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成長株は高い、でも投資したい [投資スタイル]

半年ほど前に、「バリュー株」について書きました(4月2日付)。そこで私がバリュー株の要点として挙げたのは、「成長性に対する期待を織り込んでいないこと」です。

これに対して株価が成長性を織り込んでいる株が成長株」です。株価がどうであっても企業が成長すれば「成長株」ではないのか? と思われるかもしれませんし、そういう定義をしている投資家や運用者もいるかもしれません。しかし私の定義はあくまでも織り込んでいるかいないかであって、成長するかしないかではないのです。

なぜならば、成長するかどうかなんて、誰にも分からないからです。成長する、という期待は人によって違います。誰でも成長すると思えば成長株、というのでは、あまりにも主観的です。これに対し、「市場が成長すると認めた株」であれば、ある程度客観的な基準と言えるでしょう。非常に未発達な市場であるならばともかく、少なくとも先進国市場であれば、株価は市場のコンセンサスを反映します。

さて、成長株の定義についてはこのくらいにして先に進めましょう。私は基本的には、バリュー株投資の考え方の方が個人の資産運用には向いていると思いますが、個別の株式に投資するなら成長しなくちゃ面白くない、と考えるのも、ある意味自然なことです。何しろ成長するものは、買ったときは高いと思っても本当に10倍にも20倍にもなりますからね。

そこまで欲張らなくとも、成長株には投資したい。そこで、投資するならばどんなことを考えて投資すればよいのかというお話です。こういうことには「正解」はありません。高いと分かっていて買う、つまりリスクの高いものに投資する時の心の持ちよう、というぐらいのことです。

繰り返しになりますが、成長株の株価は高いのです。でもその分成長すればよいわけなので、一般的にはPEGレシオなどというものを持ち出すことになります。ふだん皆さんの使うPER(株価÷EPS)を、さらに成長率で割ったものです。成長率が高ければこの指標は低く出てくるわけですね。

問題は、この「成長率」が分からないということなんです。特に高い成長を期待しているということになると、新しい技術であったり、これまでになかったビジネスであったりすることが多いわけですから、通常の利益予想以上に困難です。これは予想を生業とする人だって、本当のところはよく分かりません。分かっているのは、今稼いでいる利益と持っている資産だけなのです。

まだほとんど利益を出していないのに、この市場はとてつもなく伸びるはずだといって買われる成長株もあります。そういうケースの株価は評価不能です。評価できるのは技術だけ。それでも投資するならば、100%失ってもいい、くらいの感覚で買うべきです。技術と経営は別物ですから。私の印象では、一般の投資家の場合、こうした銘柄でいい目に遭うというのは、かなり運のいい部類でしょう。

私が買うとすれば、少なくともあるていど継続的に利益が出ているレベルの成長株です。技術なりアイデアなりを、利益にするビジネスモデルが出来ているということですね。足元のPERで数十倍というイメージ。本当に成長するかどうか分かりませんが、分からないとは言っても、真っ暗闇を突っ込むというのもよろしくないので、こんな頭の体操をしてみましょう。

たとえば市場の平均がPER15倍の時にPER50倍で買われている成長株を想定します。平均よりも3.3倍高い評価です。それってどのくらい高いのでしょうか。市場全体では比べにくいので、代わりにPER15倍の銘柄AとPER50倍の銘柄Bを比べてみましょう。銘柄Aの株価が1000円であれば、その企業のEPSは約6.6円です。銘柄Bの株価が同じく1000円であれば、そのEPSは2円です。銘柄BのEPSが、どのくらいの成長率で何年ぐらい成長すれば、銘柄Aに追いつくかな、と考えるのです。

PER15倍の銘柄Aにはどのくらいの成長を期待しますか? 中長期のトレンドとして年2%ぐらいでいいでしょうか。年率2%で例えば10年間ならば、6.6円だったEPSは8円になります。銘柄Bの2円のEPSが10年後に8円になるには、年率で15%弱伸びる必要があります。5年で追いつこうと思えば、30%弱という計算になります。

実はこういう計算結果に特に意味は無いのです。数字の根拠も特にありません。現在の株価は、10年間15%ずつ利益が伸び、その時点で市場平均並みのPERになった水準、ということが分かっただけで、本当にそういうシナリオを想定しているわけでもありません。ただ、どのくらい高いものに投資しようとしているのか自覚するためにやっているわけです。PEGレシオにしても、単に銘柄同士の比較の目安にするだけであって、その数字には意味は無いのです。成長株というのは、それほど分からないことだらけだということなのです。

投資を決める際にさらに考えることは、株価が急に半分になってもまだ成長性を信じていられるか、ということです。別の言い方をすれば、市場の空気だけで強気になってはいないか、ということです。株価が急に下がるというのは、何らかの理由で市場が成長性について不安になる時です。それを見てさらに買おう、と思えるぐらいの自信がなければ、投資するべきではありません。そのためには、その事業について自分なりに調べて、理解していることが必要です。下がっている時に買う、というのはいわゆる「逆張り」ですが、それは「市場より自分の方がよく知っている」という態度なわけですからね。


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