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景気対策って必要? [市場と経済色々]

雑感の連投です。

昨日は「雇用」が変革の原動力になるんじゃないかと書きましたが、変革、というか、根っから考え方変えた方が良いんじゃないかと思っているものに、景気対策、というのがあります。景気が悪くなると、金利を下げたり公共事業を起こしたりして、経済にお金が回るように仕向けます。お金が回ったところに経済活動が起き、そこでまた価値が生み出されて豊かさが回復する、ということになるわけです。政策はきっかけを与えたり資金的にバックアップしたりする、それによって「ビジネスを援ける」のが景気対策です。

ビジネスは資本主義のルールで回っています。だから景気対策も、基本的に資本主義のルールに則っています。この資本主義というものの性格についてここ何十年の経験から分かったことは、放っておくと際限なく格差が広がる、ということではなかったかと思うのです。ちょっと前のピケティ・ブームはそういうことだったでしょう?

それは景気対策を打つに際しても同じではないでしょうか。金融を緩めれば弱い経済主体も助かりますが、それ以上に強いものがメリットを享受している可能性は高いと思います。特に過去20余年の日本をみれば、金利が低くても安全なところへより多くのお金が流れていたとしても、驚くにはあたりません。これを繰り返していれば、強いものがより強くなるでしょう。

また景気対策というものは、景気の下振れをなくそうというのが基本の発想でしょうが、そうするとじり貧のビジネスでも、じっと我慢していると乗り切れてしまうことになります。稼働しない資産でも、稼働しないまま生き延びてしまいます。バブルの教訓と言えば聞こえはいいけれど、資産の価格が下がることに対する警戒感があまりにも強ければ、新規に参入するものは資産を手に入れるチャンスに巡り合えません。

景気が悪くなる時は悪くなるに任せ、資産を持つ経済主体が「もう耐えられない」と言って資産を手放す、という状態が起きる方がむしろ健全なのではないでしょうか。そうやって、「持てる者」から「持たざる新規参入者」へ資産が渡っていくことが、経済を成長させるのではないでしょうか。

政策の出番はビジネスの後ろ盾ではなく、景気の悪化で零れ落ちる弱者の救済に徹するのがよいように思います。景気対策というより福祉政策です。景気対策は要らぬ、などというと世間には必ず、家業が潰れて首を吊る人間が出てもいいのか、というような反応をする人がいます。でも、弱者は結局弱者です。そうであれば、直接困っているところに援助が届くようにして、格差ができるだけ広がらないようにした方が良いのではありませんか。

資本主義は優れたシステムですが、その弱点がはっきりしてきている以上、それを克服する努力をした方がよいと思うのです。ビジネスを援けるのは「産業政策」として、産業の将来性まで合わせて考慮しながらやればよいことです。

政治力学を考えれば、こんな主張が通るとはとても思えませんが、政策にかかわる人たちには、公的な資金を非効率にばらまいて経済格差を拡大することに貢献しているのかもしれない、という発想を少しでも持ってほしいと思う次第です。

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平成を振り返ってみる [市場と経済色々]

世の中こぞって「平成振り返りモード」なので、私もやってみようと思います。

私は昭和の末期に就職したので平成時代は社会人としてフルに経験しているわけですが、平成を簡潔に表現すれば「平和と停滞」でしょうか。大災害の類は少なくありませんでしたが、それによって社会が揺らいだ、それで社会がひっくり返った、ということは起きませんでした。

一方社会・経済が停滞したのも事実です。アベノミクス以降「女性活躍、云々」という文言が頻繁に聞かれるようになりましたけれども、これこそ停滞の象徴です。私はいわゆる総合職採用で就職しましたが、その直後に男女雇用均等法が制定され、社会全体も女性を採用しようという方向に向かっていました。ですから、昨今の「女性活躍~」には既視感を覚えます。30年かけて、まるで何も変わっていないかのようです。

昭和のバブルが崩壊して経済はじり貧になっていきましたけれども、いわゆる「ゆでガエル」の状態で、危機の進行を肌で感じることができませんでした。毎日平和に暮らしていると、変革しようという気運はなかなか生まれません。変革には大きなエネルギーが必要ですから、多くの賛同を得なければ動かないのです。何もしなくても平和なのに、どうして動かなくちゃいけないのか、という状態が続いたのが平成という時代だったと思います。

数字を見ても、経済が停滞していたことはよくわかります。名目GDPは1990年代の初めから2015年ごろまで、完全に横ばいです。経済統計ではよく「実質GDP」が使われますが、物価が下がっているせいで生活水準が上がった、などと喜んでいるわけには行きません。名目GDPが上がっていないということは、日本経済につけられた値段が上がっていないということと同じです。この間、株式市場がパッとしないのも当然ですね。

アベノミクス以降、名目値で見る経済は少し上を目指し始めたように見えます。株価指数も同様です。だからと言って、この先も上向いていると信じる理由は特にありません。日本人は日本の経済力に自信を失っているし、与えられた条件が成長を後押しするわけでもありません。平成が令和になったからと言って、平和な世情が覆されるわけではありませんが、経済や社会に変革を迫る要因があるとすれば、急激に進む労働力不足がその役割を果たすのではないかと思います。

「女性の活躍、云々」に話題を戻せば、30年前は景気が良かったわけで、雇用を増やしたいという経済的ニーズがあったからこそ、雇用機会均等法もそれなりに受け入れられたのでしょう。ですから、経済の停滞で雇用が余剰になってしまったことと、30年を経て同じような「女性活躍」推進を未だにやっていることとは、無関係ではないはずです。

今後絶対的な労働力の不足で、女性の、というだけでなく、雇用慣行が大きく変わっていく可能性はあると思います。当たり前のように語られる「終身雇用制」も、元をたどれば戦後の高度成長で、長期間働く安定した労働力を必要としたから定着した制度でした。同じ雇用慣行が、この先も続いていくのはむしろ不自然ではないでしょうか。不自然を続けているせいで、正規・非正規のような労働市場の歪みも深刻化するのです。
 
ただ、変革には多大なエネルギーを要します。それが上手く進むために必要なのは、成長する企業だと思っています。それが新しい、若い企業であれば、より良いですね。新しい会社が雇用の在り方も変えていく・・・そして雇用の変革がまた起業を増やす。そんな好循環に入れればいいのですが。

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特に荒れなかった臨時株主総会  [株主総会]

月曜日、日産の臨時株主総会、話題になっていたので混んでいるだろうとは予想していましたが、案の定、入れたのは第3会場でした。15分以上余裕見て会場入りしたんですけどね。インターネット中継をやったというから、招集通知に書いてくれていたら、わざわざ出かけなくてよかったかもしれません。ビデオを通した会場では拍手もないし、しんとしたものです。

総会は、ひと言でいえば平穏でした。現経営陣の責任を問う、と厳しい口調で質問した株主は、24名中私のメモによれば2名。その質問も、賛同の拍手が沸き起こったという状況からは程遠く、経営陣の回答も、おとなしく反省の弁を述べるのみで、怒号が飛び交う、なんてことは全くありませんでした。

でも、新聞社やテレビ局のシナリオは違ったのでしょうね。すべてのメディアをチェックしたわけではもちろんありませんが、2時間半近くにも及ぶ株主質問から各社がニュースに取り上げたのは、「経営陣は総退陣すべきではないか」「けじめをつけてほしい」という株主からの発言。繰り返しますが、2人だけだったんですよ、そういう言い方をしたのは。

中には古参の元社員らしき株主の、決議事項に大賛成、ゴーンは悪すぎる、西川さんよくやってくれました、という発言もあったのです。こちらに対しても支持の拍手が巻き起こったなどということはなく、やはり総会は、多くの関心を集めている割には平穏だったと言うしかないでしょう。この方はゴーン氏への悪口が延々と止まらず、聴いてるほうは思わず失笑。これに対する西川さんの回答は「敢えて何も申しません。大変ストレートなご意見ありがとうございました」。

これからの経営戦略、アライアンスの在り方、ガバナンスの立て直し等々、今後の日産を心配するきわめてまともな質問が多く、株主の皆さん、本当に真面目に参加してらっしゃいます。質問のクオリティーが高いのは、通常の総会に倣って株主質問を事前申し込み制にしたから、ということもあるかもしれません。先ほどの株主氏からは、質問の事前申し込み制も含めてゴーン流は全部やめろとのご意見でしたが、ゴーン流だからダメと言うのは暴論だとしても、質問を制限してしまうのは、会議の進め方という意味ではやはり議論の余地がありそうです。会議が紛糾するのを防ぐ意図がないとは言えないでしょうから。

メディアが協調したがっている「現経営陣の責任」の問題ですが、責任をとれ、退陣せよ、というのは理にかなっているようには見えます。でも今起きていることって所詮権力闘争じゃないの、と思えば、勝っているほうが留まっているのは当たり前じゃないかとも思えます。引責するほどの権力が無かったからこういう事態になったのだ、というのが現経営陣の立場でもありますからね。そう考えると、理にかなっているように見えてもあまり現実的ではない、といったところでしょうか。


帰り道、目が合わないようにしていたんですがテレビ局のマイクにつかまってしまいました。街頭インタビューというのはテレビ局のシナリオにあったコメントを探しているだけですから、私のコメントなど採用されるはずがありません。なにしろ開口一番「総会、全然荒れませんでした」でしたから。

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キャピタルゲインを出さない金融商品 [投資スタイル]

私事ですが、今年の確定申告では、私が事務作業を任されている親の証券口座で、思っていたよりも売却益が出ていて、納税額がずいぶんと増えてしまいました。(納税するのは親ですが。) 

高齢の年金生活者は年収も少ないですし、キャピタルゲインにかかる所得税は、重く感じられます。配当ならば配当控除がありますが、売却益が出てしまうと、どうしようもありません。そうなると、配当を思いっきり出してくれて株価があまり上がらない、という株式があればありがたいような気もします。(もちろん一概には言えません。)

一時はブームとなってもてはやされながら、その後悪者扱いされるようになった、毎月分配型という種類の投資信託がありました。高い配当が人気の源でした。しかし、時として元本を食いつぶしながら配当を払うのはよろしくない、ということで人気も下火になったのです。

もちろん、配当によって元本が減ることもある、という説明をしっかりせずに販売すれば誤解を招き、非難されるのは当然です。しかし、既に「貯める」段階を終えて「取り崩す」段階に入っている世代にとっては、元本が割れたら割れたで、運用しながら取り崩すという便利な機能を提供してくれているわけですから、商品自体は非難されるようなものではありません。

私の親の口座にも、ブームの頃に買ったと思われる毎月分配型の投信が保有されています。買ったときにはどんな説明がされていたのか、今となっては詳しいことはもうわかりませんが、結果的にはこのまま持っていても問題ないと思っています。

そういえば以前、知り合いがこんなことを言っていました。「配当金をたくさん払ってくれて、自分が死ぬときには価値がゼロになるような金融商品があればいいのに。」どうして最後がゼロなのかと聞けば、「相続のトラブルがおきないでしょ?」とおっしゃいます。ならば、元本をどんどん食いつぶしながら思いっきり高配当をだす毎月分配型ファンドなんて、おあつらえ向きですね。但し、ゼロにするピッタリのタイミングは、どうやったって測れませんけれども。

タグ:毎月分配型
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春風に誘われて、株主総会 [株主総会]

この季節は、12月決算の企業の株主総会です。

今週水曜日。大塚商会の株主総会は2年ぶり2回目です。前回の記憶からすると特に面白いこともなさそうなので、出席するのをやめようかと迷いましたが、暖かそうな春の日差しに誘い出され、風を切ってひとっ走り、ママチャリで出かけました。

業績は好調で財務も安定、紛糾するような要素は見当たりません。質問することがあるとしたら、働き方改革への取り組みぐらいかしら、と思っていたら、事業報告の冒頭から、働き方改革を先取りしてます、との説明。顧客に対する提案も行っているということですから、働き方改革もいわば商品の一部になっているんですね。

この会社、従来から一人当たり売上高という指標を重視しているようで、IRによく登場します。過去20年間に社員数は8%増え、売り上げは倍以上になったということですから確かに優秀です。且つその間の年間休日数は、118日から131日に増えたという説明でした。

2年前に出席した総会は、出席者のほとんどが元社員か取引先など関係者のようで、質問もほとんど出なかったのですが、今回のQ&Aはなかなかに活発でした。純粋な個人株主の参加が増えているのでしょう。良い質問も、面白い質問もありました。

ごくまともな質問、たとえば現預金はこんなに要らないんじゃないのか、と言うのに対しては、色んな事を言っていましたが、要するにこれから使い道を考えるということですね。経営が順調でキャッシュが積み上がっている会社って、大体こんな感じだと思うんです。経営効率を一生懸命追求してきて、資本の効率はそのあとということに、どうしてもなるのでしょう。

最後の方で出た、AI時代到来でどんな影響を受けるか、というのも良い質問。回答では今時の技術を生かした製品を列挙していました。Chatbotのシステム、顔認証システム、RPA、Webカメラ…。新しい分野の製品が増えること=ビジネスチャンス、ということですね。

どういうビジネスやってるのかよく分からないから教えてくださいという、株主初心者コースの質問もあって、丁寧に回答されていましたが、ここで社長が、会社創業時の理念のような話を補足。青焼きの機械と感光紙からスタートしたんだそうです。顧客の仕事が止まらないように、いつでも1包でも感光紙を届ける、壊れたらすぐサポートに走る…と聞くと、コピー機のビジネスみたいですね。こういう話は会社のイメージがよくわかってありがたいことです。

面白い質問。テレビのCM、とてもいいですね、という話。テレビ東京の経済番組で流れるようですね。私は最近あまり見てないので覚えがありませんが、社長の肝いりで制作しているのだとか。社長自ら、このCMシリーズに込める思いを語っていました。

他には、車好きだそうですがベントレーはまだ乗ってるんですか、というのもありました。車好きだったのは会長だったようで、既に売却済みとのお答え。社長はあまり興味がないようですね。こういうどうでもいいことも含め、社長が静かな口調ながら気持ちを込めてお話になる様子に好感が持てました。

→ 2017年の株主総会

本社前、川沿いの桜並木
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想定外をなくす [投資スタイル]

先日ある会合で、イスラエルという国家はリスクコントロールに長けている、という話を聴いていましたら、「彼らには『想定外』がないのです」という表現が出てきました。これ、個人の資産運用に生かせる考え方です。

想定外がない、というのは、あらゆる状況を想定内に入れてしまう、ということですね。私が株式投資のセミナーでお話する時には「シナリオはいくつあってもいい」という表現になっています。投資しようとする企業の業績を予想するのは難しいので、こうなるかもしれないし、ああなるかもしれない、とあり得るシナリオを色々想定しておくのがいい、というわけです。そしてシナリオはいくつあってもいい。結果がそのうちの一つであれば、想定内だったということになります。想定していれば、その結果に対処することもできる、だからリスクコントロールになるのです。

2月の初めごろのブログで、サンバイオの株式について書きました。ハイリスクな成長株です。「こういう銘柄は、ゼロになってしまう可能性まで想定して心の準備をしておけば、そう悪い投資ではないとも言えます。」と書いたのですが、これはとりもなおさず最悪のケースまで想定内にしてしまう、ということです。

最悪の場合を想定してもう一歩踏み込むと、この場合無くなっては困る資金で投資してはいけない、ということが分かります。退職金を丸ごとつぎ込んだら大変なことになります。しかし、たとえば温泉に遊びに行って高級旅館に泊まるために貯めていたお金であれば、もともと使ってしまえばなくなるはずのお金です。温泉旅行がハイリスクな成長株に化けても、それはちっとも構わないと思います。「買わなきゃ損、という投資家がいても不思議ではない」というのはそういうことなんですね。

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貿易戦争?どのていど悲観すればいいのか [市場と経済色々]

世界的に株式市場は、年明け以来何となく順調に戻して来ています。米中貿易戦争か、すわ一大事、とばかりに年末辺りは急落したものの、悲観のし過ぎを反省しているかたちです。何ごとも行き過ぎはいけませんが、景気の勢いも企業収益も下降気味で、やはり今のところ、あまり投資環境が明るいとは思えません。米中貿易戦争であるとか、冷戦の再来であるとか、今の時点ではそういった表現は大袈裟に過ぎるでしょうが、ベルリンの壁崩壊以来ひたすら進展してきたグローバリゼーションの流れに転機が訪れている、というのは大方の認めるところではないでしょうか。

信頼のなかったところに信頼が築かれ、物もお金も容易に東西の壁を超えるようになった90年代。それは中国の急成長を援け、一方世界は大いにその恩恵を受けたわけです。信用のあるなしがそのまま金利に現れるように、ビジネスというものは、信用があるかないかでかかるコストが大きく違ってくるものです。社会主義に覆われていた経済圏が資本主義を受け入れ、過去には信用できなかった相手が信用できるようになったことのインパクトは計り知れないものがあったに違いありません。

90年代は、株式市場も世界的に大幅な上昇を記録しました。主要市場でここに加われなかったのは、バブルの後始末に追われていた日本だけでしょう。2000年代に入ると中国はWTOに加わり、将来は資本主義・自由主義経済の仲間同士となるのが自然の成り行きのように思えました。だから中国は基本的に信頼できる相手という前提で、90年代以降の経済は進展してきたはずです。しかし今やその前提は崩れ、信用は所与のものではなくなってしまったようです。

貿易交渉が順調に進展すれば、行き過ぎが修正されたり緊張緩和が図られたりして、ビジネスの条件は改善するでしょう。しかし、歴史の流れが再び向きを変えるということにはならないのだと思います。過去のようなグローバリゼーションの進展は、もう見られないのかもしれません。それを誰もが感じるようになったのは、多分アメリカの大統領がトランプ氏に替わったころからでしょう。しかし実は、リーマンショック辺りを機に変化は既に始まっていた、という記事を、先月の英エコノミスト誌で見ました。(1月26日号「Slowbalization」)

それによると、GDP比で見た貿易額や国境をまたぐ投資額・融資額は2008年に頭打ちとなっています。急激に伸びてきた中間財の輸入額、多国籍企業が海外で稼ぐ収益などもそうです。それまで企業が構築してきた国際的なサプライチェーンの活動は、2008年までにピークアウトしていたということでしょう。人々の往来や小包のやり取りは伸び続けているということですから、国境をこえた個人の消費行動は、まだ勢いがあるようです。

株式市場を振り返ってみると、日本以外ほとんどの市場が上昇した90年代に対し、2000年以降、特にリーマンショック以降のパフォーマンスは、ネット世界のリーディング企業を擁する米国と、統合されたユーロの恩恵を一身に集めた形となったドイツが突出して見えます。リーマンショック前のピークをしっかり超えているという意味では日本も健闘してはいますね。

GlobalizationがSlowbalizationに、ということなので、今のところ逆行しているわけではないのでしょう。そして最終的な消費者は世界中から物を買い、海外旅行をする、という傾向を今も続けています。これから観光大国を目指し、働き手も海外から来てもらおうとしている日本も、まさにその流れの中にいます。世界中の国際関係がギスギスして感じられるなかで、経済の長期展望もつい弱気に傾いてしまいますが、グローバリゼーションが止まってしまったのか、形を変えて進展しているのか、それは表現の仕方の違いなのかもしれません。あまり悲観に傾きすぎぬよう自戒しつつ。

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超ハイリスク・ハイリターンな成長株 [株式の個別銘柄]

株式市場では「サンバイオ」株が昨日まで4日連続ストップ安、今日も下げて、その間だけで株価は4分の1ぐらいになってしまいました。凄いですね。この値動きを見て心臓がバクバクしてしまう人は、やっぱり買わないほうがいいですね、こういう純粋に成長期待のみで株価の形成されている銘柄は。

では、こういう極端なほど乱高下する成長株は、単なるギャンブルの対象なのでしょうか。「投資価値」についてはどう考えればよいのでしょうか。

周知のとおり、この会社は「夢の薬」を開発しているといいます。製品はまだできていないので、どこから売り上げが来るのかよく分かりませんが、とにかく製品ができるまでは赤字が続きます。でも首尾よく開発が成功すれば、莫大な利益が手に入るはず、という状態の銘柄です。

手元の四季報で財務情報を眺めますと、総資産は147億円、自己資本は107億円、有利子負債は27億円。これだけ見れば、悪くないですね。自己資本に対して負債は多くないし、それほど危ない会社には見えません。この107億円の自己資本が、このままでいくと毎期30億円とか40億円とかいうペースで減っていくわけです。開発に成功すると期待されている限り、開発費が足りなくなればまた調達することになるのでしょうが、今ある自己資本で3年くらいは持つことになります。

今日の2600円近辺という株価の水準は、急上昇の始まる前、あまり株価の動いていなかった2018年前半の水準も下回っています。今日はようやく売買もできているようですし、当面はこの辺で落ち着くのかもしれません。この株価で計算すると、時価総額は1290億円くらいになります。147億円という総資産、107億円という純資産(自己資本)に、1290億円というお値段がついているわけです。倍率にすれば総資産の8.7倍、純資産の12倍です。

これを高いと感じるか高くないと感じるか、それはひとえに、薬の開発の成功をどの程度信じられるかに依るわけです。この先どのくらい時間がかかるかにもよりますが、そこそこ現実的な評価のようにも見えます。

いずれにしても、開発が上手くいくかどうかが全てを決する、超ハイリスク・ハイリターンであることには変わりありません。こういう銘柄は、ゼロになってしまう可能性まで想定して心の準備をしておけば、そう悪い投資ではないとも言えます。株価が上がる時のスケールも、桁違いに大きいでしょうからね。そんな可能性がちょっとでもあるなら買わなきゃ損、という投資家がいても不思議ではありません。ただ辛抱強くなければ投資はやめた方がいいでしょうね。なにしろ製品はまだできていないのですから。

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業績に問題はないはずなのに・・・星野リゾートREIT [株主総会]

総会の雰囲気にちょっとびっくり

昨日出席した「投資主総会」では、議事進行役の力量というものをつくづく考えさせられました。投資対象そのものが悪いとも思えないのに、会場の雰囲気は険悪になるばかり。すぐにでも売りたくなるような総会になってしまったのです。

星野リゾート・リート投資法人。結論を先に言っておくと、私の眼には「買わない理由のない銘柄」と映ります。有望なマーケット。業界内の好ポジション。分配金は連続増額、5年で倍近くになっている。財務上も特に問題ない。それで分配金の利回り4.8%です。事前に険悪な総会など予想できませんでした。

招集案内は非常に薄くて、法令の変更に合わせた定款の変更と、任期満了の役員の再任を諮るという、決議事項としてはごく一般的なパターン。質疑応答は決議事項に関することだけとのことだったので、あっという間に終わるのかと思いきや、よくこんなに聞くことあるな、というくらい質問が続きました。

役員が全く証券を保有していないことについてとか、定款変更の主旨についてとか、監督役員は兼務が多すぎじゃないのかとか、特に質問が変なわけじゃありませんが、途中から監督役員についての質問が増えてきて、彼らの資質に問題があるような印象が生じてしまったのです。

当然私には彼らがどういう人たちかという特別な情報はありませんが、投資法人ってそもそも器であって、その監督役員は器がきちんとしているか監督する役のはずなんです。それが、不動産の素人じゃないのか、それは問題じゃないのか、過去に監督していた投資法人に問題があったんじゃないか、といった質問になってきて、不適切な役員を糾弾する、みたいな雰囲気になってしまいました。

投資法人の監督役員って不動産の目利きである必要はないと思うし、兼務が多いのもわりと普通だと思うんですね。だからそういう説明をして疑念を晴らさなくちゃいけなかったのです。出席していた投資家の方からも、その後そういう指摘がありました。皆さん誤解なさってるようだから、投資法人の仕組みを説明したほうがいい、と。 

詰まるところ、議事進行を担った執行役員の力量不足でしょう。終止台本読みなのです。質問に対する回答も、想定問答集の該当箇所を読んでます、という話しかたで、話している内容が相手に伝わらない、というのはこういうことなのでしょう。とにかく余計なことは言わないように、という態度に見えました。必要なところでは毅然とした対応をすべきなのに、あれでは聞いている方も不安になってしまいます。

証券の値段が上がらないのは何故ですか、どうなってるんですか、というよくあるクレームまがいの株主質問がここでも出て、雰囲気の険悪化にまた一役買っていましたが、業績がいいんだから何もひるむことはないんですよね。皆さんのような目の効く投資家が日本にはまだ少ないということでしょう、とか答えておけばいいのではないでしょうか。

議事は険悪なまま進み、採決となりましたが、なんだか拍手していない人が多かったように思います。拍手する気分にならないぐらい雰囲気が悪かったことは確かです。するとまた、こんな拍手で採決していいのかとか、色んな声が上がってクレーム大会になってしまい、ほうほうの体で最後までたどり着いたという印象。

険悪な空気は運用状況の報告会が始まっても続き、もう「文句の一つも言わなきゃ損だ」とでも言わんばかりです。早く報告聞きましょうよ、と声を上げようかと思ったぐらい。別に業績が悪いわけでもなく、スキャンダルを抱えているわけでもないのに、雰囲気悪すぎです。それでも無事運用状況の報告が始まり、そのうち場の空気も治まりました。

あの険悪な空気は、「イジメ」の空気と同じ性質のものだったと思います。今回の進行を担った執行役員、子どもの頃いじめられっ子だったとか?その場にいると、さしたる理由もないのにだんだんといじめに加担してしまう。それが当然のようにその場の空気に飲み込まれてしまうんですね。恐ろしいものです。

本題の運用状況報告

さて、本題だったはずの運用状況の説明、特筆すべきことはそれほどありません。過去5年でファンドの規模も順調に拡大し、それに伴って資金調達も楽になり、それが外部成長を援けるという好循環にあるように見えます。

昨年は北海道や関西・中国地方など自然災害が多くて損失も出ましたが、自然相手では如何ともし難いでしょう。大阪のハイアットが良くないとか旭川の新規物件が良くないとか発言している投資主がいらっしゃいましたが、個々にはそういうものもあるのかもしれません。そこまで細かく見ていませんけれども。

外国人客の利用は全体の平均で2割ほど。特に高級リゾートの「星のや」に多い。温泉旅館の「界」はまだ1割ぐらいで、今後伸ばせそう。インバウンド客は、曜日や季節の凸凹を埋めてくれるありがたい存在だそうです。

Q&Aで、利益相反が起きないのか、という指摘がありました。つまり星野リゾートが切り捨てたい物件を押し付けられることはないのか、という意味。仕組みからするとその可能性はあるわけですが、そこは星野リゾート全体に対する信頼の問題というしかないのでしょうね。不動産業のグループでREITを持っているところは、同じ事情を抱えていると思います。

星野リゾートになる前の星野温泉から利用しているという投資主の発言もありました。非常にロイヤルなお客様、一番大事にすべき投資主ですね。彼女はあの「いじめの現場」をどう思って見ていたのでしょうか。

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久しぶりの株主総会はHIS [株主総会]

昨日は久しぶりの株主総会。HISは数年ぶり、確か2回目です。(前回のメモはこちら

よく講演会などで、演台の左右、目の高さにある透き通った板、あれ、プロンプターですよね?澤田社長が右側のプロンプターを見ながら話していると、その透明板のちょうど先に私の席があって、ずっと私の顔を見ているみたいにこっちからは見えるわけです。そんな、何となく落ち着かないような特等席で、昨日は聴いておりました。

終わった年度の業績は、順調と言ってよいと思います。連結範囲が増えているので表面上は大幅増収ですが、既存事業でも6%近く伸びてるようですね。増益率も為替差益・差損の影響を除けば2桁増益でしょう。

海外の旅行先は韓国が復調していると言ってましたね。欧州も良いというのは年末年始の曜日の並びがよかったとか、個人消費が強かったとか、そういうことなんでしょうか。ビデオによる事業報告では、海外中心に安全の確保や人材の教育に努めている、というアピールに力が入っていました。クオリティの向上ということですね。

株主質問で聞くまで知らなかったのですが、ブライダルツアーでちょっとした事件があったのですってね。ツアー開催の当日に、新築のチャペル(とホテル?)が完成しなかったとか。当事者は260組。代わりのツアーを用意しました、ということで、私も気がつかなかったということは、多分危機管理が上手く行ったのでしょう。

余談ですが、若いころNYからフランスへスキーに行った時のエピソードを思い出しました。大勢でアパートメントを一部屋借りるという形だったんですが、現地に着いてみたらその建物がどうしても見つからない。幸い現地の案内所に日本人スタッフがいて(さすがバブル期ですね)調べてもらったら、建物が建築中だった、ということがありました。世界の常識では珍しくないことなのかもしれません。

昨年、3カ月間の海外視察旅行に出かけたという澤田社長、その感想を質問されての回答。昔と今の旅行の違いはスマホの存在が大きい、と。スマホの利用がサービス開発の鍵、ということなのでしょう。それから、東欧の発展が印象に残ったとのこと。太陽光発電の関連施設も見て回ったようです。電力事業に対してもそこそこ意欲的。

何人かの株主が質問したのは統合型リゾート施設。例のカジノです。そのために定款に関連事業を加えてます。取り組みを質問されての回答は控え気味。まずは自治体が動かないと・・・と。でもやるとなったらちゃんと協力しますよ、当然メリットがあるし、というのがお答えでした。自治体にすれば、ハウステンボスのような絶好調のリゾート施設を地域に抱えながら手を上げないわけには行かないだろうし、HISにすれば当然期待に応えないわけには行かないということでしょう。

昨今は人手不足が深刻の度を増しているので、人材の採用に支障をきたしていないか聞いてみました。採用には困ってません、とのお答えでしたが、どうなんでしょうね。昔から人材の出入りが激しい企業ではないかと思われるので、状況の変化を感じないだけかもしれません。或いは人事的ノウハウが貯まっているのかもしれません。経験知というわけです。

「変なホテル」については、ホテル一軒あたり従業員何人で稼働できているのか聞きました。前回も似たようなこと聞いているんですね。その時は6人。今回も、予備人員含めて7人ですから実質は同じなのでしょう。安全のための規制などもあるでしょうから、減らせるだけ減らすというわけにも行かないのかもしれません。とはいえ、この事業は柱の一つになっていくという勢いが感じられます。都心部に新しく2軒オープンしたらしいので、是非一度泊まってみたいものです。

最後に質問した株主、お土産のカステラ、2本にしてくれないかなあ、というのはご愛敬。澤田さんは、2本はちょっとと言いながら、来年は「金のカステラ」にしてもいいかな、なんておっしゃってましたが。

ところで、株主総会の部屋の隣に、相談センターのような場を設けていました。これはNTTドコモにもありましたが、一種のクレーム対策なんでしょうか。消費者相手のサービス業では、株主質問にクレームが混じるって、割とよくあることでしょうからね。総会の場でクレームが出たら、終わってから隣で伺います、と言えるわけです。今日は特に出番はありませんでした。

→2017年の株主総会



タグ:株主総会 HIS
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