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キャピタルゲインを出さない金融商品 [投資スタイル]

私事ですが、今年の確定申告では、私が事務作業を任されている親の証券口座で、思っていたよりも売却益が出ていて、納税額がずいぶんと増えてしまいました。(納税するのは親ですが。) 

高齢の年金生活者は年収も少ないですし、キャピタルゲインにかかる所得税は、重く感じられます。配当ならば配当控除がありますが、売却益が出てしまうと、どうしようもありません。そうなると、配当を思いっきり出してくれて株価があまり上がらない、という株式があればありがたいような気もします。(もちろん一概には言えません。)

一時はブームとなってもてはやされながら、その後悪者扱いされるようになった、毎月分配型という種類の投資信託がありました。高い配当が人気の源でした。しかし、時として元本を食いつぶしながら配当を払うのはよろしくない、ということで人気も下火になったのです。

もちろん、配当によって元本が減ることもある、という説明をしっかりせずに販売すれば誤解を招き、非難されるのは当然です。しかし、既に「貯める」段階を終えて「取り崩す」段階に入っている世代にとっては、元本が割れたら割れたで、運用しながら取り崩すという便利な機能を提供してくれているわけですから、商品自体は非難されるようなものではありません。

私の親の口座にも、ブームの頃に買ったと思われる毎月分配型の投信が保有されています。買ったときにはどんな説明がされていたのか、今となっては詳しいことはもうわかりませんが、結果的にはこのまま持っていても問題ないと思っています。

そういえば以前、知り合いがこんなことを言っていました。「配当金をたくさん払ってくれて、自分が死ぬときには価値がゼロになるような金融商品があればいいのに。」どうして最後がゼロなのかと聞けば、「相続のトラブルがおきないでしょ?」とおっしゃいます。ならば、元本をどんどん食いつぶしながら思いっきり高配当をだす毎月分配型ファンドなんて、おあつらえ向きですね。但し、ゼロにするピッタリのタイミングは、どうやったって測れませんけれども。

タグ:毎月分配型
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春風に誘われて、株主総会 [株主総会]

この季節は、12月決算の企業の株主総会です。

今週水曜日。大塚商会の株主総会は2年ぶり2回目です。前回の記憶からすると特に面白いこともなさそうなので、出席するのをやめようかと迷いましたが、暖かそうな春の日差しに誘い出され、風を切ってひとっ走り、ママチャリで出かけました。

業績は好調で財務も安定、紛糾するような要素は見当たりません。質問することがあるとしたら、働き方改革への取り組みぐらいかしら、と思っていたら、事業報告の冒頭から、働き方改革を先取りしてます、との説明。顧客に対する提案も行っているということですから、働き方改革もいわば商品の一部になっているんですね。

この会社、従来から一人当たり売上高という指標を重視しているようで、IRによく登場します。過去20年間に社員数は8%増え、売り上げは倍以上になったということですから確かに優秀です。且つその間の年間休日数は、118日から131日に増えたという説明でした。

2年前に出席した総会は、出席者のほとんどが元社員か取引先など関係者のようで、質問もほとんど出なかったのですが、今回のQ&Aはなかなかに活発でした。純粋な個人株主の参加が増えているのでしょう。良い質問も、面白い質問もありました。

ごくまともな質問、たとえば現預金はこんなに要らないんじゃないのか、と言うのに対しては、色んな事を言っていましたが、要するにこれから使い道を考えるということですね。経営が順調でキャッシュが積み上がっている会社って、大体こんな感じだと思うんです。経営効率を一生懸命追求してきて、資本の効率はそのあとということに、どうしてもなるのでしょう。

最後の方で出た、AI時代到来でどんな影響を受けるか、というのも良い質問。回答では今時の技術を生かした製品を列挙していました。Chatbotのシステム、顔認証システム、RPA、Webカメラ…。新しい分野の製品が増えること=ビジネスチャンス、ということですね。

どういうビジネスやってるのかよく分からないから教えてくださいという、株主初心者コースの質問もあって、丁寧に回答されていましたが、ここで社長が、会社創業時の理念のような話を補足。青焼きの機械と感光紙からスタートしたんだそうです。顧客の仕事が止まらないように、いつでも1包でも感光紙を届ける、壊れたらすぐサポートに走る…と聞くと、コピー機のビジネスみたいですね。こういう話は会社のイメージがよくわかってありがたいことです。

面白い質問。テレビのCM、とてもいいですね、という話。テレビ東京の経済番組で流れるようですね。私は最近あまり見てないので覚えがありませんが、社長の肝いりで制作しているのだとか。社長自ら、このCMシリーズに込める思いを語っていました。

他には、車好きだそうですがベントレーはまだ乗ってるんですか、というのもありました。車好きだったのは会長だったようで、既に売却済みとのお答え。社長はあまり興味がないようですね。こういうどうでもいいことも含め、社長が静かな口調ながら気持ちを込めてお話になる様子に好感が持てました。

→ 2017年の株主総会

本社前、川沿いの桜並木
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想定外をなくす [投資スタイル]

先日ある会合で、イスラエルという国家はリスクコントロールに長けている、という話を聴いていましたら、「彼らには『想定外』がないのです」という表現が出てきました。これ、個人の資産運用に生かせる考え方です。

想定外がない、というのは、あらゆる状況を想定内に入れてしまう、ということですね。私が株式投資のセミナーでお話する時には「シナリオはいくつあってもいい」という表現になっています。投資しようとする企業の業績を予想するのは難しいので、こうなるかもしれないし、ああなるかもしれない、とあり得るシナリオを色々想定しておくのがいい、というわけです。そしてシナリオはいくつあってもいい。結果がそのうちの一つであれば、想定内だったということになります。想定していれば、その結果に対処することもできる、だからリスクコントロールになるのです。

2月の初めごろのブログで、サンバイオの株式について書きました。ハイリスクな成長株です。「こういう銘柄は、ゼロになってしまう可能性まで想定して心の準備をしておけば、そう悪い投資ではないとも言えます。」と書いたのですが、これはとりもなおさず最悪のケースまで想定内にしてしまう、ということです。

最悪の場合を想定してもう一歩踏み込むと、この場合無くなっては困る資金で投資してはいけない、ということが分かります。退職金を丸ごとつぎ込んだら大変なことになります。しかし、たとえば温泉に遊びに行って高級旅館に泊まるために貯めていたお金であれば、もともと使ってしまえばなくなるはずのお金です。温泉旅行がハイリスクな成長株に化けても、それはちっとも構わないと思います。「買わなきゃ損、という投資家がいても不思議ではない」というのはそういうことなんですね。

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貿易戦争?どのていど悲観すればいいのか [市場と経済]

世界的に株式市場は、年明け以来何となく順調に戻して来ています。米中貿易戦争か、すわ一大事、とばかりに年末辺りは急落したものの、悲観のし過ぎを反省しているかたちです。何ごとも行き過ぎはいけませんが、景気の勢いも企業収益も下降気味で、やはり今のところ、あまり投資環境が明るいとは思えません。米中貿易戦争であるとか、冷戦の再来であるとか、今の時点ではそういった表現は大袈裟に過ぎるでしょうが、ベルリンの壁崩壊以来ひたすら進展してきたグローバリゼーションの流れに転機が訪れている、というのは大方の認めるところではないでしょうか。

信頼のなかったところに信頼が築かれ、物もお金も容易に東西の壁を超えるようになった90年代。それは中国の急成長を援け、一方世界は大いにその恩恵を受けたわけです。信用のあるなしがそのまま金利に現れるように、ビジネスというものは、信用があるかないかでかかるコストが大きく違ってくるものです。社会主義に覆われていた経済圏が資本主義を受け入れ、過去には信用できなかった相手が信用できるようになったことのインパクトは計り知れないものがあったに違いありません。

90年代は、株式市場も世界的に大幅な上昇を記録しました。主要市場でここに加われなかったのは、バブルの後始末に追われていた日本だけでしょう。2000年代に入ると中国はWTOに加わり、将来は資本主義・自由主義経済の仲間同士となるのが自然の成り行きのように思えました。だから中国は基本的に信頼できる相手という前提で、90年代以降の経済は進展してきたはずです。しかし今やその前提は崩れ、信用は所与のものではなくなってしまったようです。

貿易交渉が順調に進展すれば、行き過ぎが修正されたり緊張緩和が図られたりして、ビジネスの条件は改善するでしょう。しかし、歴史の流れが再び向きを変えるということにはならないのだと思います。過去のようなグローバリゼーションの進展は、もう見られないのかもしれません。それを誰もが感じるようになったのは、多分アメリカの大統領がトランプ氏に替わったころからでしょう。しかし実は、リーマンショック辺りを機に変化は既に始まっていた、という記事を、先月の英エコノミスト誌で見ました。(1月26日号「Slowbalization」)

それによると、GDP比で見た貿易額や国境をまたぐ投資額・融資額は2008年に頭打ちとなっています。急激に伸びてきた中間財の輸入額、多国籍企業が海外で稼ぐ収益などもそうです。それまで企業が構築してきた国際的なサプライチェーンの活動は、2008年までにピークアウトしていたということでしょう。人々の往来や小包のやり取りは伸び続けているということですから、国境をこえた個人の消費行動は、まだ勢いがあるようです。

株式市場を振り返ってみると、日本以外ほとんどの市場が上昇した90年代に対し、2000年以降、特にリーマンショック以降のパフォーマンスは、ネット世界のリーディング企業を擁する米国と、統合されたユーロの恩恵を一身に集めた形となったドイツが突出して見えます。リーマンショック前のピークをしっかり超えているという意味では日本も健闘してはいますね。

GlobalizationがSlowbalizationに、ということなので、今のところ逆行しているわけではないのでしょう。そして最終的な消費者は世界中から物を買い、海外旅行をする、という傾向を今も続けています。これから観光大国を目指し、働き手も海外から来てもらおうとしている日本も、まさにその流れの中にいます。世界中の国際関係がギスギスして感じられるなかで、経済の長期展望もつい弱気に傾いてしまいますが、グローバリゼーションが止まってしまったのか、形を変えて進展しているのか、それは表現の仕方の違いなのかもしれません。あまり悲観に傾きすぎぬよう自戒しつつ。

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超ハイリスク・ハイリターンな成長株 [株式の個別銘柄]

株式市場では「サンバイオ」株が昨日まで4日連続ストップ安、今日も下げて、その間だけで株価は4分の1ぐらいになってしまいました。凄いですね。この値動きを見て心臓がバクバクしてしまう人は、やっぱり買わないほうがいいですね、こういう純粋に成長期待のみで株価の形成されている銘柄は。

では、こういう極端なほど乱高下する成長株は、単なるギャンブルの対象なのでしょうか。「投資価値」についてはどう考えればよいのでしょうか。

周知のとおり、この会社は「夢の薬」を開発しているといいます。製品はまだできていないので、どこから売り上げが来るのかよく分かりませんが、とにかく製品ができるまでは赤字が続きます。でも首尾よく開発が成功すれば、莫大な利益が手に入るはず、という状態の銘柄です。

手元の四季報で財務情報を眺めますと、総資産は147億円、自己資本は107億円、有利子負債は27億円。これだけ見れば、悪くないですね。自己資本に対して負債は多くないし、それほど危ない会社には見えません。この107億円の自己資本が、このままでいくと毎期30億円とか40億円とかいうペースで減っていくわけです。開発に成功すると期待されている限り、開発費が足りなくなればまた調達することになるのでしょうが、今ある自己資本で3年くらいは持つことになります。

今日の2600円近辺という株価の水準は、急上昇の始まる前、あまり株価の動いていなかった2018年前半の水準も下回っています。今日はようやく売買もできているようですし、当面はこの辺で落ち着くのかもしれません。この株価で計算すると、時価総額は1290億円くらいになります。147億円という総資産、107億円という純資産(自己資本)に、1290億円というお値段がついているわけです。倍率にすれば総資産の8.7倍、純資産の12倍です。

これを高いと感じるか高くないと感じるか、それはひとえに、薬の開発の成功をどの程度信じられるかに依るわけです。この先どのくらい時間がかかるかにもよりますが、そこそこ現実的な評価のようにも見えます。

いずれにしても、開発が上手くいくかどうかが全てを決する、超ハイリスク・ハイリターンであることには変わりありません。こういう銘柄は、ゼロになってしまう可能性まで想定して心の準備をしておけば、そう悪い投資ではないとも言えます。株価が上がる時のスケールも、桁違いに大きいでしょうからね。そんな可能性がちょっとでもあるなら買わなきゃ損、という投資家がいても不思議ではありません。ただ辛抱強くなければ投資はやめた方がいいでしょうね。なにしろ製品はまだできていないのですから。

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業績に問題はないはずなのに・・・星野リゾートREIT [株主総会]

総会の雰囲気にちょっとびっくり

昨日出席した「投資主総会」では、議事進行役の力量というものをつくづく考えさせられました。投資対象そのものが悪いとも思えないのに、会場の雰囲気は険悪になるばかり。すぐにでも売りたくなるような総会になってしまったのです。

星野リゾート・リート投資法人。結論を先に言っておくと、私の眼には「買わない理由のない銘柄」と映ります。有望なマーケット。業界内の好ポジション。分配金は連続増額、5年で倍近くになっている。財務上も特に問題ない。それで分配金の利回り4.8%です。事前に険悪な総会など予想できませんでした。

招集案内は非常に薄くて、法令の変更に合わせた定款の変更と、任期満了の役員の再任を諮るという、決議事項としてはごく一般的なパターン。質疑応答は決議事項に関することだけとのことだったので、あっという間に終わるのかと思いきや、よくこんなに聞くことあるな、というくらい質問が続きました。

役員が全く証券を保有していないことについてとか、定款変更の主旨についてとか、監督役員は兼務が多すぎじゃないのかとか、特に質問が変なわけじゃありませんが、途中から監督役員についての質問が増えてきて、彼らの資質に問題があるような印象が生じてしまったのです。

当然私には彼らがどういう人たちかという特別な情報はありませんが、投資法人ってそもそも器であって、その監督役員は器がきちんとしているか監督する役のはずなんです。それが、不動産の素人じゃないのか、それは問題じゃないのか、過去に監督していた投資法人に問題があったんじゃないか、といった質問になってきて、不適切な役員を糾弾する、みたいな雰囲気になってしまいました。

投資法人の監督役員って不動産の目利きである必要はないと思うし、兼務が多いのもわりと普通だと思うんですね。だからそういう説明をして疑念を晴らさなくちゃいけなかったのです。出席していた投資家の方からも、その後そういう指摘がありました。皆さん誤解なさってるようだから、投資法人の仕組みを説明したほうがいい、と。 

詰まるところ、議事進行を担った執行役員の力量不足でしょう。終止台本読みなのです。質問に対する回答も、想定問答集の該当箇所を読んでます、という話しかたで、話している内容が相手に伝わらない、というのはこういうことなのでしょう。とにかく余計なことは言わないように、という態度に見えました。必要なところでは毅然とした対応をすべきなのに、あれでは聞いている方も不安になってしまいます。

証券の値段が上がらないのは何故ですか、どうなってるんですか、というよくあるクレームまがいの株主質問がここでも出て、雰囲気の険悪化にまた一役買っていましたが、業績がいいんだから何もひるむことはないんですよね。皆さんのような目の効く投資家が日本にはまだ少ないということでしょう、とか答えておけばいいのではないでしょうか。

議事は険悪なまま進み、採決となりましたが、なんだか拍手していない人が多かったように思います。拍手する気分にならないぐらい雰囲気が悪かったことは確かです。するとまた、こんな拍手で採決していいのかとか、色んな声が上がってクレーム大会になってしまい、ほうほうの体で最後までたどり着いたという印象。

険悪な空気は運用状況の報告会が始まっても続き、もう「文句の一つも言わなきゃ損だ」とでも言わんばかりです。早く報告聞きましょうよ、と声を上げようかと思ったぐらい。別に業績が悪いわけでもなく、スキャンダルを抱えているわけでもないのに、雰囲気悪すぎです。それでも無事運用状況の報告が始まり、そのうち場の空気も治まりました。

あの険悪な空気は、「イジメ」の空気と同じ性質のものだったと思います。今回の進行を担った執行役員、子どもの頃いじめられっ子だったとか?その場にいると、さしたる理由もないのにだんだんといじめに加担してしまう。それが当然のようにその場の空気に飲み込まれてしまうんですね。恐ろしいものです。

本題の運用状況報告

さて、本題だったはずの運用状況の説明、特筆すべきことはそれほどありません。過去5年でファンドの規模も順調に拡大し、それに伴って資金調達も楽になり、それが外部成長を援けるという好循環にあるように見えます。

昨年は北海道や関西・中国地方など自然災害が多くて損失も出ましたが、自然相手では如何ともし難いでしょう。大阪のハイアットが良くないとか旭川の新規物件が良くないとか発言している投資主がいらっしゃいましたが、個々にはそういうものもあるのかもしれません。そこまで細かく見ていませんけれども。

外国人客の利用は全体の平均で2割ほど。特に高級リゾートの「星のや」に多い。温泉旅館の「界」はまだ1割ぐらいで、今後伸ばせそう。インバウンド客は、曜日や季節の凸凹を埋めてくれるありがたい存在だそうです。

Q&Aで、利益相反が起きないのか、という指摘がありました。つまり星野リゾートが切り捨てたい物件を押し付けられることはないのか、という意味。仕組みからするとその可能性はあるわけですが、そこは星野リゾート全体に対する信頼の問題というしかないのでしょうね。不動産業のグループでREITを持っているところは、同じ事情を抱えていると思います。

星野リゾートになる前の星野温泉から利用しているという投資主の発言もありました。非常にロイヤルなお客様、一番大事にすべき投資主ですね。彼女はあの「いじめの現場」をどう思って見ていたのでしょうか。

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久しぶりの株主総会はHIS [株主総会]

昨日は久しぶりの株主総会。HISは数年ぶり、確か2回目です。(前回のメモはこちら

よく講演会などで、演台の左右、目の高さにある透き通った板、あれ、プロンプターですよね?澤田社長が右側のプロンプターを見ながら話していると、その透明板のちょうど先に私の席があって、ずっと私の顔を見ているみたいにこっちからは見えるわけです。そんな、何となく落ち着かないような特等席で、昨日は聴いておりました。

終わった年度の業績は、順調と言ってよいと思います。連結範囲が増えているので表面上は大幅増収ですが、既存事業でも6%近く伸びてるようですね。増益率も為替差益・差損の影響を除けば2桁増益でしょう。

海外の旅行先は韓国が復調していると言ってましたね。欧州も良いというのは年末年始の曜日の並びがよかったとか、個人消費が強かったとか、そういうことなんでしょうか。ビデオによる事業報告では、海外中心に安全の確保や人材の教育に努めている、というアピールに力が入っていました。クオリティの向上ということですね。

株主質問で聞くまで知らなかったのですが、ブライダルツアーでちょっとした事件があったのですってね。ツアー開催の当日に、新築のチャペル(とホテル?)が完成しなかったとか。当事者は260組。代わりのツアーを用意しました、ということで、私も気がつかなかったということは、多分危機管理が上手く行ったのでしょう。

余談ですが、若いころNYからフランスへスキーに行った時のエピソードを思い出しました。大勢でアパートメントを一部屋借りるという形だったんですが、現地に着いてみたらその建物がどうしても見つからない。幸い現地の案内所に日本人スタッフがいて(さすがバブル期ですね)調べてもらったら、建物が建築中だった、ということがありました。世界の常識では珍しくないことなのかもしれません。

昨年、3カ月間の海外視察旅行に出かけたという澤田社長、その感想を質問されての回答。昔と今の旅行の違いはスマホの存在が大きい、と。スマホの利用がサービス開発の鍵、ということなのでしょう。それから、東欧の発展が印象に残ったとのこと。太陽光発電の関連施設も見て回ったようです。電力事業に対してもそこそこ意欲的。

何人かの株主が質問したのは統合型リゾート施設。例のカジノです。そのために定款に関連事業を加えてます。取り組みを質問されての回答は控え気味。まずは自治体が動かないと・・・と。でもやるとなったらちゃんと協力しますよ、当然メリットがあるし、というのがお答えでした。自治体にすれば、ハウステンボスのような絶好調のリゾート施設を地域に抱えながら手を上げないわけには行かないだろうし、HISにすれば当然期待に応えないわけには行かないということでしょう。

昨今は人手不足が深刻の度を増しているので、人材の採用に支障をきたしていないか聞いてみました。採用には困ってません、とのお答えでしたが、どうなんでしょうね。昔から人材の出入りが激しい企業ではないかと思われるので、状況の変化を感じないだけかもしれません。或いは人事的ノウハウが貯まっているのかもしれません。経験知というわけです。

「変なホテル」については、ホテル一軒あたり従業員何人で稼働できているのか聞きました。前回も似たようなこと聞いているんですね。その時は6人。今回も、予備人員含めて7人ですから実質は同じなのでしょう。安全のための規制などもあるでしょうから、減らせるだけ減らすというわけにも行かないのかもしれません。とはいえ、この事業は柱の一つになっていくという勢いが感じられます。都心部に新しく2軒オープンしたらしいので、是非一度泊まってみたいものです。

最後に質問した株主、お土産のカステラ、2本にしてくれないかなあ、というのはご愛敬。澤田さんは、2本はちょっとと言いながら、来年は「金のカステラ」にしてもいいかな、なんておっしゃってましたが。

ところで、株主総会の部屋の隣に、相談センターのような場を設けていました。これはNTTドコモにもありましたが、一種のクレーム対策なんでしょうか。消費者相手のサービス業では、株主質問にクレームが混じるって、割とよくあることでしょうからね。総会の場でクレームが出たら、終わってから隣で伺います、と言えるわけです。今日は特に出番はありませんでした。

→2017年の株主総会



タグ:株主総会 HIS
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資産運用は百人百様 [投資スタイル]

資産運用について語る時に私がいつも言うことですが、投資や資産運用の仕方に「正しい」「正しくない」というのはありません。個人の事情や考え方の違いによって、投資も資産運用も千差万別でいいのです。

昨今資産運用についてある程度学んでいる人は、幅広く投資するインデックスなどの投資信託を主に、そして付け足し程度に個別銘柄を持つのがよい、と教わっているのではないでしょうか。株式投資に興味がない、時間を割きたくないという多くの人には、インデックスを中心に資産を構成するのが賢明な方法だと私も思います。でもそこで確認しておきたいのは、それが正しくてそれ以外はダメな運用法、というわけではないということです。

私自身は日本の個別株を中心に保有していて、外貨資産の比率はかなり低く、債券は、特に国内についてはほとんど持っていません。こうした資産配分は、多分教科書的なやり方からはかけ離れているかもしれません。しかし私はそれなりに考えて、十分な理由があって、こうした資産配分にしているわけです。

日本株について投資信託を買わないのは、自分でできることを他人に手数料を払ってやってもらうのは合理的ではないし面白くもないからです。外貨資産が少ないのは、外貨を持つということが、それだけで十分に大きなリスクだと考えるからです。時価総額比率に従って日本株の配分を8%にする、などということは全く考えません。過去にはほとんど米国株しか持っていなかったこともありますが、今は日本株にも十分保有するに値する企業がたくさんあります。債券にしても、内外の利回り格差はかつてに比べると魅力的ではなくなりました。

インデックス投信の類は、マーケットが急に動いて銘柄選択する余裕がない時や、自分で銘柄選択できない海外のマーケットを買う時に少しだけ利用します。どうしてもインデックスを買うと、本来持っていたくない銘柄の方が、持っていたいと思うような銘柄よりも多くなってしまうからです。

今日ここでは、自分の資産は自分に合った方法で運用すればいい、と言いたいだけなので、資産配分の話はまた別の機会に。個別銘柄に投資することは、別に時代遅れな運用方法でもないし、必ずしも効率の悪い運用というわけでもありません。興味があるかないか、ある程度時間を割けるかどうか、そしてリスクをとる余裕があるかどうか、それだけの問題です。大切なのは、どんな方法でもちゃんとリスクが管理できていること。こうしたことがクリアできる方は、ぜひ株式市場に参加していただきたいものです。

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伝説のチャンピオン [株式投資]

今年最後の1日です。もうマーケットもお休みですから、今日は肩の力を抜いて、イマドキの話題で。

今話題の、と言えば、社会現象にさえなっている映画、「ボヘミアン・ラプソディー」。私も、この世代としては見ないわけにはいくまい、ということで、遅ればせながら鑑賞してまいりました。当時熱心なファンということはありませんでしたが、「ボヘミアン・ラプソディー」という曲には度肝を抜かれたものです。なんと今も家の棚にシングルレコードがあります。

これからご覧になる人もあるでしょうから、映画の中身については語りませんが、終章のライブで「伝説のチャンピオン」を歌う場面があります。その歌詞の中に「No time for losers」というくだりがあって、過去のプロデューサーのひとりがチラリと画面に映るのですね。その人物は、ボヘミアン・ラプソディーのシングルカットを認めようとしなかった人物です。少しのリスクをとらなかったために、大きな果実を取り損ねたのです。

その時私の脳裏には、投資すればよかったのに、または売らなければよかったのに、逃してしまった大きな魚の名前がいくつか通り過ぎたのでした。過去の株式投資での失敗として思い浮かぶのは、ほとんどがこうしたものです。買って損したことはほとんど忘れてしまっていますが、「買えばよかった」「売らなきゃよかった」は忘れません。なぜならそういう銘柄は大きく育って、いつでも私の目に入るところにあるからです。そしてその金額も、投資するはずだった金額の何倍にもなっているからです。

これから株式投資を始めようという人は、買ったものが下がるのは怖い、と思っていることでしょう。でも考えようによっては、それはたいした「損」ではないのです。全財産を賭けるようなことさえしなければ、という条件付きですけれど。

ところで、ネット検索してみると、実際はボヘミアン・ラプソディーのシングルカットを巡る移籍という事実は無いようですね。ある程度フィクションを織り交ぜた映画ということなのでしょう。

それでは皆さま、良いお年を。

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落ちてくるナイフを掴む [投資スタイル]

今日は(正確には昨日ですね。日付が変わってしまいました)三連休明け、株式市場は暴落に近い下げを演じました。
今朝のCS放送では、配当利回りに注目しましょう、といった話をやっていましたが、テレビの類は相場が悪くなると配当の話をするんですね。でも本当は、相場が良くても悪くても配当に注目していてください。配当をもらうために投資するのは基本のひとつだからです。そしてもし配当が増え続けるならば、それは優秀な企業だからです。

相場は本格的に悪くなってきました。まだ下がるかもしれない、とは思うものの、今日は何銘柄か買いました。もっと安く買えればもちろんその方がいいけれど、この配当利回りなら十分かな、と思う銘柄を選んでいれば、それ以上の贅沢をする必要はありません。今日の投資で、私の来年の年俸はまた何万円か増えたわけです。買った銘柄の配当収入のことです。

4%台半ば以上の配当利回りが得られる銘柄は数多いので目移りしますが、日産の7%近くというのは、やはりちょっと異常値という気がします。会社で異常なことが起きているのだから当然とも言えますが、異常なものはそのうち正常に向けて修正されるでしょう。

修正される道筋は2つ、配当が減るか株価が上がるかしかありません。日産に限らず、配当利回りが高すぎると思う銘柄を選ぶならば、考えるべきことは同じです。「配当は減るだろうか?」・・・日産がどうなるか予想しようなどというのは時間の無駄かもしれませんが、「配当が減るか?」に絞って考えると、必ずしもその確率は高くないように思います。それに、少しぐらい配当が減ってもまだ十分高いでしょう。

その他にも、設備投資関連を一つ、レジャー産業から一つ選択しました。電話会社もいいと思いますが、料金を下げるという話もありますし、ソフトバンクがあれだけの額出てきているので、急ぐことはないという判断。

繰り返しますが、まだ下がるかもしれないけれど、だから買わない、という結論には必ずしもなりません。底がどこかという予想は難しいというのもそうですし、本当に底が近いと思う時に、自分は株価を見ている暇があるとは限りません。毎日こればかりやっているプロとは違いますから。

「落ちてくるナイフをつかむな」などと言いますが、つかんでもいいんです。今日の時点で配当利回りが十分高くて、今後配当が減り続けるような事態が予想されないならば、株価がまだ下がってもまた戻ってきます。まだ下がっても、売らなければ損ではなくて評価損にすぎません。プロではないのですから、誰にも評価損を公開するわけではありません。落ちてくるナイフを、分厚い手袋でもしてつかめばよいのです。


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