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5年ぶりの出席 ABCマート [株主総会]

昨日はABCマート。前回出席したのは、調べてみたら5年前でした。その時も、会社のイメージとは裏腹な、ごく地味な株主総会であると書いていますが、それは変わっていません。その間の5年間も、売り上げでほぼ6割増、営業利益で+43%と、順調に業容は拡大しているんですけれどもね。

こじんまりとしたホールにまばらな出席者。若い株主が多く、ほとんどは純粋な個人投資家ではないかと思われます。「純粋な投資家」などという言い方はちょっとおかしいのですけれど、元社員であったり取引先であったり、投資成果を目的とする以外の事情で株主になっている場合は、やはり投資家と呼ぶには足りないものがあるわけです。この会社の場合は、歴史が浅いので元社員があまりいないでしょうし、業績がずっといいので、投資家であれば投資対象として目をつけるのはごく自然なことでしょう。

前回出席した時の感想そのままですが、私でも作れるようなパワーポイントを映しながら、社長が棒読みに近いプレゼンテーション。株主総会に割いているエネルギーは必要最低限といっていいでしょう。

質問した株主は2人だけ。一人目は30代と思しき男性で、よく勉強して投資していらっしゃる様子でした。10年分の有価証券報告書読んで株主になりました、とのことですから。配当よりも再投資にキャッシュを回してほしいという辺りも良くおわかりです。質問は韓国以外への海外展開について。東南アジアを検討してますとの回答ですが、一応次のターゲットはタイかなー、ぐらいの感じで、今のところはとにかく韓国、ということなんでしょう。

二人目は私。事業報告の中に、アパレルの展開を始めた、という一節があったので、サマンサタバサのいや~なケースが思い浮かび、アパレル事業の展望を説明をしていただきました。アパレルって、競争力あるんですか? リスク高くないですか?・・・回答の感触としては、それほど思い入れを持って突っ込んでいく意図は無さそうなので、とりあえずOKでしょう。スポーツシューズのおまけ程度、扱っている靴のブランドからしか仕入れないようなので。

終わってみたら30分ほどしか経っていませんでした。本当にあっという間。業績がいいので不満をぶちまけに来る株主がいないこと、周りを気にせず演説をぶってしまう高齢者がいないこと、お土産も何もないからヒマつぶしの株主も来ませんし、効率的な総会ではあります。

問題が無いわけではないんです。事業展開についてもう少し丁寧に説明してくれてもいいのにな、という部分はありますし、ガバナンスについては全く触れることもありません。社外取締役もいないようですね。

でもガバナンスについての質問って、こういう会社にはあまりしたくないんです。立派な金融機関でファンドマネージャーやっていれば迂闊にこういうことは言えませんが、コーポレートガバナンスというのは、衣食足りて礼節を知る、の世界でもあると思うのです。高成長が終わって、成長一辺倒じゃなくなってやっとガバナンスに意識が向く、というのが現実ではないでしょうか。ですから、ガバナンスが未熟なのは、成長の勢いが落ちてない、ということと裏腹だと思うのですよね。

→ 2013年の株主総会


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子会社化するってこういうこと ~ ローソンの株主総会 [株主総会]

株主総会が6月に集中しているからと言って、昨年6月の末以来一度も出席していないとは自分でも思っていませんでした。3月が忙しくて出られなかったせいでしょうか、それにしても久しぶりです。

昨日出席したのはローソンの総会。三菱商事の子会社となってしまったので、もう面白いことは起こらないんだろうな、と思ってはいたんですが、この感想を表現したような株主質問が相次ぎました。

まず前期の業績はイマイチ。売り上げは伸びたけれど減益。そして株価も過去2年ほど、だらだらと下がってきている。だから何となく不満の溜まっている株主が多い、というのがこの総会のトーンです。悪いことに競合のファミリーマートが、会社組織の大きな改変などとともに公開買い付けを発表して、株価が急伸しているのです。

直接「株価を何とかしろ」 という発言や、怒鳴るのが目的で発言してるのかと思うような困った株主もいましたが、それらも含めて4人ぐらいの株主が、色々な表現で伝えたかったことは、サラリーマン然とした経営陣に対する不満なのです。箇条書きにしてみると、
 将来展望が抽象的すぎる。具体的に説明してほしい。
 戦略、施策が他社の後追いみたい。昔はもっとローソンらしさがあった。
 今さら銀行などやってどうするのだ、現場を知らなすぎるんじゃないか。
 株主に対して魅力を十分訴えられていない。ワクワク感がない。
 三菱商事の方を見て経営しないでほしい。

皆さんおっしゃる通り、確かに会社の回答はどれも何となく抽象的で、美辞麗句できれいにまとまっているんですね。大企業から人事異動でやってきたエリートサラリーマンの匂いがぷんぷんするわけです。小売業らしい泥臭さがないんです。取締役の経歴をみれば、基本は皆さん三菱商事のサラリーマンですから無理もありません。三菱商事ではないものの、社外取締役も然り。

三菱商事出身でも以前の新浪社長などは、自分であれをやりたいこれをやりたい、というアイデアマンでらっしゃいましたから、発言にインパクトがありました。それを覚えているから、このような批判になるのでしょう。何某かの小売りの現場を知っている株主ならば、きわめて頼りない、という感想を持つでしょう。大いに理解できます。

ただ私に言わせれば、商事の子会社になるというのはこういうことですよ。経営の質が変わるのは仕方ないのかな、と。泥臭くやれと言われてもなかなか難しいと思うので、むしろ商事の子会社としての強みを活かすという発想の方がいいかもしれません。この成熟経済ですし、コンビニという業態も既に成熟に近づいているとすれば、成長はそこそこでも、今の高い配当を維持してくれれば私は不満は申しません。とはいうものの、銀行設立の件、今から始める金融業の展望についてはもっと説明が必要ですね。

そのほか良い質問と思われたものを列挙しますと、 
① 無人店舗の展開について。 店舗を無人化するというより、スマホを用いた決済の無人化システムを導入するそうです
② 新規オーナーの不足に対する施策について。 既存のオーナーに複数店舗持って経営基盤を築いてもらう。
③ なかなか収益化しない中国進は考え直すべきではないか、という意見。
④ 食品廃棄物を寄付に回すなどして社会貢献できないか。 これについては過去に試みたことがあるが、時期尚早で無理だったとのこと。

総会のお土産はローソンで使えるプリペイドカードです。株主優待に欲しいと言った株主もありましたが、私はその分現金配当貰う方が良いですね。まあそういう回答でしたけど。


→ 2017年の株主総会
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「経ママサロン」で話題になっていること [セミナー企画]

前回「値動きの激しいものはリスクが高い」ことについて書きましたが、同じテーマで、昨日発行のウェブマガジン「国民生活」5月号に載せています。こちらは投資家向けというより消費者向けの記事でして、リスクというものを投資に限らず幅広く捉えようとして書いています。日々の生活からして、私たちはいつも「リスク」に囲まれて生きているんですね。難しいことでも何でもない、ごく当たり前の身近なものとして「リスク」を理解してほしい、というお話です。 → 「私たちと経済 第5回 リスクについて」


さて、先週は自宅で「経ママサロン」を開催しました。開催などと大袈裟な感じですが、経済に関わる話題でおしゃべりする会。お母さんをやっている人たちの集まりだからと言って、特別な話題があるわけではありません。家計に関わる話題は少々多いでしょうが、多分普通にお勤めの皆さんが、仕事の後ビールでも飲みながら交わしている雑談とたいして変わりません。

子どもが小さい間は育児に関する話題が盛り上がるわけですが、子どもが育ってしまうと、代わりに関心が集まるのが介護ということになります。何にどんな費用が掛かると言ったことに始まり、介護保険のことから健康保険や医療保障、民間の保険に話題が広がり、さらには国の財政の話まで。

タイムリーな話題としては、残念ながら私もあまり詳しくないのですが仮想通貨やブロックチェーンについて、そしてフィンテックを含むこれからの銀行・金融業について。そこから中国や米国の経済に話題は飛び、世界経済、そこにスポーツの話題が入ると、スポーツと経済力という話になったりもします。

仮想通貨は電力を食う、という話から話題はエネルギーへと向かい、自動車産業を通って「ESG」というキーワードへ。そこから企業のガバナンスについて、さらには女性の働き方といった話題へと、留まるところを知らずにおしゃべりは続き、気が付いたら2時間以上が過ぎていました。

女性の活躍」は今の日本のテーマの一つですが、給与を受け取るという形をとっていなくても、女性は昔っから活躍しているわけで、「経ママ」の主旨のひとつは、「子育てしてるんだから、経済にも関心を持ってた方がいいよね」ということです。それからもう一つ、子育てが一段落したらまた働きたいと思っている人も多いはず。だから子育て中も経済の話題には触れていたい、というニーズもあるはずですよね。

ついでに言わせていただくと、女性に長く働いてもらおうと、多くの企業では退職しなくて済む制度を色々と導入していると思います。それは必要なことで、企業の努力には敬意を払うべきでしょう。そうした制度が無ければ、働く女性にとって著しく不利になってしまいますからね。

でも社会とってより必要なのは、女性を終身雇用制の枠に縛り付ける努力ではなく、終身雇用制を一旦離れて再就職しても、ずっと働き続けているのと遜色ない給与水準や福利厚生が得られる雇用制度を構築することのはず。これは女性の問題だけではなく、終身雇用制に収まりづらいあらゆる勤労者にとって必要なことですし、新しい産業に人材が集まりやすくするという産業政策でもあります。それなのに、どうして「働き方改革」が単なる残業規制になってしまうんでしょうね。

→ 「私たちと経済 第5回 リスクについて」
→ 経済に強いママを増やす会

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「値動きの激しいものはリスクが高い」ことについて [株式投資]

資産運用や投資について語る時、「リスク」の説明は欠かせません。

リスクとは何ぞや?・・・リスクというものを正しく理解してもらうにはどうすればいいのか。これはちょっとした知的なチャレンジです。資産運用における「リスク」については、様々な解説がされていますが、誰もが知恵を絞って工夫を凝らしているのが分かります。標準的にはリスクとは「不確実性」であって、一般に値動きの大きいものはリスクが大きいのだ、という説明になるでしょう。数学的センスのある人々は、事象のばらつきとか、標準偏差という表現を用いるとピンとくるのかもしれません。

私も不確実性、つまりどうなるかわからないことがリスクなのだ、という説明をします。値動きの大きいものはリスクが高いのだ、という説明もしてきました。ただ、この説明でよく分かった、すっきりした、という分かり方をする人がどれくらいいるのかな、と考えてしまうこともあります。値段が大きく上下する株の方が、少しずつ動く株よりもリスクが高い、つまり「投資成果がより不確実」と言ってもいいでしょうし、「明日の株価がより当てにくい」と表現してもいいかもしれません。投資の世界に慣れきってしまうと、疑問の入り込む余地もないわけですが、こうした説明で「そりゃそうだ」とか「納得!」という感じになりますか? 

「リスク」を投資初心者にどう説明するか、あれこれ模索している時にふと気づいたことがあります。「値動きの激しいものはリスクが高い」というより、「リスクをとっているから値動きが激しくなるのだ」ということです。「株主」」と「債権者」を比べてみるとそれが分かります。

企業に融資している債権者は通常、業績が良くても悪くても貰える利息は同じです。ですから企業の業績が良い悪いと言って、債券を売り買いする必要は生じません。ところが株主は、業績が良くなって利益が増えればその分株式の価値も増え、損失が出れば価値が減ります。配当も利益が出るか損失が出るかによって、増減します。

ある企業がすごく有望な技術を開発したら、それによって株式の価値が倍になるかもしれない、もしかすると10倍になるかもしれない、と思うから株式には多くの買い手が群がり、すごい勢いで株価が上がるわけです。でも巨額の開発費をつぎ込んだ研究が失敗するとか、スキャンダルが出たりとかいうことが起きると、株式の価値も大きく下がる、大損する、と皆思うから焦って売るわけです。株式の値動きは当然大きくなります。

それは「株主になる」ということが「損失を全部引き受ける代わり、利益が出たら全部自分のものにする」ということだからです。そしてそれは、債権者に比べて「大きなリスクを負っている」ことにほかなりません。大きなリスクを負っているから、値動きが大きくなるのです。「値動きの大きいものはリスクが高い」は結論的には正しいけれど、本来は順序が逆だ、というお話でした。

タグ:リスク
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「ゾンビ化」しない投信 [投資スタイル]

前回の最後に、長く続くファンドを探す、云々と書きましたが、出来ることは実はそれほど多くはありません。

既にお話したような、流行りのテーマに乗っかった投信を避けるだけでも、かなり違うと思います。テーマ型ではなくても、販売員が熱心に奨める新商品は、"ゾンビ化“(資金流出によって小さくなりすぎ、実質的に放置されること)する危険があります。購入を熱心に奨める販売員は、近々その同じ商品の売りを奨めて回る可能性が高いからです。逆にテーマ型であっても、すでに長く運用されていて、販売員が特段奨めてこないものならば良いかもしれません。

長い運用実績がある投信で、十分な資産額があり、資金の流出が続いている状態でないもの。運用方針はともかく、これだけの条件で絞れば、ゾンビ化を心配する必要はなさそうです。インターネットには「モーニングスター」というサイトがあって、投資信託のデータを見ることができます。条件を入力して絞り込む機能もあります。

たとえば、運用期間と資産の規模を条件に入れてみましょうか。ファンドの種類はETFなどを除く全ファンドとして、運用年数10年以上、純資産総額100億円以上、などと入れてみましょう。先ほどやってみた結果では、「カテゴリー」を国内株式型とすると83本の投信、国際株式型とすると64本の投信に絞られます。かなり小さなユニバースになりますね。

カテゴリーはほかにもありますから色々試してみたら良いでしょう。もちろん運用期間や資産額の条件を、もっと緩めても構わないと思います。資金の流出については、10年も続いていて資産が100億円以上ある投信ならばチェックする必要はないかもしれませんが、個別の投信の「リターン」のデータの中に、過去数年の資金の流出入という項目があります。

このデータサービスについて私が特別よく知っているわけではありませんので、説明はこのくらいにしておきますが、投資信託選びには役に立つでしょうから大いに利用すればよろしいと思います。

また、直販投信というカテゴリーも、検討に値します。ここまでのお話で「販売員が熱心に奨めるものは要注意」、と申し上げていますが、直販投信には販売会社がありませんので、販売員もいません。運用会社から直接購入するのです。こうした運用会社は、数少ない投資信託を継続して運用しているのが普通です。ですから一旦買ってもらった投資信託は、売ってほしくないのです。運用会社というものは、直販かどうかにかかわらず本来そういうものなのですが、販売会社が間に入ると様子が変わってしまうのですね。投資家と利害を共にする運用会社から直接購入すると、そういうわけで安心なのです。もちろん、運用方針や運用成績はまた別の問題ですけれども。

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