが、やはり現預金が過剰、だから資本効率はあまり良くない。そして当然ながら、その点に関わる質問をする株主さんがいらっしゃいます。「株主を大切にする」とおっしゃるなら、株主価値を向上させるために自社株買いをするなどの計画はないのか、と。

回答は、はっきりと「No」。増収増益を図るために資金は使う。配当を払う以外の「株主還元」は自分の辞書にはない、とでも言いたげです。配当性向は30%程度の安定配当で、日本の会社としてはまあ普通。それで普通以上のお金が貯まるんですから、良い会社には違いありません。その良さが株価には十分に反映されない、それが株主還元の不足ということなわけです。

次に、取締役人事について。世間の時流を無視して、社外取締役が5名から4名に減ります。私はかねてから社外取締役の効果については懐疑的なので、この点は批判しませんが、昨今の右に倣えふうのコーポレートガバナンス強化に抵抗を見せたのかも、という印象。ちなみに退任なさった社外取締役は、私の古巣の元社長です。

社外取締役の数についてはいいんですが、事業報告書類の中で、社外取締役の活動状況を記した項目を見てみると、まず外国人の取締役の欄には、グローバル化にあたって助言が非常に役に立ってるとある。これはOK。ところがその他日本人の社外取締役の欄には、すべて「大所高所からの発言を行うとともに、独立した立場からの監督を行いました」となっています。これってなんだか、スポーツニュースで「喝っ」とやってる評論家みたいな、お気楽な感じに聞こえます。意識してかしないでか分かりませんが、こういうところにも、昨今のコーポレートガバナンスを軽くあしらいたい、という気分が感じられます。

新任の取締役が2名いらっしゃるのですが、株主から、承認されたらばその2人から、新任に当たっての抱負なりメッセージを聞きたい、という要望がありました。これはきわめてまっとうなご意見だと思います。私がバンダイナムコのメモで、毎回主張していることでもあります。でもその答えが笑えます。曖昧な言い方ではありますが、要はそんな新米に、取締役の経験もないのにメッセージなど述べられるわけがない、というような回答です。発言した株主も、実績があって能力を評価されて取締役なろうという人が、そんなこともできないわけがないでしょう、と。このやりとりは、流石に会場の失笑を買っていました。私も思わず拍手。

信越化学は有名なカリスマ経営者が牽引してきたわけですが、昔聞いた逸話を思い出しました。経営者に能力があれば、社員はむしろ賢くない方がいい、と言ったとか言わなかったとか。もちろん真偽のほどは知りません。

あともう一つ。この総会で久しぶりに聞きました。「異議なーし」という社員株主(多分)による唱和。まだやってたんですね。

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6月28日(火) SMCの株主総会  ~「現預金をどうする?」問題~ [株主総会]

今週はSMCと信越化学の株主総会に出席。これらには共通する性格がある。長年にわたる成長。優れた経営。業界内の圧倒的な競争力。高い利益率。盤石な財務体質。…こういう会社は業績を伸ばすことによって、長期的に株主に貢献して来ている。その結果、株主総会は退屈。なぜなら、業績がいいから、それ以上株主にアピールする必要がないのです。

もちろん株主を重視するのは株式会社として当然のことなのですが、実際株主に特段アピールしなくても、数字がアピールしてくれるから、会社としても「何か文句ある?」という態度がなんとなく出てしまう。ただこうした会社は大概、現預金を持ち過ぎているという問題も抱えています。ファナックなんかはこの類の筆頭だったわけですが、だから株主フレンドリーに態度を変えた、といって、先般大いに話題になったわけです。

さて、誰でも知っている優良銘柄ですが、どちらも株主総会への出席は初めて。まず28日は、SMCの株主総会です。予想通り、会場に入った瞬間から退屈そうな香り。大きめの会議室にはスクリーンも無く、スライドもVTRも無しに、事業報告から議案の説明まで議長が棒読み、という徹底ぶりです。

質疑応答でも、的を射ていないような答えが気になる。そもそもしゃべり方が不明瞭で、言っていることがよくわからない部分も多い。為替差損について質問した株主さん、わかったかなあ。円安で売り上げが伸びたと言いながら為替差損が出るのはどうしてですか、という質問をなさったと思うんですが、答え方がとっても下手。期中は円安で業績は伸びたけれど期末近くになって円高になったから、持っている現預金の評価が下がった、と説明すればすっきりするものを。

現預金が多すぎるのではないか、という質問は、多分毎回出るのでしょうね。回答を聞いていても、ああまた来た、という気分が見て取れます。不明瞭な弁舌から聞き取れるのは、「それを聞かれることは分かっているけど、まだどうすべきなのか、答えが出てないんだよ」ということ。気持ちはわかります。本業をしっかりやることだけをずっと考えて来て、現金を持ち過ぎて文句を言われるとは思って来なかったわけです。

割と最近までは、いくら証券アナリストに指摘されても、真剣に考えなくちゃならないとは思っていなかった。ところがアベノミクス以降、現預金の持ち過ぎはいかん、と政府が打ち出してきた。あのファナックも、株主還元などと言っている。どうやら自分たちも考えなくちゃいけないようだ・・・というのは私の勝手な想像ですが、そんな感じではないかと思うのです。アベノミクスって、少なくとも上場企業の経営には、それなりのインパクトを与えてます。

現預金をどうするか、というアドバイスに対して、2名の社外取締役は、もっと投資をせよ、と提言しています。まだ伸びる余地はたくさんあるのだから、余ったお金は自己株買いや増配などで株主に返すよりも成長のために使った方がいい、ということです。この社外取締役の一人は、私も昔よくお話を伺った、証券会社のストラテジスト氏ですから、資本の論理がよくわかっていらっしゃるはず。この「現金多過ぎ問題」にも適切に対応していただきたいものです。モノづくりだけに集中していたい、というのは一見結構なことのようですが、上場している以上は資本の論理に従ってもらうしかないのです。

退屈気味の株主総会でしたが、そのあと隣接のショウルームの見学。事業への理解を深めてもらう努力は大切です。


タグ:株主総会 SMC
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6月24日 DOWAホールディングス 美味しいのは良いけれど… [株主総会]

株主総会の集中日、どれに出ようか迷いました。大赤字の三菱商事、怪しいトップ人事のセコムなどにも出席したいと思ったけれど、最後は食い気に負けました。徒歩圏内の椿山荘で、美味しいお食事つき。これも配当利回りの一部と考えれば、回収しようと考える私の行動は合理的なのだ。(笑)

椿山荘を運営する藤田観光は、Dowaホールディングスの子会社。この大盤振る舞いは、自社のサービスなのです。だから安心して楽しめる。今どきは、豪華な懇親会ってご時世でもありませんからね。総会の始まる前にも終わった後にも、美味しいコーヒーやジュースが供され、待ち時間には地元秋田の若いミュージシャンが、楽器を奏でる。毎年恒例の趣向です。

総会は、なんとたったの30分。総会の後に事業説明会を別途行うので、事業に関する質問はそちらで、ということですが、流石に30分は最短に近い。業績は全体的に悪化していますが、いわゆる景気敏感な業種だし、世界景気の減速や資源価格の低下を鑑みて、違和感のない業績と言えるでしょう。しかもキャッシュフローは過去最高ということで心配ないし、とりたてて質問することもないというわけです。

緑の庭園を眺めながらバルコニーでサンドイッチを一皿。10時半じゃお腹は減っていませんけれど。食べ終わる頃に事業説明会が始まります。今回のお題は資源ビジネス。精錬コンビナートをうまく回すために、原料の安定供給は重要です。リサイクル原料は資源回収して手に入れますが、そのほかに亜鉛原料を鉱山から買ってくる。その自給率を上げるべく、鉱山への投資も行っています。

昨今は資源に投資して巨額の減損を出す企業があったりするけれど、この会社では分散を心がけ、大きな投資はしないとのこと。銀やレアメタルを含む、質の高いプロジェクトに絞り、実際に投資している鉱山は、カナダ、メキシコなどほとんど北米大陸。それは資源ナショナリズムが怖いから。

そう言えば数年前の事業説明会で、アフリカへの鉱山投資の話が出て、昭和30~40年代に投資していたが、資源ナショナリズムが高まって、大きな損失を出したと言っていましたっけ。過去の教訓で、その手のリスクは重視しているということでしょう。現在メキシコに保有している亜鉛鉱山が紹介され、2000年代半ばから資源価格が上がって、とても収益が良くなったと言っていた。あとで聞いたらば、現在資源価格はピークの半分くらいまで下がってしまったが、それでも2000年代前半の倍ぐらいで、十分利益が出ます、とのこと。

藤田観光の話も出ました。利益の出てない会社、という印象だけれど、このところしっかり投資も増やして力を入れてます、との説明。宿泊施設は需給逼迫しているし、観光業はこれから伸びそうだし、これまで期待してなかったけれど、案外利益に貢献するようになるかもしれません。

こうして事業説明会を真面目に聞いているのは、参加者の半分もいない。説明会から出て来ると、もう食事が供されていて、皆さん既に食べていらっしゃいます。偶々座ったテーブルで、ひとこと隣の席の女性に話しかけたら、反対の隣の男性が「ミスミ」の株主懇親会について話し始めた。ドームホテルでやってたのに、今年は無くなっちゃったね、と。すると通りがかった別の女性が、それ、ミスミでしょ?と話に加わる。どうやらその懇親会というのは、知ってる人は皆知ってるものらしい。

しばらくすると、今来たばかりという風情の二人組が、いくつも荷物をぶら下げて同じテーブルに座った。どうやらこの周りの株主さんたちは、総会のおみやげハンターらしい。おみやげのもらえる総会やご飯の食べられる総会を選んで回っているようだ。食事のテーブルを囲んで、情報交換が始まる。懇親会もおみやげもあってもいいんだけれど、こういう行き過ぎ現象が起きるのは、どうしようもないのかなあ。

少々憂鬱な気分にはなったけれど、食事の後は展示会場を見て回る。展示を見ながら、思いつくままに質問するのは面白い。素敵なホテルやお食事に目を奪われがちだけれど、地道に事業説明に手間をかけている、真面目な株主総会です。それだけに、おみやげハンターと懇親会のハシゴ専門の皆さんにばかり有名になってしまうのが、ちょっと残念です。

2013年の総会メモ
2009年の総会メモ
2008年の総会メモ
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6月23日 カカクコムの株主総会 きわめてあっさり [株主総会]

ここの総会は初めて。事業内容についても常識のレベルで知っているだけで、特に詳しく調べたことはない。業績は、売り上げも利益も15%前後のペースでちゃんと伸びている。営業利益率が47%とか、RoEが40%とか、とにかく利益率と名のつくものはやたらと高くて、PERやPBRが平均よりずっと高いのは、まあ仕方ないかな、といったところ。

中身を見ると、所謂「価格.com」よりも、今は「食べログ」が引っ張っている。価格.comが大活躍したデジタル家電市場も、商品がとりあえず出尽くしてしまった感があって、このサービスは利用者数が減少していたりする。売り上げは伸びているけれど、こうして眺めてみると、案外と成熟したイメージだ。

さて、株主総会は極めてあっさりとしたものだった。事業報告から総会の議案まで、議長が一気にプレゼンテーション。株主からの初めの質問は、今後の成長分野について。食べログの伸びしろ、電力・ガスの自由化、旅行不動産関連、等々。既存の事業プラスα、というかんじ。質問ひとつで終わってしまいそうになったので、せっかく来たのに勿体ないとばかりに、バランスシートにたくさんあるキャッシュをどのように使いますか、と聞いてみた。

この会社のバランスシートというのは、超保守的で負債も少なく、年間410億の売り上げに対してキャッシュが280億。先に案外成熟と書いたが、やはり成長企業という印象があるので、高い成長を目指して何かに投資するのかな、と。

回答は、この280億から税金を払って、配当を払って、さらに自社株買いをすると、残りが売上の6ヶ月分くらいになってちょうどいい、とのこと。そうでした、自社株買い発表していたのでした。買収に用立てることがあるにしても、せいぜい数億ぐらい。今後もキャッシュが余ったら、適宜自社株買いするそうです。やはり結構成熟企業っぽい。

社長金融出身のせいか、とても慣れたプレゼンといった印象。質問に対する答えも、過不足なくよどみなく、さらさらと最後まで流れた株主総会、約40分で終了でした。

それほど高成長を織り込んだバリュエーションでもないし、投資対象としてはまあいいんだけれど、個人的に「食べログ」は、実はあまり好きじゃない。レーティングもあまり信用してないし、ぐるなびの画面の方が見やすい。それが問題。何しろ食べログが業績の牽引役ですからね。

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6月20日 今年は少し残念だったバンダイナムコ [株主総会]

ほぼ毎年出席しているバンダイナムコ。そのせいか気が緩んで、メモ用のノートを忘れて出かけてしまった。
毎年同じことを書いているけれど、ここの株主総会はとてもいいと思う。多くの株主が発言し、それらを聴いていると、皆さんこの会社のファンです、という気持ちが強く表れている。出席者も比較的若い層が多く、「現役」感がある。
また特に気に入っているのは、取締役候補者一人ひとりが、採決の前に抱負を述べることだ。最近は招集通知の中に、各候補者がメッセージを載せている会社もあって、もちろんそれも良いと思うけれど、こうして大勢の株主の前で話すと、言ったからにはやらねばならぬ、という感じがしてさらに良い。考えてみれば、自分を承認してくれ、という場なのだから、このくらい当然のような気もする。

と、ここまでは例年通りだが、今年は残念ながら、少々印象が悪かった。温かい株主ばかりなのは良いのだが、どこか少し行き過ぎているような。

2015年度の業績は、売上は伸びているが、営業利益で12%ほどの減益だ。そのほとんどは「ネットワークエンターテインメント事業」というセグメントから来ている。ここにはゲームソフトと業務用のゲーム機器、ゲームセンターなどの運営が含まれている。事業報告を読むと、ゲームソフトはよく売れたが、業務用の機器が苦戦した、と書いてある。これだけ読むと、悪かったのは業務用機器だけであった、という理解になるが、機器の売り上げは部門の2割程度に過ぎないし、普通に考えれば機器の利益率がソフトウェアよりずっと高いとも思えない。それなのに部門が2割近くも減益になっているのだから、ソフトウェアの利益率が落ちたと考えるのが自然ではないか。この部門が大きく減益となった理由をもう少し説明してほしい。

…と私は質問したのだが、「ソフトウェアはよく売れた。悪かったのは業務用機器であった。」というのが回答。これでは書面に書いてあることと同じ。全く答えになっていない。ソフトウェアの利益率が落ちたのではないか、と聞いたのだ。質問を聞いていなかったのか、何かを隠しているのか、個人投資家だと思って馬鹿にしているのか。

悪意があったにしても無かったにしても、株主がフレンドリーすぎて、緊張感が無くなっているのではないか。そもそも二桁の減益になっているというのに、私以外の誰も業績について質問しないというのもどうかと思う。多くの株主が発言するが、誰もかれも個々の製品やサービスについて、こうしたらいいとか、こうしてほしいとか、そんな内容ばかり。以前はこれほど偏ってはいなかったように思うが…。

出かけてきた私も気が緩んでいたが、会社も少々緩んでいるようだ。減益の場合は、より丁寧に説明しなくちゃいけない。業績が悪化した時に、ガバナンスの真価が問われる。


2015年の総会メモ
2013年の総会メモ
2011年の総会メモ
2010年の総会メモ
2008年の総会メモ


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6月17日 総会シーズンのスタートはインテージから [株主総会]

あまり知名度のある会社じゃないけれど、四季報によれば「市場調査分野で国内首位」。日常私たちがほうぼうで書き込んでいるアンケート、ああいうものを実施してデータを集めて分析するとか、色々な製品の市場規模やマーケットシェアを調査するとか、そういったことを通してマーケティング支援・コンサルティングをするのがお仕事です。

ここの株主総会に出席するのは確か2回目で、前回はもう10年以上も前。その時の会場は広めの会議室といった印象だったけれど、今はもう素敵なホールで、会社がちゃんと成長している様子を感じます。総会の出席者も増え、入りきらない出席者には第2会場が用意されていたらしい。早めに来てよかった。

総会での事業報告は、抽象的で、はっきり言ってよく分からない。リノベーションにイノベーション、そこにIoTでAIが来て、グループ・ヴィジョンの「知る、つなぐ、未来を拓く」の下、豊かな社会を云々…。元々ここのビジネスの内容に深い理解があるわけではないので、なんとなく聞こえの良い単語の羅列に幻惑されてしまいます。こういう時って、質問のとっかかりも無くて困るんですよね。どうやって聞けば、この会社の状況をうまく理解できるかな、と。

質問タイムが始まって思い悩んでいると、隣の席の女性が質問に立たれました。ダイバーシティを重視している点が良いですね、せっかくですから壇上にいらっしゃる二人の女性取締役に、それぞれの立場からのご意見を伺いたい、との内容。只者ではない雰囲気です。総会後の懇親会で判明するのですが、彼女は重要顧客らしき某消費財メーカーの方でした。

どうにか私も質問をひねり出し、その後の懇親会の場でも色々と質問することが出来、必要なことは理解できたつもりです。売り上げの3分の2は消費関連、あまり成長しないけどシェアが高くてそこそこ安定、売上の2割ぐらいはヘルスケア関連で、成長性もあって利益率も高い。残り1割強は新しい事業で頼りになるかどうかはよくわからない、という感じでしょうか。話題のAIやビッグデータなどは、新規事業というよりは既存のビジネスの強化に貢献しそうです。

社長さんは、プレゼンの始まったころは少々噛んでる感じでぎこちなさもありましたが、AIの話をする頃には調子も出て、何だか嬉しそうにお話なさってました。AIの研究にはご自身関わっていたこともあってお詳しいのだとか。後の懇親会の席では、周りから、AIの話を始めちゃってヤバいと思いましたと冗談を言われ、あのくらいでやめといたんだよ、とまんざらでもなさそう。最新の技術に明るいというのは、結構なことですね。

ところで懇親会ですが、ビュッフェ形式でしっかりしたお食事が供されるので、明らかにこれが目的の出席者がたくさんいらっしゃるわけです。乾杯の後は一斉にテーブルへ。私なんぞは気後れして、とても近づくことなんぞできません…。お陰さまでその間は、取締役の皆さんも暇そうにしておいでなので、質問し放題となります。

女性取締役のおひとりとお話していましたら、近くに立っていらした男性が、実は自分は2代前の社長である、という話を始めました。女性の雇用に関する弁舌をひとしきり、その女性幹部の方が某食品メーカーにいらっしゃる時に目を付けたのは自分であったと。上場の功績もあった功労者であれば、取り巻きを連れて偉そうにしていてもおかしくはないけれど、ふらりと現れた一般の株主の風情だ。そんなところも潔くて好感が持てます。

総会は特に印象に残ることは無かったけれど、懇親会は総じて好印象でした。多くの話が聞けました。こうした懇親会も、あまりに総会出席者が多くなってしまうと、続けられないかもしれません。株主総会のおみやげを廃止したり、懇談の場を質素にしたりするのは最近の傾向ですからね。大規模に食事を供する、という総会は少ないと思います。会社が大きくなる前に楽しんでおかないと。


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