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25年来の高値 [投資スタイル]

先週は日本株が、25年来の高値を更新しました。こういう時に、個人投資家としての私は何を考えているか、というお話。

聞くところによると、多くの個人投資家はせっせと保有株式を売っているんだそうです。上がったものはまた下がる、だから高いうちに売っておこうと考えるのは自然なことです。特にこのひと月の上がり方は、さすがにスピード違反の感があります。また、日本株はもう長年、上がり続けるという経験をしていないので、ある程度上がったら売るという態度が身についてしまっているということもあるでしょう。

【株価の現状】
改めて株価の現状を確かめてみましょう。少し長めの期間を眺めると、日本株は、途中で若干の中断はあったものの、過去5年間上昇傾向にあります。アベノミクスのスタートする少し前からですね。その間景気もずっと拡大傾向です。景気拡大の期間がいざなぎ景気を超えた、と先日も報道されていましたね。上昇している株式の顔触れも、「景気敏感株」と言われる銘柄群が中心で、ほぼセオリー通りの業績相場ということがわかります。

景気拡大に伴って企業業績も良くなっているので、株価の評価は先週一番高かった火曜日の終値でもPERが17倍弱と、まあちょっと高いかな、という程度。配当利回りは加重平均で1.8%ですから、そう悪くはないと思います。そんなわけですから、慌てて売らなきゃならない、という感じもしていません。

この先上がるか下がるかをここで予想するのが目的ではありませんが、今後起こり得るシナリオとしては、景気がピークアウトして業績が悪化し始める、ということはあり得ます。だから株価を予測したいと思えば、今の景気があとどのくらい続くのか、ということが重要になってきます。景気の拡大がすでにかなり長く続いいているので、警戒する向きが多いのも頷けます。株価は景気より先行するので、早めの売り、という選択をする投資家も多い、ということになります。

このところ立て続けに人気エコノミストの講演会を聴講しましたが、どちらのエコノミスト氏も、景気拡大は案外まだ続きそうだということをおっしゃってました。そうなると今度は、企業業績はピークアウトせずに、来期さらに1割ぐらい増益になる、なんてこともあるかもしれません。株価の評価を見ても、当分大丈夫という感じになってきますね。

【買う? 売る?】
ここは買いなのか売りなのかという問いは、トレーダーの視点ではそれなりの回答があると思いますが、資産運用的には「それは現在保有している資産の内容による」としか言いようがありません。もし株式を全く持っていないというのであれば、ここからでも少しは買っておいた方がいいよ、とアドバイスするでしょう。個別に投資するのであれば、この局面でも上がっていない銘柄は色々とあるわけです。しかしもうそれなりに投資しているのであれば、売るべきものがあるかもしれませんね。やはり全体が急ピッチで上がっているので、私もどちらかと言えば売る方を中心に考えることになります。

そもそも売るつもりが全くなければ、株価が上昇しようが高値更新しようが全く関係ありません。株価が高くなって利益が出ていると言っても、それは評価益にすぎないということを、ぜひお忘れなく。ひどく心配するほど高いわけではないので、ここでは何もせず放っておいても構わないと思います。

売ってしまえばリスクがなくなって安心だ、という考え方は、現金を使うあてがあるならともかく、そうでなければあまり感心しません。もう二度と買い戻すつもりがないとか、再び買えなくても後悔しないとかいうものを売るのは良いと思いますが、一旦売って下がったらまた買おう、ということなら、私は売らずに放っておきます。思惑通り株価が下がって上手に買い戻して得られる利益と、思惑通りに下がらなかった場合の逸失利益のどちらが大きくなるか、そんなことを予想しようと思わないからです。一旦売ったものを、売値より高く買う、という決断をするのはなかなかエネルギーの要るものです。

そんなわけで私は、もう買い戻さなくてもいいと思う銘柄を選んでいくらか売る、ということになるわけです。上がり過ぎたものを減らすのも一つですが、ずっと売りたくて我慢していた銘柄、というのもあります。どうせ売るなら高い時に売りたいですからね。そのほかに考慮することがあるとすれば、課税される利益の有無でしょうか。そうなると、同じ売るなら課税されないNISA口座優先・・・ということになるかもしれませんね。

NISAという制度ができた時には、個人投資家に長期保有をさせよう、という意図があったと思うのですが、お役所の思う以上の長期を視野に投資している個人投資家からすれば、現在のNISAなどというのは、保有期間を縮める要因にしかなりません。(苦笑)



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外貨を持たなくちゃならない? [投資スタイル]

先週末、「経ママサロン」を開催しました。
これは私の主宰している「経済に強いママを増やす会」で不定期に開催している、口コミベースのゆる~いセミナーです。
この日のお題は「個人型確定拠出年金(iDeco)」がメインで、経ママ仲間の岩城さんにお話ししていただいたのですが、そこから資産運用の色んな面に話は発展しました。その一つに「分散投資」、特に外貨分散、という話がありました。

教科書的な話をすれば、資産はできるだけ広く分散すべきで、当然外貨も持つべき、ということになります。聞かれれば私もそう答えるでしょう。しかし今現在、自分の資産に外貨を持っていない人は、たくさんいらっしゃると思います。資産運用について少し学んで、外貨を持つべきだ、と納得していただくのはよいのですが、あまり「外貨を持たなくちゃ」と、焦ることはないと思うのです。

このところ外貨建ての保険商品を勧める金融機関が多いと聞いていますが、どうみても大してお得ではない、というか全然お得ではない外貨建ての商品をつい買ってしまうのは、この「外貨を持たなくちゃ」、という意識からくる場合もあるのではないでしょうか。

外貨を持つということは、為替変動のリスクを引き受ける、ということです。最近は世界中低金利で、魅力的なほどの金利差を得られる機会も減りました。リターンが生まれるのは、主に円安になった場合です。逆に円高になれば損をするわけです。

さて、もしあなたが外貨を持っていない状態で円安になってしまったら、あなたは「ああ、外貨でとれたはずの利益を取り損なった」と思うでしょう。一方、外貨を持った状態で円高になってしまった場合、あなたはストレートに「損した!」と思うわけです。同じ損をするのでも、両者の感じ方はかなり違うのではないでしょうか。あなたが非常にソフィスティケイトされてグローバルな感覚を持った人物であっても、日本に住み、日本円で生活している限り、外貨で取り損なった得べかりし利益と、円建てて減ってしまった自分の資産を、同じ気持ちで感じることはなかなかできないと思います。

ですから私はいつも、外貨を持つのはいいけれど、ホームバイアス(自国資産を多く持つこと)大いに結構、と言います。自分でよくわかり、情報も豊富にある自国資産を多く持つことは決して間違っていません。近くにあってよくわかるものと、地球の裏側にあって何が起きているかわからない資産は、決して同列ではありません。

日本人として日本にずっと住んでいると、日本の悪いところは非常に目につきます。人口構成の問題、財政赤字や巨額の国家債務、企業の不正、国際競争力の劣化・・・。そこへ持ってきて外貨に分散投資せよ、と言われれば、外貨、外貨、と焦ってしまうかもしれません。しかし、外国に住めばこんどはその国の悪いところも見えてきます。どの国も地域も、それなりに色々な問題を抱えています。

現状の円の評価は、正しいかどうかは別にして、何か不穏な出来事があれば、世界中の人が日本円を買う、という状態にあります。不安なのは、何も日本人だけではないのです。また、外国為替の理論値は原則として、物価の上昇しがちな国の通貨が安くなります。ここで将来の物価動向を予測するつもりはありませんが、日本の物価が他国を大きく引き離して上昇する、という経済状態は、まだ当分の間起きないのではないかと私は思います。

私も外貨資産を持っていますし、海外に投資することを否定するつもりはさらさらありません。ただ、外貨に分散しなきゃ、と思うあまり、お得でもない外貨商品を買ってしまうくらいなら、円資産の上にどっかりと落ち着いていた方が良いと思いますよ、というお話でした。

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リスクと確率 [投資スタイル]

リスクとは何か」ということを、このブログでは折に触れて書いています。リスクを理解することが、金融や投資について理解することの真髄だと思うからです。でもなかなかピンと来ない。それは「全ての事象が、起きる前は不確実であった、ということを、起きた後ではイメージできなくなるからではないか」と、しばらく前のブログに書きました。

たとえば、最近の朝鮮半島情勢のようにきな臭い出来事があると、有事の際はどうなる、といったことがマーケットでも話題になります。こうしたいわゆる地政学的なリスクについては、予想することが困難で先行きがどうなるかわからない、という感覚を誰もが持っているでしょうから、「リスク」という表現もずっとしっくりくるのではないでしょうか。

有事が現実のものとなる確率は0%から100%のどこかにあって、それが起きても起きなくても、予想が外れた、当たったと割り切れるものではありません。でもこれが金融市場の先行きとなると、上がるでしょう、下がるでしょう、といった予想がなされ、当たった、外れた、という話になります。これも実際は、上がる確率が何%で下がる確率が何%、というべきもののはずです。さらに言えば、すべての出来事は、実際に起こる前は確率でしかないのです。

降水確率で表されるようになる前の時代の天気予報を覚えておいでの方は、その違いをイメージしやすいのではないかと思います。降水確率は0%や100%でない限り、外れることはありませんね? 上がるか下がるかどちらか、という予想をするから外れるのであって、何%かの確率で上がるだろうし、何%の確率で下がるだろうと予想していれば、そうそう外れることはありません。

短い期限で結果を出そうとすれば、期限が来た時点で「勝負」は一旦終わり。そして結果が全てです。結果というものは、出てしまった後は100%です。それがギャンブルというものの性格でしょう。でも、個人の資産運用には終わりはありません。短期的に当たっても外れても、またその先を考えることになります。結論はそう簡単には出ないのです。

予想を生業としているプロであれば、上か下か、右か左か、どちらかの結論を出すことを要求されるでしょう。しかし個人投資家にその必要はありません。何かに投資したならば、思いつく限りのシナリオを想定しておくのが良いと思います。どんなに間違いなさそうに見えても、実際に起こるまでは「可能性」にしかすぎ無いのですから、一つに絞る必要なんてないのです。

リスクを管理する、というと難しそうに思えますが、個人投資家としては、思いつく限りのあらゆるシナリオを想定しておく、できればそれぞれの起きる確率をイメージしておく、ということで、リスク管理になると思います。そんな難しいこと、と思うかもしれません。もちろん簡単なこと、とは言いません。ただ、精度の高い予想など、誰がやっても難しいもの。難しげに計算されたプロの仕事でも、予想というのは往々にして、過去10年や20年、こんなふうに動いてきたから今後も3分の2の確率でこうなるでしょう、とか95%でこうなるでしょう、とかやっているだけだったりする。将来の予想って、本当はそんなに単純ではありませんよね。


タグ:リスク
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株主は株主でいてくれるだけで・・・ [投資スタイル]

君は君でいてくれるだけでいい、なんて、古いラブソングの歌詞にでもありそうですが、特別なことはしてくれなくていい、そこに居てくれるだけで十分、そういうことです。

株主になって良い会社を応援する、良い会社を支えて世の中を良くする、そういう考え方はもちろん素晴らしいし、私も多くの場合、保有株式についてはそう思って投資しています。株式投資をするにあたって、そうした意味づけが必要だと感じる人は多いかもしれません。日本では「株で利益をあげる」ということに、どうしても否定的なイメージが付きまといます。汗水たらさずに得られる利益には罪悪感を持つ人が多く、何らかの免罪符が必要なのでしょう。

でも本当は、株主は株主でいるだけで、株主としての社会的役割を果たし、それによって十分社会に貢献しているのです。特別に「良い会社」でなくっちゃ、とか、一生懸命応援しなくちゃ、とか思わなくてもよいし、企業を特定しないインデックス・ファンドであっても、その役割は果たされているのです。

なぜなら、株主は事業のリスクを負っているからです。企業が事業活動を行うためには資金が必要ですが、お金だけあっても事業はできません。事業に伴うリスクを、誰かが取らなければ、お金は事業活動に流れないのです。株主はその役割を果たしています。事業が不調ならば株価が下がって損失を被りますし、会社が潰れれば株式は文字通り紙切れになります。リスクの引き受け手がいるから、会社は事業活動を行えますし、その収益によって経済が成長するのです。

株主は、経済成長のリスクをとる、という重要な役割を果たし、その対価として収益を上げることが出来るのです。株主は株主であることにプライドを持って、投資すればよろしいのです。

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岩城さんの新著、「お金」の考え方…積立投資には意味がないって? [投資スタイル]

お友達の岩城さんが本を出されたので、思ったことをメモしておきます。どこからどこまでが本のタイトルなのかよくわからないんですが、
そこ、ハッキリ答えてください!『お金』の考え方 このままでいいのか心配です。

山崎元氏との対談という形で、お金の絡むよろず身の上相談といったところ。男の価値観と女の価値観の対比を意識させられます。男っぽい考え方と女っぽい考え方を線で結んだならば、私の価値観はその中心より若干男寄りにあるような…。実際日ごろ多用しているフェイスブックなどは私を男だと思っているらしく、携帯端末の通信状態が悪くてプロフィール写真の表示が間に合わないときには、男のシルエットが現れるんですよ。

話がそれましたが、夫婦の関係に、金遣いや貯蓄、保険や投資といったお金の事情がどう絡むのか、というあたりが、この対談の面白さでしょう。具体的な事例が次々出て来て、話に親近感が湧きます。「必要貯蓄率」という指標は便利ですね。入る必要のない保険の話などは個人的にとても参考になりました。

投資に関しては、前々から山崎さんの書いてらっしゃる記事をネット上などで見かけて、どうも私とは話が合わないようだと思っていたのですが、やはり賛成できかねる部分は色々とありますね。ここで初めて見るわけではありませんが、積立投資に意味はない、という議論。岩城さんも喰い下がって聞いていらっしゃいますが、結局分かりやすい説明はいただけてない印象です。それもそのはず、積立投資は合理的だから。それを愚かな大衆の信じる民間療法のようにおっしゃっていることについては、はっきりと異を唱えさせていただきます。

これを読んで多くの個人投資家に迷いが生じるとすれば、困ったことだと思いますね。山崎氏の説を信じるのは自由ですが、それは少数派。積立投資は私だけではなく、多くのもっと立派な専門家の皆さんも推奨している方法です。常識のウソを暴く、みたいなことは、ちょっとしたエクスタシーでしょうから水を差すのも気が引けますが、やはり常識のほうが正しいと思います。

でも、山崎さんはなぜ積立投資に意味がない、とおっしゃるのでしょう。それだけではなく、歳をとってもポートフォリオを保守化させる必要なんかない、ということもおっしゃってますね。これも「常識のウソを暴く」式の議論ですが、根拠が十分にあるとは思えません。その理由、一冊通して読んでみると、何となく分かったような気がします。

山崎さんにとっては、どうやら株式投資は所詮ギャンブル、株式で資産運用するなんて本気では考えていない、ということではないでしょうか。資産形成はほぼすべて、現金や債券でひたすら貯める。あとは遊びで株式を乗っける、という発想。そう考えると、おっしゃってること皆、辻褄が合います。

そうであれば、資産全体の規模にもよりますが、株式なんて資産のほんの一部、せいぜい1割、多くても3割程度を振り向けるに留まります。もう必要な金額は揃った、あとはおまけのリターン、というならば、一気にリスクを取ってしまえばよいのです。文字どおり必要な現金は既にあるのですから、リスクを取ると決めた額から現金をわざわざ残す必要はありません。全部株式に振り向けても、大した額ではないのですから構わないのです。

個人の資産形成を株式中心にやる、ということは、資産の半分でも7割でも株式で保有する、ということです。株式でギャンブルすることではありません。ご飯にかかっているふりかけではなく、白米そのものなのです。資産の大きな部分が株式であれば、高齢になるにしたがって減らす必要はもちろん出て来ます。生活するのは現金ですから、現金化する時に価値が大きく下がっていると困ります。現金は十分あるという人が、株式投資で遊んでいるのとはわけが違うのです。

そして個人の資産運用がベンチマークとするのは、常にインフレ率です。インフレ率を上回る資産成長が目標なのです。一気に買わなかったために、株式インデックスに大きく後れを取ってしまっても、別に気にすることはありません。そこが機関投資家とは違うんですね。個人はプロの投資家より劣っているのではなく、ベンチマークも目的も違うのですから、インデックス=ベンチマーク、という発想の身についた機関投資家の真似をする必要はないのです。山崎さんのおっしゃる「その時々で最適な額」はインフレ率に負けないパフォーマンスを実現する額ですから、案外小さいのです。ふりかけは一気にかけてしまってもいいけれど、白米はじっくり時間をかけて炊かねばなりません。

長期投資を信じるのをやめなさい、というアドバイスも、同じ文脈で理解できます。おっしゃる通り、長期投資だからリスクが低いというような言説は間違いです。期間が長期にわたれば、むしろリスクは高くなるとも言えます。長期投資を標榜するのは、それこそ株式を中心とした資産形成の考え方で、株式は高くなることも安くなることもある、短期間の結果で判断するのは意味がない、ということにすぎません。そして、たとえ今安くても、長い目で見れば十分挽回するチャンスはある。逆に今好調でも、悪い日も来るから心せよ、というわけです。だから、株式が主役なんて考えられない、という向きには長期投資の意味はあまりないのでしょう。

お金の話もさることながら、転職相談やキャリアプランのアドバイスは、興味深く読みました。人それぞれの人生ですから、こうしたらいい、ということはなかなか言えないでしょうけれど、要は合理的に、冷静に、計画性を持って、ということ。ファイナンシャル・プランニングと同じですね。

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実際に銘柄を選ぶとき [投資スタイル]

実際に銘柄をどうやって選ぶのか、というお話。

こうやるのがいい、という正解はないのでして、自分に合ったやり方で選べばよいのです。そこでとりあえず、私はどうやっているのかというと、案外原始的に、四季報を見ています。昔ながらの紙媒体の1冊2000円ぐらいする四季報です。ネット上ではスクリーニング機能が使えたりもするのでしょうが、余計なものがたくさん引っかかって来て効率が上がらないんですね。完全にアナログですが、使い慣れてるものがやっぱりいいみたい。

文字通りパラパラと眺めるわけです。ページの一番上に3年分くらいの株価チャートが載っていますから、それで結構イメージが掴めます。安定的に成長している優良な会社は、何だかんだ言っても株価は右肩上がりです。業種ごとに並んでいるから、循環的に買われている業種、売られている業種も分かります。そんな中から目についたものを少し詳しく見ていくわけです。

株価が右肩上がりの美しい姿のものは、やはり要チェック。優良な成長企業であることが多いので、収益性と成長性を中心に見ます。売上の成長度合い、利益率とその安定度、RoE(自己資本利益率)等々。良い企業はそうそう安くはないでしょうから、株価が少々割高でも仕方ありません。でも収益性、成長性を勘案して、妥協できないと思えば投資対象外です。主要な優良企業は長年やっているとさすがに頭に入っていますが、それでも、知らないうちにパッとしなかった企業が優良企業に生まれ変わっていたり、優良だと思っていたものがダメになっていたりということは、結構あるものです。

優良成長企業とまでは言えなくても、しっかり配当を払ってもらえるならば、私は文句は言いません。そこで当然ですが、配当利回りの高いものを探します。最近でいえば、3%ぐらいあれば投資対象として十分行けますね。そうやって挙がってくるものは、いわゆる割安株ということになります。

割安株の指標といえば、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などはよく知られていると思いますが、配当利回りが一番確実、と私は思っています。何しろ半年か1年ごとに現金で入ってくるんですから。それなのに代表的な指標として重視されないというのは、1年以下の短期指向の投資家が多いから、またはそういう投資家しか証券会社が相手にしないからなのでしょうね。

配当利回りが高い場合、それが異常値じゃないかどうか、記念配当で一回限りじゃないかどうか、または事業環境が悪化して大幅減益、減配が予想されていないかどうか、というあたりを調べます。(原油価格が急落した時の商社株なんかそうですね。)配当性向も気にします。日本の会社は一般に配当性向を低めにして、業績が悪い時も減配せずに済むようにしたい、というケースが多いようで、それが良いことかどうかはともかく、配当の安定には寄与します。逆にいえば、一株当たり利益ぎりぎりまで配当しちゃってると、減配の可能性は高くなります。

と、この辺までは、基本的には数字だけ見ながら、四季報に付箋をひっつけていきます。その後、事業内容を見ながら、よさそうだと思う企業のIR(投資家向け情報)サイトへ行ってみます。IRの仕方は各社各様で、どこから見てもいいわけですが、私は財務データから始めます。売上、利益、資本比率、キャッシュフローなど主要なものが最低でも5年分は見つかるはず。財務指標として載っていなくても、有価証券報告書が載っているでしょうから、その中にあります。

ただ私としては、過去10年ぐらいの業績を見ないと、投資する気になれません。先日は任天堂のIRサイトに、1980年代前半から30年分以上も、売上と利益のデータが載っているのを見て驚きました。ここまで長いのは珍しいと思いますけれど、長期のデータはとても参考になります。IRのしっかりした会社なら、見やすい形で10年分くらいは載せているでしょうし、一覧表になっていなくても、決算短信や有価証券報告書が遡って見られるようなら、数字を抜き出して並べてみることはできます。

投資家への情報開示の姿勢も、会社の良し悪しを図る指標と言ってよいでしょう。当然、見やすければ印象はいいですよね。まあ大企業であれば、情報開示だけはしっかりしている、なんてこともあるかもしれませんけれど。一方、中小型株を発掘しようと思ったら、この辺りはあまり気にしなくていいのかもしれません。ただそれでも、10年くらいの過去は遡りたいものです。景気のサイクルは5年では回りませんからね。今であれば、リーマンショックの時にどこまで落ち込んだのか、分かると分からないでは大違いです。過去10年ならばリーマンショック直前のピークも分かるので、アベノミクス後の回復が、過去のトレンドの上にあるのかそこまで行っていないのかも分かります。

IRサイトで手に入らないような細かいデータや、足したり引いたり加工が必要な指標は、私はほとんど使いません。自分のための投資にそこまで労力をかける必要はないと思っています。尤もやってみればいろんなことが分かって楽しいかもしれませんので、今後も絶対やらないとは申しませんが。

こうして業績が安定しているかどうか、伸びているかどうか、といったことが分かってきたら、事業内容や企業理念、経営計画等々、文字の情報を見に行きます。これについては何を見るべきか、千差万別ですね。役に立つものも立たないものもあります。結構アニュアルレポートを見たりもします。IR以外のメディアも利用します。Wikipediaも案外参考になります。こうしたものを読んでいるうちに、その会社のことが気に入ったり、好きになれなかったり。

そんなことをしながら、以前「私流 株式投資」で書いたように、「配当金額が長期にわたって増えていく確率はどのくらいだろう」と考えるのです。かなりの確率で配当が増えていくと思えば、現状の配当利回りがそれほど高くなくても、よい投資になるでしょう。逆に、配当利回りが高くて事業が安定していれば、配当が増えていくことを特に期待できなくても、それはそれでよい投資です。成長しない企業であれば、株価が高くなった時に売る、という選択も出て来ます。

いわゆる成長株投資を全くやるまい、と思っているわけではありませんが、成長性を予想するのは非常に難しいのです。特に何らかのテクノロジーをベースにした事業の場合、テクノロジーの評価をせねばならない。それははっきり言って無理。新しいテクノロジーや産業分野であれば、未来も明るいと同時に、競争も非常に厳しいでしょう。夢を見てする投資ならば、宝くじでも買うつもりで。ただ、外れてもなかなかゼロにはなりませんから、宝くじよりはずっといいでしょう。

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個別株投資の奨め ~投機ではなく [投資スタイル]

一般的に、アクティブ投信はインデックス投信に勝てない、ということになっています。数字を集めて平均を取ると、インデックス投信のほうが成績よいというわけ。その理由は色々と考えられるのですけれど、この事実をもってして、個人のアクティブ投資を否定する理由には全くならないでしょう。

アクティブ投信が不利な理由の一つは、インデックスよりはるかに高い手数料です。私だって、高い手数料を払うのは出来れば避けたい、そんなことは当たり前です。ただ、インデックスに投資するには投信を利用するしかないけれど、アクティブ投資ならば投信を買わずに個別株を買ってもいいわけです。昨今はNISA導入のお陰さまもあって、最低単位百万円以下は当然、50万円ぐらいで買える銘柄もかなりたくさんありますから、個人でもそこそこの銘柄数を持つことは可能なはずです。

インデックス投信は、株なんかたいして興味ない、という人にはとても良い商品だと思います。コストが安いって最強。…では運用手法としては、インデックスってどうなんでしょう。

たいていのインデックスは、時価総額ウェイトでできています。多分一番客観的ですし、基本的に放っておけばいい方法ですから、コストを安く、という目的にもかなっています。ただ、それ以外に特に意味はないとも言える。時価総額ウェイトで買う、ということは、高くなったものは高いまま、安くなったものは安いまま買うってことです。一つの銘柄を時系列で眺めれば、その銘柄が相対的に一番高くなったところで一番たくさん買い、一番安くなったところでは一番少なく買うことになります。

これ、アクティブ・ファンドのマネージャーだったら、とってもへたくそなはずですよね。そんな運用をしているインデックスファンドに勝てないとしたら、何とも情けない話です。現実は色々と、ファンドマネージャーにも同情すべき事情があるわけですが、その話はまた別の機会にするとして、ともかく少しでも資産が増えるように、ということだけをまじめに考えて運用すれば、インデックスより良い運用ができて当たり前じゃないか、と思ったりするわけです。

時価総額ウェイトという手法は、保有比率が客観的に細かい数字まで計算できますから、よく知らない人にはすごくサイエンティフィックで確かな運用手法に見えるのかもしれません。ポートフォリオを地域分散する時も、「日本株は3割くらいで」というよりも、「時価総額ウェイトで8.5%です」とかいう方が、なんだかカッコいいですよね?

パブリックな存在である投資信託は、客観的であることも重要な意味があるでしょう。でも個々人にとっては、自分で納得のいく自分だけのポートフォリオがあればよいのです。自分がいいと思えば、それが正しいポートフォリオ。誰に言い訳する必要もありません。

もう一つ付け加えると、例えばTOPIXなどは、全ての株式を自動的に含むので、かなり純粋なパッシブかもしれませんが、多くのインデックスは、時々銘柄の入れ替えを行っています。そういう意味では、一定の基準に基づいたアクティブ投資の側面もあるわけです。銘柄選定にあたっても客観性が重視されますから、だれが見てもOK、という選択になる傾向があるはずです。これもアクティブ運用としては、決して上手いとは言えませんね。

アメリカのSP指数で、過去の銘柄入れ替えを遡って、もし入れ替えていなかったらパフォーマンスはどうだったか、という試算を見たことがあります。入れ替えたことでパフォーマンスが悪くなっている、という結果でした。新しい企業など、世間に認められてある程度大きくなったものが選ばれ、将来性が無さそうだ、ということで安くなったものを外すわけですから、まさにアクティブ運用をしているわけですね。

インデックスというのは、市場全体を客観的に代表することが目的で、良いパフォーマンスを上げることが目的ではありませんから、こうしたインデックスの運用を批判するつもりは全くないのです。申し上げたいのは、インデックス投資が、運用手法として別に優れているわけじゃあない、ということなのです。

もちろん、アクティブ運用で優れた投資信託を探すという方法もありますが、今や一般の個人でも、プロのアナリストに負けないくらい、情報を手にすることができる時代です。興味と関心のある個人投資家は、リスクについてよく理解したうえで、個別株の投資にもぜひ挑戦してほしいですねえ。厚みのある投資家層の存在こそ、よりよく機能する健全な株式市場を支えるのだ、と信じています。


念のため、アクティブ運用とは→ http://www.toushin.com/faq/invest-faq/active/
解説を載せているサイトはいくつもありますが、これが分かりやすいかな。
「要は、人間の判断による運用、ということです。」



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私流 株式投資 [投資スタイル]

個人投資家のための、個別株投資。
多分、巷の資産運用や株式投資指南書とはかなり違うことを書きますが、私としてはごく当たり前のやり方だと思っています。

株式投資といっても色んな目的や方法があるでしょうが、私は着実に資産を貯めていくことを目的に、長期的なスタンスで投資しています。短期売買はやりません。買ったら基本的には売りません。もう少し正確にいうと、売ることは結果的にはあるわけですが、売ることを最初から想定して買う、という投資はしていません。

配当利回りが基本

基本となる投資指標は「配当利回り」です。配当収入が、株式投資の基本と考えているからです。事業に投資しているのですから、事業から上がる収益の分け前を頂くのは当たり前のこと。この基本を守って投資しているのです。ゆったりと、長期にわたって資産を増やそうという運用スタイルとしては、これが最適だと思います。

昨今は低金利ですから、配当利回りはとても高いと言っていいと思います。銀行預金にも国債にも、雀の涙ほどしかつかない利息に比べて、2%や3%、うまくいけば4%以上も頂ける配当は非常にありがたい。もちろん配当は、投資先の事業から利益が出ていなければもらえません。ですから当然、その会社の事業が順調か、経営が良いかどうかといったことも大事な要素です。

株価の動きを気にしない

配当利回りを基準に投資し、買ったら当分の間売らない、という方針を決めると、株式投資はかなり楽になります。株価の動きを気にしなくていいからです。自分が受け取るのは配当ですから、株価が上がろうが下がろうが、配当がしっかり払われてさえいればそれでいいのです。ですから、投資家として考えなければならないのは、配当がちゃんと払われるかどうかだけ、といってもいいのです。

株価が上がって得をする、下がって損をする、と言いますが、それは持っているものを売った場合の話。売らずに持っているならば、それは評価益・評価損でしかありません。売るまで損も利益も出ないのです。株価が上がれば配当利回りが下がり、株価が下がれば配当利回りが上がる、それだけのことです。心配すべきは、株価が下がることではなく、配当が減ることなのです。

企業業績の「蓋然性」を考える

企業の業績を予想するということも、必要ないわけではありません。業績が悪ければ、配当だって減ってしまいます。成長する企業に投資すれば、株価が上がるだけでなく、配当金額も伸びていきます。

今年は業績がよさそうだとか、悪化しそうだとか、そういう短期的な視点は、株式を売買するときにはやはり気にしたほうが良いでしょう。どうせ買うなら安く、売るなら高く、と思うのは当然ですから。でも保有している間は、もっと長期的なことだけを考えていればよいのです。

ここで将来を予想するというのは、来年や再来年の売り上げを計算することではなく、企業が今後どうなる可能性が高いか、その蓋然性に思いをはせるということです。成長性についてならば、たとえば売上げや利益が今後3年で何%伸びるのか、そういう数字を当てることではなく、現在の配当金額が長期にわたって増えていく確率はどのくらいだろう? と考えるのです。

何%ぐらい成長するか、何割の確率でそうなるか。特に数字を求められないのが個人投資家のいいところです。高いか低いかその中間か、それだけ理解できれば私は満足。予想なんて、ごくおおざっぱなもので良いのです。細かくすればするほど当たらないんですから。

予想する方法は、これが絶対、というものなどありません。ただ必ず必要なのは、投資先の企業がどんな企業なのか理解すること。どんなビジネスで利益を得ているのか、どんな経営をしているのか、これらが分からなければ、先のことなど見当がつくはずもありません。あとは個人の知識や経験、日ごろの情報収集を活かすのみ。投資指標はいくつかの基本的なものを押さえておけば十分でしょう。

思いっきり好き嫌いを反映させる

これこそが、個人投資家の良いところです。プロの運用は、主要な銘柄であれば、嫌いだからと言って無視するわけにもいきません。でも個人は思いっきり好き嫌いで投資していいと思います。自分のお金ですよ。嫌いな会社に使われるなんて、まっぴら御免ではありませんか。

たとえば私は、ゲームの会社にはあまり投資しません。自分の子どもには、年がら年中ゲーム機に向かってピコピコやっているような生活を送ってほしくないからです。小売店やレストラン、通信、その他個人向けの色々なサービスは、自分で利用してみて良いと思える会社を買えばよいと思います。もちろん好きだからと言って、業績や経営の良くない会社をなんでもかんでも買うほどお人よしではありませんが。

特定の企業が不祥事を起こしたときなども、個人の価値観を存分に反映させます。許せないと思えば、売ることを選択するでしょう。好き嫌いを反映させるという発想は、今や幅広く注目を集めている「ESG投資」にも通じるものです。多くの人が「好きだ」と思うような会社ならば、かなりの確率で、世の中に貢献している会社でしょう。良い会社であることが株価に反映される。これは株式市場の健全性の条件です。

個人も必要な情報には十分アクセスできる

昔と違って、企業の情報を得るのに、証券会社の社員である必要はもうありません。インターネット上で、投資に必要な情報を得ることは容易な時代です。上場企業ともなれば多くの場合、立派なホームページがあって、必ず「IR情報」という項目があります。その内容の充実度は企業間で大きな差があるでしょうが、投資に値する良い企業は得てして、提供しているIR情報も充実していることが多いようです。投資判断するに十分な情報を開示している企業だけ、投資対象にしていればよいのです。

専門のアナリストは多くの場合、目先の業績予想に時間を割かなければなりません。さらに可哀想なことに、公開されない情報を得ると、インサイダー情報と見做される世の中になってしまいました。個人投資家と同じレベルの情報で、プロとしての付加価値をつけよ、と言われているのです。大変ですね。

個人投資家は自分以外の誰に対しても説明責任を負っているわけではありません。自分が必要と思う情報だけを縦横無尽に活用して、長期的視野に的を絞った銘柄選択をすればよろしいのです。


基本的なスタンスだけ書いたつもりでも、結構長くなってしまいました。

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